Special Talk Session | 清 竜人×菰口雄矢2人の出会いとギタリストとしての嗜好 Special Talk Session | 清 竜人×菰口雄矢2人の出会いとギタリストとしての嗜好

Special Talk Session | 清 竜人×菰口雄矢
2人の出会いとギタリストとしての嗜好

2022年11月にリリースされた清 竜人の8枚目となるアルバム『FEMALE』。今回、ギター・マガジンでは清 竜人とレコーディングに参加したギタリスト・菰口雄矢の対談を企画。隠れたギター・アルバムである『FEMALE』について語ってもらった。

取材・文=小林弘昂 人物写真=西槇太一

菰口さんがギターを弾いていて、
観た瞬間に“ヤバいのいるな”と思って(笑)。
──清 竜人

今回はインタビューを受けていただき、ありがとうございます。『FEMALE』、物凄いアルバムでした。

 ありがとうございます!

あまりにも良かったので、ギタマガ編集部のみんなにも聴いてもらったらビックリしていました。“こんなにギターが鳴ってるとは思わなかった”と。

 そうですか(笑)。

だから『FEMALE』は超ギター・アルバムだと思っているんですよね。

 なるほど。

アルバムのお話の前に、まずは竜人さんと菰口さんの出会いからお聞きしたいのですが、最初に会ったのはいつ頃なんですか?

菰口 最初は竜人さんの田村ゆかりさんへの提供曲の案件で。

 そうですよね。

菰口 凄く難しい曲のレコーディングに急に呼ばれたんです。僕はその時、竜人さんのことを存じ上げなくて、“なんかよくわかんないけど呼ばれたから行く”みたいな感じで(笑)。あと曲の譜面がなくてビックリしました。

 あ〜、そうだったかも(笑)。「ゆかりはゆかり♡」(2017年)っていう凄くファンシーな楽曲のレコーディングでお声がけしたんです。一番最初がそれだったので、“この次、大丈夫かな?”と(笑)。

菰口 そのあと竜人さんのことをネットで調べるじゃないですか? そしたらSSWだけどアイドルっぽいこともやっているし、“謎の人”っていう印象でした(笑)。

竜人さんは菰口さんにどんな印象を?

 僕がそもそもお声がけしたいきさつは、菰口さんと一緒にRECするようになる前、ドラマーの川口千里ちゃんとよくレコーディングしていて。その縁もあって、一度Blues Alleyかどこかに千里ちゃんのライブを観に行ったんです。そこで菰口さんがギターを弾いていて、観た瞬間に“ヤバいのいるな”と思って(笑)。

ヤバいの(笑)!

 “なんで今まで知らなかったのかな?”と。千里ちゃんのマネージャーさんを通じて紹介してもらって、そこからずっとお手伝いしていただいていますね。そのライブがけっこう衝撃的で。

菰口 そうだったんですか。

 うん。本当に。その時から今までずっと変わってないんですけど、“本当に素晴らしいギタリストだな”っていう第一印象。

特に菰口さんのどのような部分に魅力を感じたんですか?

 グラフで言うと全部がMAXのイメージなんです。超技巧的だし、フィーリングも素晴らしいんですけど、僕は菰口さんのギターのタッチが好きというか、凄いなと思っていて。プロの世界でやっているサポート・ミュージシャンって、そりゃあみんな上手いじゃないですか?

そうですね。

 上手い人はいっぱいいるんだけど、難しいことを弾くのは当たり前の話で。例えば“フレーズが歌えるか”とか、“難しいフレーズの中でどれだけ抑揚を付けられるか”とか、そういうのが重要な部分だと思うんです。そこに関して菰口さんは“タッチが凄く繊細だな”という印象があって、どれだけ難しく激しいフレーズでもタッチが素晴らしい。“どういう手の構造してるんだろう?”みたいな。

菰口 ……凄く嬉しいですね。珍しく褒められる日で嬉しいです(笑)。

 あんまり人のこと褒めないんですけど、もう全面的に。

菰口 天才に褒められて嬉しいです。僕は最初に会った時は凄くフラットな、“作家さんに呼ばれたので来ました”っていうスタンスだったんですけど、2018年にO-EASTで竜人さんのライブをやるとなった時、昔の曲を色々と聴かせてもらって、“こんなに凄い人だったんだ!”と、そこで初めて知るという(笑)。いつもタイトルに“♡”がついている曲を作っているイメージだったから。

 ハハハ(笑)!

菰口 “アイドルの曲が得意なのかな?”と思っていたんですけど、自分が持っていたイメージと全然違って。めちゃくちゃ硬派なことをしている曲もあれば、ぶっ飛んでいる曲もあるし、“こんな天才いたんだ!”って、僕はその時に気づきました。

 当時、リハの時に感想を伝えてくれたのを覚えていて。

菰口 感動したんですよ! “こんなに素晴らしい日本人アーティストがいたんだ”って。ガッツリ全曲弾かせてもらったアルバムは今回が初めてだと思うんですけど、もっと早く知り合いたかったです。

菰口さんが過去の竜人さんの楽曲を聴いて、一番印象に残った楽曲は?

