2023年5月と9月に連続でシングルをリリースしてきたKen Yokoyama(Ken Band)が、その第三弾となる3曲入りシングル「These Magic Words」をリリース。バンド初のシングル三連発というチャレンジがついに完結した。今回はその最終章である「These Magic Words」について、横山健と南英紀に語ってもらおう。
取材=小林弘昂
“テレキャスターの延長線上にレス・ポールがある”
っていうのがわかりました。
──横山健
2023年の11月29日に連続シングルの第三弾「These Magic Words」が発売されましたね。表題曲のオープニングは、クランチ気味のコード・ストロークが空気感を含んだ気持ちの良い音が鳴っています。
横山 あれは南ちゃんだよね。
南 そうなんですよ。最初は試しにNavigatorのTLタイプで弾いたんです。でも自分では違うなと思って別のギターに変えようとしたんですけど、エンジニアの方が“いや、これでいこう!”と。僕はずっと半信半疑で録っていたんですけど、できあがったものを聴いたら“これが正解だったな”って。
横山 それを録った時は僕もちゃんとレコーディング・スタジオにいて(笑)。印象的だったのが、ああいう少し歪みが乗っているサウンド、普通はアコギで弾くような音をエレキで出すのって難しいんだなと。ストロークがカッチリしすぎてもダメだし、雑すぎてもダメだし、南ちゃんがけっこう苦労してたのね。だから“オレが弾くよ”って言って、そのままのセッティングで弾かせてもらったら、すんごく難しくて(笑)。
南 あれは本来、健さんが歌いながら弾くフレーズだと思うんですけど、あえて僕が弾くことになったから苦労しましたね。ただ、ライブになれば実際に歌を聴きながら弾けるので、そんなに大変ではないですけど、歌と別録りだったので苦労した感じです。
横山 あのイントロは苦労したね。
このクランチはどうやって作ったんですか?
南 アンプの歪みを抑えたのか、アンプのクリーン・チャンネルで歪みペダルを使ったのか……どっちだ?
横山 アンプのクリーン・チャンネルにエフェクターをつないで、ギターの手元を絞ったんじゃない?
南 そうですね。ペダルでクランチっぽい歪みを作って、さらに手元も絞りました。
横山 南ちゃんが使ったのはどこの歪みペダル?
南 ローディさんからケンタウルスのコピー・モデルを借りたんですよ。メーカーはわからないんですけど、大きいやつで。それを使わせてもらいました。
この曲はEのロー・コードが印象的で、6弦2、3フレットを強調したり、1〜2弦の開放弦を鳴らしたりして、そのオープンで力強い感じがアメリカンでした。フー・ファイターズっぽいというか。
横山 これはスタジオで練習している間に、自然とそう弾いてたかな。“ダダーン!”とか、歌のあとに高いほうの弦を弾くとか、ああいうのはたぶん僕の趣味。今フー・ファイターズっぽいと言ってくれたけど、デイヴ・グロールと同い年だもん! だからデイヴと聴いてきた音楽はほぼ同じなはずで、ああいうのって70〜80年代ハードロックの手法なのかもしれない。
南 デイヴ・グロールと同い年だったんですか!
ちなみに、現在でも楽曲制作中に特定のアーティストやアルバムを参考にすることってあるんですか?
横山 今はもうしないかな。もう嫌というほど曲を聴いてるから引き出しにはたくさんアイディアが詰まっているはずで、研究はしなくなっちゃった。この曲は途中でちょっと奇妙な転調をしてるけど、それは自分で正解を探し当てた感じだな。……思い出した! スタジオでコードをいじってて、転調して、“これどこまでいっちゃうんだ?”と思ったら“戻った!”みたいな(笑)。
南 あれは凄かったですよね。
横山 “オー!”ってなった気がする。
健さんが作る楽曲はたくさんのコードが使われていますよね? メロディ優先でコードを付けていくのか、コード進行が決まった上にメロディを乗せるのか、どちらが多いんでしょうか?
横山 それもケース・バイ・ケースですね。メロディが先に出てくる場合もあるし、“あのギターでこのコード進行を使いたい”とか、“このコード進行にはどういうメロディが合うかな?”って探していく場合もある。でも、メロディが先にできたほうが健全な気がするな。コード進行を先に決めると、それに縛られちゃうから。だから何か1つに取りかかったら、あとはその素材が求めるものに切り替えるようにしていますね。
南 例えば、1番と同じメロディのまま2番ではコードを変えてみようっていう発想が出てきたり。面白いですよ。
健さんの楽曲ってそういうギミックが多いですよね。
横山 18歳からバンドを始めて35年くらいずっと曲を作ってきてるから、“今までやったことがないものは何だろう?”、“もっと曲をエキサイティングなものにできないかな?”っていうのは、いつも思っていて。曲もできればいいってわけじゃなくて、いつでも“今の自分”を盛り込んだものでないと、ちょっと寂しい。“これだとまるで90年代、Hi-STANDARDみたいだな”とか、“これはKen Yokoyamaの1stの感じだな”とかね。そのうえで自分の本筋からはずれていないものにしていくから、曲作りはけっこう気をつかうかな。……当たり前だけど(笑)!
