英トータル・ギター誌のマシュー・ベラミー(ミューズ)へのインタビュー中、新作の表題曲「Will Of The People」で使用したファズ・ペダルについての話の流れから、現在自身のシグネチャー・ファズを開発していることを明かしてくれた。新作では50台以上のファズを試しながら、理想の歪みを追い求めたファズ・マニアが作る1台とは? その内容について語ったマシューの言葉をお届けしよう。
Word by Amit Sharma. This article is translated or reproduced from Total Guitar #363, September 2022 and is copyright of or licensed by Future Publishing Limited, a Future plc group company, UK 2022. All rights reserved. 翻訳=トミー・モリー Photo by Andy Willsher/Redferns/Getty Images
(『Will Of The People』のレコーディングで)50台ものファズ・ペダルを試したんですね。
あぁ、それで実は、今まで僕が試してきたいくつかの機能を持たせたファズ・ペダルを開発しているんだ。左から右へとスライドさせて使えるイコライジングを搭載していて、極端にえぐるようなカーブだって作れるようにしている。ほとんどのファズ・ペダルってフルレンジなサウンドになっているように感じていてね。特にベース、ドラム、ヴォーカルと同時に鳴らすとそれが顕著に感じられるんだ。
ファズのスウィート・スポットは具体的にいうとどのあたりだと感じていますか?
個人的には600〜900Hzになるかな。これぐらいの低いところが腰回りっていうかミドルって感じで、ベースよりも上のところで程よく収まりつつも、僕の声域よりも下になるんだ。僕のボーカルって典型的なロックのスクリームよりも演劇的でクラシカルな感じがあって、声が収まるところにギターが入り込み過ぎるのは好きじゃないんだよ。
だから、ローミッドにかけてを程よくプッシュしてくれるファズを探すことに、僕らはかなり時間をかけていた。レコーディングが終わったあとも、どんなペダルを使っていても徹底的にイコライジング作業をしなくちゃならなかったんだ。まだ完璧とは言えないけど、これが今回特に新たに学んだことだったね。こういった機能をどうやったら盛り込めるか数人の人たちと作業をしているところで、それを多くの人が手に入れられるようにしたいと思っているんだ。
それはエキサイティングなニュースですね。それはマンソンからの発売となるのでしょうか?
うん、たぶんそういうことになるだろう。僕だけでもできるだろうけど、マンソンにはそういった回路について全部チェックできるチームがある。すべてをこの流れの中でやれた方が合点がいくよね。
現在のところいつにリリースになるか決まっていなくて、まだ検討しているところだ。ひょっとしたら今年の後半には何かしらの見解が得られるだろう。そしてこれは「Will Of The People」と「Supermassive Black Hole」で聴けるサウンド、共にDIにつないだファズのサウンドに基いたものになるだろうね。
作品データ
『Will Of The People』
ミューズ
ソニー/SICX-30148/2022年8月26日リリース
―Track List―
01. Will Of The People
02. Compliance
03. Liberation
04. Won’t Stand Down
05. Ghosts (How Can I Move On)
06. You Make Me Feel Like It’s Halloween
07. Kill Or Be Killed
08. Verona
09. Euphoria
10. We Are Fucking Fucke
―Guitarist―
マシュー・ベラミー