菰口 やっぱり「痛いよ」(2010年)かな。何回聴いても心が震えます。魂の琴線に触れるっていうか……凄いですよね。理屈抜きに好きです。普通にファンです。

先ほどもお話に出ましたが、2018年秋のO-EASTでのワンマン・ライブに菰口さんが参加されていましたよね。

 バンド編成での生演奏のライブは久々だったかもしれないですね。グループをやったり、違うスタイルでの活動期間も長かったので。

菰口 シーケンスも使わず、全部生演奏でしたもんね?

 そうですね。

菰口 原曲ではギターが重なっている曲もいくつかありましたけど、その中でも目立つフレーズを弾くというか。そういう感じで僕はやっていました。

ライブで一緒に音を出してみて、どうでした?

 その時のライブでも、そのあとに菰口さんとご一緒したライブでも、観に来てくれた関係者やプライベートの友達が、“ギター、ヤバくね? あの人ヤバくね?”という話をしていたのを覚えていますね。菰口さんに聞いてみたいんですけど、コロナ禍になって時間が空いたあとにご一緒した時、“コロナ期間でたくさん練習できた”みたいな話をされていて、凄いなと思ったんですよ。

菰口 その話しましたね。

 当然、日々の鍛錬とかに裏付けされていると思うんですけど、レコーディングの時のクオリティと、ライブの時のクオリティが変わるミュージシャンもいるじゃないですか? 菰口さんはそれが一切ない。マインドもそうだし、取り組みとしてどういうことをしているのかなと聞いてみたかったんですよね。

菰口 セッション・レコーディングってライブと一緒じゃないですか? “せーの!”で演奏して、基本的に直さないでいいという気持ちでやっていますね。

 パフォーマンスも含めてなんですけど、本当に良い意味でクオリティが落ちないというか、凄いなと思うんです。

菰口 プロ・ミュージシャンの中でも、めっちゃ練習しているほうだと思いますね。

毎日欠かさず?

菰口 そこまでとは言わないですけど(笑)。でも、音楽を聴いてインプットする時間がないとダメだと思っていて。忙しくなるとそれができないから、それでフラストレーションが溜まるくらい。日々ギターに触れて色々とインスピレーションを沸かせたいというか、インプットとアウトプットをプライベート・タイムでもやりたいですね。

歌が素晴らしいから、
呼吸やダイナミクスを聴いていれば悩むことはない。
──菰口雄矢

2021年12月にYouTubeで配信された『Special Acoustic Live in スナック キズツキ』では、竜人さんと菰口さんの2人のみでパフォーマンスを行ないました。アコースティック・ギター1本で楽曲を再構築していましたが、アレンジはどのように進めていったのでしょう?

 それはもう基本は……(菰口のほうを見る)。

あっ、おまかせ(笑)!

菰口 そうですね(笑)。その場のノリでやるという。

 “ここはもう少し落として”とか、僕は本当に大枠のことしか言わないので。それで僕が作った理想のダイナミズムに合わせて演奏してもらうみたいな。それくらいのやり取りしかしないです。2人でパフォーマンスするのって、あれが初めてでしたよね?

菰口 そうですね。

 けっこう新鮮でした。「痛いよ」をアコギ1本で歌うのは初めてで。

菰口 竜人さんの過去曲はギターで作っているというのもあって、わりとコードとかが簡単なんですけど、最近の曲はギター1本でやるのはちょっとキツいですね(笑)。

そうですよね。リズムやコードも多くて複雑ですし。

菰口 『FEMALE』の曲を“アコギ1本で!”って言われたら焦ります。でも歌が素晴らしいから、ボーカルの呼吸やダイナミクスを聴いていれば演奏は特に悩むことはないかな。

歌に導かれるというか?

菰口 そうです、そうです。逆に歌に何もないと演奏できないじゃないですか? 技工云々じゃなくて、やっぱり本人が歌ったらその世界に引き込まれるから、導かれます。それは自分で曲と歌詞を書いている人の強みですよね。だから凄くやりやすい部類というか。

竜人さんもギターを演奏しますよね。

 はい。

どういうギターが好みなんですか?

 “はい”って言ったけど、僕ほとんど演奏してない(笑)。それこそデビューのタイミングはアコギ1本とクラシック・ギター1本を持ったアーティスト写真で、ギター曲(「Morning Sun」/2009年)でデビューして。エレキかアコギかって聞かれると、デビュー前からボディや響きの大きいアコギを好んで使うことがありましたね。

やはりアコギなんですね。

 そうですね。最近失くしちゃったんですけど、エレキはSuproのものをずっと気に入って使っていました。音はどうでもよくて、ビジュアルが好きで。

竜人さんは小学生の時にモーリスのアコギを手に入れてギターを始めたという情報を聞いたんですけど、当時はどんな風にギターに触れていたんですか?