「These Magic Words」のレコーディングで使用したギターは?
横山 これは南ちゃんがTLタイプで、僕もフェンダーのTikiです。真ん中に出てくるオクターブとか、最後に出てくるクイーンみたいなフレーズはHoneyで弾いてる。
バッキングがその2本というのも珍しいですね。
南 うん。今までにないですね。最近は慣れたけど、やっぱり最初は“健さんがテレキャスター弾くんだ!”というのはありましたよ。フェンダー系を弾くことは絶対ないと思ってましたからね。
横山 フェンダー系に手を出さなかったのには理由があって。ギブソン系やグレッチ系にはボディとネックに角度がついていて、ブリッジ・ミュートがしやすい。ギター・マガジンだからあんまり細かい説明はしないけど、ブリッジが浮くからミュートが簡単にできるんですね。でも、フェンダー系のギターはブリッジがペッタリしていて、ミュートがしづらくて。もう一点、ずっと角度がついているギターを弾いていると、フェンダー系のギターを弾いた時にネックが凄く前にあるような気がして、それが物凄い違和感として記憶に残っていて。
なるほど。
横山 ところがテレキャスターを入手して弾いたら、そんなもんすぐに慣れて、“あのこだわりはなんだったんだろうな?”と(笑)。今までギター・マガジンで何度も“僕ね、真っ直ぐだと弾けないんですよ”って言っちゃったよ。でも今、全然弾けてる(笑)。それこそジミー・ペイジがレス・ポールを使う前はテレキャスターを弾いていて、同じような使い方をしていて。実際に弾いてみて、音的に“テレキャスターの延長線上にレス・ポールがある”というのが、“なるほどね”とわかりましたよ。テレキャスターにハムバッカーを載せると、僕にとってはスッキリしたレス・ポールに近いかな。使い勝手が凄く良くて、もっと早くからやっとけばよかったなと思ってますね。
先日ライブでTikiの音を聴きましたが、凄く良いサウンドでした。
横山 良いんですよ。個体が良いのかもしれない。
南さんはライブで健さんのテレキャスターの音を聴いていて、いかがですか?
南 ステージの色んな音の聴こえ方が変わるんですよ。モニターの聴こえ方とかも。もちろん曲が違うというのもあるんですけど、“急にスッキリしたな?”と思ったら健さんが違うギターを使っていたり。
横山 ウヘヘヘ(笑)。
南 それが迷惑って思っているわけじゃないですけど、“あ、替えたんだな”というのがライブ中にわかりますよ。PAは大変だろうなと思いますけど(笑)。
各ギターの出力差があると思いますけど、ライブの時はどう対処してるんですか?
横山 ……何もしない(笑)!
南 これは凄いなと思います。僕はライブ中は同じギターしか使わないのに、しょっちゅうアンプのツマミをいじりに行っちゃうので。神経質かもしれないですけど、僕はあんなにコロコロとギターを替えられないですよ。
横山 いや、実はギターを持ち替えて“やりづらいな”と思っても、そのままやる時もしょっちゅうあって。
南 でも、それも含めて楽しんでますもんね?
横山 そうなの。話が凄く大きくなっちゃうけど、僕はライブで人のためにギターを弾いていない(笑)!
南 そうですよね!
横山 本来ライブは聴いてくれるお客さんに弾くはずじゃない? そうじゃないんだと思う。
南 色んなギターを爆音で鳴らすため?
横山 そう。自分が良ければそれでいいっていう(笑)。
南 でも、それを観に来ているお客さんもいるんじゃないですか?
横山 中にはね(笑)! 単純にサウンドでとらえると、“この人の軸はどこなんだろう?”って思われちゃうかもしれないけど、ギタリストにも色んなタイプがいるっていうことで。たまにギターを替えたらアンプのマスター・ボリュームをいじることもあるけど、また別のギターに持ち替えた時にマスターは戻さない。本当に細かいことを気にしないから。
南 そうなんですか(笑)!?
