野呂一生が試す、MOGAMI 3368“出音が良いと演奏全体が変わってくる” 野呂一生が試す、MOGAMI 3368“出音が良いと演奏全体が変わってくる”

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野呂一生が試す、MOGAMI 3368
“出音が良いと演奏全体が変わってくる”

1957年創業のケーブル・メーカー、モガミ電線。彼らが2022年に発売したギター・ケーブル、3368の実力を試すべく、ギタリストの野呂一生に使用してもらい、そのインプレッションを聞いてみた。彼の耳に、3368のサウンドはどのように感じられたのだろうか?

取材・文:今井悠介 写真:小原啓樹
Presented by 日本娯楽 http://www.nihongoraku.co.jp

一番最初に感じたのは、音のエッジが立って出てきたこと。

野呂さんは、昔は大規模なラック・システムなど、ケーブルを多用する環境でプレイしていましたよね。

 そうですね。僕はケーブル自体にとてもこだわるというタイプではないんですけど、システムで色々なケーブルを使う中で、やっぱり良くないケーブルというのはありました。ギターの音が細くなったり、ノイズが出てしまったりするんです。

ライブ会場では、様々な場所にノイズの要因となるものがありますね。

 狭いステージでは床下に電源ケーブルが入っていて、そのノイズを拾ってしまうこともあります。また、ケーブルに衝撃が加わった時にもノイズが出ることもありました。3368のように、ちゃんとシールドされてノイズ対策が施されたケーブルは安心感があるんです。

 ライブでワイヤレス・システムを使う場合もありますが、使える周波数帯域が絞られていたり、近くに電波干渉してくるものがあってトラブルになったりもします。ライブ・システムの安定性を考えると、やっぱりアナログであるケーブルに軍配が上がりますね。

3368のサウンドの印象はいかがですか?

 今回は普段使っているケーブルと3368をギターとLine 6 Helix Floor間に使い、差し替えながらチェックしてみました。

 一番感じたのは、音のエッジが立って出てきたことですね。さらに高域と低域が広がった感じもあります。クリーンでもディストーションでもその傾向は感じられました。エフェクターで音を調整するように、ケーブルでも音の特性が変わるというのを体感できましたね。

現在はHelix Floorのみでサウンドを作っていますし、ケーブルの影響が強く出てきそうですね。

 そうですね。Helix FloorからPAシステムへ直接サウンドを送っていますし、僕の環境ではケーブル1本での変化が大きく現われると思います。だからこそ、周波数レンジが広く出てくれる3368はとても良い選択肢になってくれそうです。

 今回試した場所は外来ノイズが多いような環境ではありませんでしたが、今使っているケーブルよりも3368のほうがクリアな印象を受けました。実戦で使えば、3368の構造による恩恵をより感じられると思います。

野呂一生
野呂一生

ニュアンスがしっかり出せて、プレイ自体も変わってくる。

ほかに感じた点はありますか?

 フィンガリングのタッチが気持ち良く出てきます。自分が表現したいニュアンスをフレーズの中で出しやすいです。

 今は優れたプラグイン・エフェクトも多くありますし、どんなケーブルを使っていてもミックス段階で良い感じのサウンドを作ることはできます。でも、レコーディング時に自分のニュアンスをしっかり出せる音になっていると、プレイが全然変わってくる。こういう部分にもケーブルへこだわるメリットがありますね。

3368の手触りはどうですか?

 外径8mmと太めのケーブルだと思いますが、扱いにくいという印象は受けませんでした。外径6mmの2524もありますし、自分の好みや環境に合わせて組み合わせて使うのも良さそうです。

そのサウンドと扱いやすさのバランスを取った3368は、ライブからレコーディングまで活躍してくれそうなケーブルですね。

 生の出音が良いと演奏全体のノリが変わってきます。3368はそこへのこだわりも感じられる良いケーブルに仕上がっていると感じました。ケーブル・マニアの人は“ハンダ1つで変わってくる”と言ったりしますが、モガミ電線がNeutrikのプラグを付けて完成品としてパッケージしているというのも、クオリティの高さに大きく寄与しているんだと思いますね。

MOGAMI/3368

MOGAMI/3368
S-S 3m:5,940円、S-L 3m:6,380円、S-S 5m:7,700円、S-L 5m:8,140円

MOGAMI/2524

MOGAMI/2524
S-S 3m:3,740円、S-L 3m:4,180円、S-S 5m:4,290円、S-L 5m:4,730円、S-S 7m:4,840円、S-L 7m:5,280円

Presented by 日本娯楽 http://www.nihongoraku.co.jp

野呂一生

のろ・いっせい●1977年にカシオペアを結成し、1979年にデビュー。2006年に活動休止するも、2012年にCASIOPEA 3rdとして再始動。メンバーの変更を経て、2022年からはCASIOPEA-P4として活動を行なっている。愛用ギターはヤマハIN-DX、SG-Mellowなど。近年はLine 6 Helix Floorで音作りを完結させ、PAシステムへ直接サウンドを送るスタイルで演奏している。

INFORMATION

『NEW TOPICS』
CASIOPEA-P4

『NEW TOPICS』(CD)
CASIOPEA-P4

HATS UNLIMITED/HUCD-10315/2022年10月12日リリース


『NEW BEGINNING』(Blu-ray)
CASIOPEA-P4

HATS UNLIMITED/HUXD-10958/2023年3月29日リリース