 もう記憶にないんですけど、少なからず耳コピとかをしていたんじゃないかな? でもコピーが好きではなくて、“自分のオリジナルを作りたいな”と思うようになって、最低限のコードをピアノからギターに直して。それでとりあえず3人でバンドを組んで、4つくらいのコードで楽曲を作り始めたっていうのは記憶していますね。

すぐオリジナルに向かうんですね。

 音楽だけじゃなくて、例えば映画とか何かを作りたかったので、10代の頃はインプットが少ない状況でも“何かを作り出してみよう”っていう思いが強かったです。

“今この環境だからできる上質なポップスを作る”
ということを考えていました。
──清 竜人

今作『FEMALE』は最新型のネオソウルを軸にした作品ですが、アルバムの構想はいつからあったんですか?

 2019年の暮れに新国立劇場で行なった音楽劇(『今、出来る、精一杯。』)の主演をして、そこで歌うシーンがあったんです。僕は主演と音楽監督だったので、その楽曲を描き下ろしたんですけど、今回のアルバムの最後の「いない」という曲なんですね。その音楽劇を、色々ご縁があって僕がデビューするキッカケを作ってくださったディレクター(沖田英宣)が観に来てくれて。「いない」を聴いて、“もう一度一緒にもの作りをしないか?”というお話をいただいたんですよ。その方と“どういうアルバムにするのがいいのかな?”と考えながら道筋を作っていった感じですね。

アルバムの方向性の候補はいくつかあったんですか?

 アルバムの方向というよりは、ソロなのか、違う形態なのか、もうちょっと大きい自分自身の活動スタイルについて色々とアイディアはあったんです。でも、2014年からグループ(清 竜人25)をやったり、パンク・バンドみたいなこと(清 竜人TOWN)をやったり。前作の『REIWA』(2019年)というアルバムもある種コンセプチュアルな、ソロなんだけどちょっと戯画化された世界観というか、温故知新で昭和歌謡をテーマにしていたので、ニュートラルにソロ作品を作る期間が8〜9年くらいなかったんですね。

 なので、“ここいらでちゃんとSSWとして放出したいな”というのがあって。あと、さっきの菰口さんのお話じゃないですけど、お客さんがリスナーやファンになってくれた時期によっては、“タイトルに♡がついていない楽曲を初めて見ました”とか、“えっ、バラードとか歌うんだ”とか、けっこう言われるようになって(笑)。

菰口 いつ知ったかで全然印象が違う人だから(笑)! パンクのミュージシャンだと思っている人もいるんじゃないですか?

 だから“色々やれるんだよ”っていう、改めて自己紹介的なアルバムにしようかなというのはありました(笑)。

なるほど、それで今作には“原点回帰”というテーマがついていたんですね。先ほども言いましたが、『FEMALE』は物凄いギター・アルバムだと思ったんですよ。サウンドのイメージは最初からあったんですか?

 そうですね。今回はしっかりサウンド面に投資をして、良いミュージシャンで、良い環境で、良い音を録って、良いミックスをして、すべての工程を上質にしていく、というところがテーマだったので。もちろんクリエイションの中身にもこだわって作ったんです。今の時代、そこまで手間をかけずに安価で音楽を作れるようになって、それは素晴らしいことではあるんですけど、改めて音楽というものを見つめ直して、“今この環境だからできる上質なポップスを作る”ということを考えていました。

ゲスト・ミュージシャンもたくさん参加していて、凄く贅沢な作り方です。

 色んなミュージシャンが参加していますけど、基本的に「ゆかりはゆかり♡」以降、ギタリストだけは固定なので。

菰口 嬉しいですよね。ありがたいです。

 いえいえ、こちらこそ。出会ってからは9割くらいの楽曲を菰口さんに弾いていただいていますね。

今回どんなギター・プレイを求めて菰口さんに声をかけたんですか?

 どういうプレイというよりかは、究極のオールラウンダーだと思っているので、できないことがない。普通は“こういう楽曲だからドラムはこういうテイストが良いよね”っていう話になると思うんですけど、何でもできる方なので“楽曲に合わせてこういうことをお願いします”というディレクション、お話をするという。菰口さんだけは、ほかのセクションやミュージシャンとは違うやり方をさせていただいていますね。

菰口さんは今作のデモを聴いた時、どんなギターを弾こうと?

菰口 最近はもうデモにギターが入ってないですよね?