横山 そのままいっちゃう(笑)。凄く適当。そもそもライブで理想のサウンドを追求するという考えが、あんまり僕にはなくて。完全に抜け落ちてるかもしれない。
南 それって永遠のテーマだから、逆にこういう開き直りって大切なのかもしれないですね。
横山 そうそう。同じギターを弾いて、同じアンプのセッティングにしても、日によって音は違うわけだから、そこを追求すると物凄いストレスになる気がしていて。だからライブが終わって、“音のせいでギターが手につかなかったわ”って笑って言えちゃう(笑)。でもレコーディングでは座って落ち着いて弾けるわけだから、“この音、気持ち良いなぁ”とか、ちょいちょいアンプのツマミをいじって、むしろ“いや、そんな神経質にやる?”みたいな感じでやってるかな。
ハードコアな「Bitter Truth」では速弾きのギター・ソロを披露しています。こういうソロはどうやって組み立てているんですか?
横山 これは途中で何を弾いていいのかわからなくなっちゃって、最終的にはなんとなく手クセに頼って “もうこれで!”って怒ってブースを出ました。
南 曲が速いですからね。
横山 そう、思ったより速かったの! 頭の中でシミュレーションしたら、めちゃくちゃカッコ良いソロが弾けてたんだけどなぁ。
南 こういう曲、少なくなりましたよね。でもドラムが代わって、このスピード感が気持ち良くなって。
横山 EKKUN(松本”EKKUN”英二/d)は無茶を聞いてくれるからね(笑)。“ここ竜巻いて”って言うと、凄く手数を詰めてくれる。でも練習では、“それちゃんとリズムにハマってんの?”っていう議論が起こることもあって(笑)。“ちょっとゆっくり叩いてみて!“って確認して、“ほお〜、ちょっとはみ出しちゃうんだね?”って(笑)。あと思い出としては、このイントロを30テイクくらい弾きました。
そんなに!?
横山 うん。イントロが速すぎて全然弾けなくて。曲中のパッとギターだけになるところは雰囲気でいけるんだけど、ド頭は何もないところからギター単体でバシッと決めなきゃいけないから。いつもほどエグく歪ませずに弾いたし、しかもミュートが4弦なんだよね。だから凄く難しくて(笑)。あんなに短いフレーズなのに30テイクくらいやった気がするな。残ったのが30テイクだから、残ってないのを合わせたら50〜60はいってたんじゃないかな? “もう1回! もう1回!”って。
南 あそこは妥協できないですからね。“こんなもんでいいかな?”じゃなくて。
横山 そう。“これだ!”っていう確信がないテイクじゃないとカッコ良くない。
このイントロではいつもよりも歪みを抑えて弾いたんですか?
横山 イントロに限ってなんだけど、やっぱりスッキリ聴かせたくて。バンドが入ってきた時の“ギャッ!”というところ、そのギャップをちゃんと作りたかったかな。で、ギター単体のところは多少おとなしくしても、しっかり弾ききって“ボン!”っていうのが理想なんだけど、それがなかなか難しくて。
バッキングでは低いところを南さん、高いところを健さんと分けて弾いていますよね。これは2人で話し合って決めたんですか?
南 そうですね。
横山 “2人で同じポジションを弾いてもあんま面白くないよね”って。音も上ずっちゃうし。だから南ちゃんは5、6弦で弾いて、僕は3、4弦でいくからと。
南 “Jun(Gray/b)さんのベースは高いところにいくだろうな”と思って、自分は絶対に低いところを弾こうと思っていました。
「Bitter Truth」で使用したギターは?
南 これはSTタイプなんです(笑)。なぜかこの時ブームだったんですよね。
横山 南ちゃん、変わったギターばっかり弾いてるね。僕はHoney。下のほうのふくよかな鳴りを求めたのかな。
南 この時、YouTubeでファット・マイク(NOFX)の“レコーディングのコツ”みたいなインタビュー映像を観たんですよ。“ミッドが太くなりすぎるからレス・ポールとマーシャルの組み合わせは大嫌いだ。せっかく面白いコードを押さえても、この音が全部出てこない”と言っていて、“なるほど!”と。それで、“だからオレはこのギターを使ってるんだ!”って、変なギターを見せてきたんですよ。それに影響されちゃったのか、レス・ポールじゃないギターを使ってみようと思って、レコーディングに色々持って行ったのを覚えています(笑)。
横山 あの動画か! マイクは変人だから、あんまり言うこと聞かないほうがいいよ(笑)。
南 満足はしてるんですけど、あんまり変わらなかったなと(笑)。
横山 南ちゃんは、たまにそういう時期があって。
南 逆に言うとレコーディングの時にしかこういうことができないので、せっかくなら色々試したいじゃないですか?