 本当に最低限だけ。“ギターはここで入ってきて、ここで出て”だけっていう(笑)。

菰口 出入り口だけはある(笑)。音色やフィール、グルーヴ感みたいなものは実際に弾いて、それを聴いてもらって、もちろんほかにイメージがあれば伝えてもらいます。でも基本的には僕のセンスというか美学でやっているというか。

 何年もご一緒させていただいているので、ツーカーじゃないですけど、今までやってきたセッションを踏まえたうえでね。もちろん大前提として菰口さんの感性をもとに楽曲を咀嚼していただいて、基本的には一番に出てくるものが良いなと。例えば“これは絶対に歪ませてほしい”とか、そういう大きなことは伝えたりしますけど、それ以外は感性の部分におかませしています。

“いや、納得いかないです!”って。
それくらい僕は愛情を持ってやっていますよ。
──菰口雄矢

菰口さんは竜人さんのレコーディングでは、フレーズが固まるまで時間はかかりますか?

菰口 シンプルに難しい曲が多くて。しかもデモを聴くのがその日の朝だったりするんです(笑)。

そうなんですか!?

菰口 レコーディングする日の朝に“曲ができました”とご連絡をいただいて。で、準備をしながら聴いて、譜面を書いて、スタジオに行く車の中でも聴いてという感じなので、物凄い鮮度でやっているんですよ(笑)。そこが良さじゃないかなと。

 ハハハ(笑)!

菰口 だから考える暇もない(笑)。正直そのタイミングだと歌詞まで汲み取れていない部分があるんですけど、“ここは逆にこうなんだ”というのは言ってもらえるので。ただ曲が難しいです。本当に。ギターの機能的にコード進行が難しいんですよ。“アコギでここまで動くんだ?”っていう曲もありましたね。でも何年か一緒にやらせてもらって鍛えられたので、もう何がきても大丈夫です。

凄い話ですね(笑)。

菰口 誰も弾けないから僕しか呼べないですよ(笑)。コードが難しいので、フレーズを考える時はハーモニーやロジカルな部分を持ってないとたぶんできないです。僕はそういう部分がもともとあるから……かと言ってロジカル、アカデミックな方向にはいきたくないので、歌に寄り添うポップなほうにしようとはしていますけど。パッと見るとコード・チェンジが凄く多いし、アプローチするにはジャズ・フレーズのほうが楽なんですよね。けど、そうならないように気をつけています。今回は「nothing…」という曲がめちゃムズくて……コピーしてみて下さい(笑)。

絶対に無理です(笑)!

菰口 こういう本当に難しいのがたまにくるんです。気が抜けないですよね! コードが難しくてレコーディングで煮詰まっちゃうこともあるんですよ。ギター・ソロの時は自分の世界に入り込んで、ずっとスタジオで練習しています。

 僕は良くも悪くもというか、“このノートはこのコードに当たってるよ”と細かく気にするより、聴感上でカッコ良かったら“これで良いじゃん!”みたいな感じなんです。でも、菰口さんは求道者なので……。

菰口 いつも待たせちゃう。“いや、納得いかないです!”って。それくらい僕は愛情を持ってやっていますよ。

 嬉しいですね。

菰口 本当は10テイクくらい前から竜人さんに納得してもらっているんですけど、“いや、まだだ!”と思ってレコーディングではいつもお待たせしています。

作曲はどのように進めていくんですか?

 ケース・バイ・ケースなんですけど、自分のソロの楽曲を作る時は……こう言うと語弊がありますけど、ちゃんと作りたいので、けっこう降りてくるのを待つことが多くて。楽曲提供ものは無理くり作ります。締め切りがあるので(笑)。

そこですか(笑)!

 締め切り前日にピアノの前に座って作って、当日の朝に送るという(笑)。

『FEMALE』の楽曲もアイディアが降りてくるのを待ったものが多いんですか?

 そうですね。作曲家みんながそうだと思いますけど、やっぱりどのタイミングでひらめくか、降ってくるかっていうのはわからないので、そのタイミングでメモするようにしていて。そういう自分のちょっとしたスケッチ、ストックから引っ張ってきて、最後に構築するという作り方もありました。

LIVE INFORMATION

清 竜人 弾き語りコンサート 2023 春

■会場:自由学園明日館講堂
■日時:2023/3/18(土)
一部 開場/開演:13:15/14:00
二部 開場/開演:16:15/17:00

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作品データ

『FEMALE』
清 竜人

ソニー/ESCL-5740~4/2022年11月30日リリース

―Track List―

01.フェアウェル・キス
02.コンサートホール
03.If I stay out of life…?(feat. Leo Uchida from Kroi)
04.Love is over…(feat. さらさ)
05.愛が目の前に現れても僕はきっと気付かず通り過ぎてしまう
06.Knockdown
07.nothing…
08.離れられない
09.Someday
10.いない

―Guitarist―

菰口雄矢

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