横山 まあね。こうやって改めて話すとギョッとするけど、出た音は良いもんね。
今回の3枚のシングルのレコーディングで、健さんはグレッチを使ってないんですね。
横山 シングルのレコーディングでは弾いてないし、そもそも箱モノがない。というのも、自分の中でソリッド・ギターへの回帰というのも少しあって。ライブでは色んなギターを弾いて楽しみたいけれど、レコーディングではもうちょっと体力のあるサウンドにしようというのが最近の自分の傾向っぽいですね。
それは無意識的なところも?
横山 うん。『Sentimental Trash』(2015年)の頃は凄く歪んだ曲もグレッチで弾いてたんだけどなぁ。「Da Da Da」なんてそうだもんね? 『Sentimental Trash』以降は僕らがスタジオを買い上げて、ずっとそこでレコーディングしていて。だから何年も同じエンジニアなんだけど、僕はその人のことを信頼しているから、彼とのギター選びの段階で今回はこの辺になったというのもあるのかな。Hi-STANDARDの『The Gift』(2017年)もそのエンジニアなんだけど、その時はよく箱モノを使っていて、“う〜ん、ジューシー”って凄く喜んでいて(笑)。……バンドが変われば曲調も違うし、彼の直感も含めて“今はこういう感じ”っていうことなんだろうな。ちなみに「Better Truth」のリードはTikiで弾いてる。
そうなんですか!
横山 たぶんテレキャスのテンション感の強さで、あのフレーズを持っていってもらおうと思ったんだろうな。それがやっぱり弾ききれなくて(笑)。
テレキャスターで速いフレーズを弾くのって難しいですもんね。
横山 そうそう。レス・ポール系よりもごまかしが効かない。歪んでるし、“テンション感でなんか弾けちゃうんじゃないかな?”と思ったんだけど、やっぱり弾けなかったな。でも最終的には手クセだけど、良いところに落とし込めたと思ってるね。
自分にないものを一生懸命やっても、
“なんか説得力ないだろうな”と思って。
──南英紀
「Sorry Darling」はミドル・テンポで、Ken Bandにしては珍しい曲調です。どんなイメージで制作したんですか?
横山 これは物凄くチャレンジした曲で。レコーディングの日までバッキングはアコギで弾くのかエレキで弾くのかも見えぬまま……プリプロではアコギだったのかな?
南 そうですね。
横山 でもアコギじゃ少し寂しいし、アコギの曲にしたいわけじゃないから、違うなとなって。それで結局、YamahaのREVSTARを弾いたんだ。あれが一番クセがなく出てくれるという感じで。
この曲の南さんのバッキングは第二の歌のようにメロディアスですが、どのようにフレーズを考えたんですか?
南 自分が思い描いている世界観と健さんの世界観が合ってるのかわからなかったですし、ずっと“これでいいのかな?”と悩みましたね。僕はそんなに引き出しが多いタイプではないので、とりあえずこれに近いカントリー調の曲、例えばローリング・ストーンズの「Tumbling Dice」とかを参考にして、どういう風にフレーズを入れてるのかをギリギリまで悩みました。
横山 オブリは南ちゃんに任せたんだけど、僕がイメージしていたよりもブルージィにきたなと。
南 そういう引き出ししかなかったので、とりあえず曲に合うもので。
横山 でも、“らしさ”は凄く出てるよね。
南 自分にないものを一生懸命やっても、“なんか説得力ないだろうな”と思ったんです。
この南さんのバッキング、健さんはどう思いましたか?
横山 くり返しになっちゃうけど、僕がイメージしていたものとは違ったブルージィなもので、南ちゃんの個性が出ているし、バンドに合うなと思ったかな。そこで “そういうフレーズじゃなくて、こういうのが欲しいんだよね”って言ったとしたら、それはもう自分で弾けばいいじゃない? そこで南ちゃんに任せて、ああいうフレーズを弾いてきて、最終的に曲があそこに着地したのが凄い。そのプロセスと結果が全部“バンドだな”と思った。
そうですよね。
横山 そもそも自分でも、そんなに明確に着地点を持っていたわけじゃないし。ただね、“絶対に激しく速くしたくない”っていうのだけはこだわっていて。このゆったりとした世界観の曲をやってみたいと。全然違うけど、「のら犬にさえなれない」みたいな(笑)。
南 でも、そうですよね(笑)!
The Street Slidersですか!
横山 「のら犬にさえなれない」を比較対象とすると、こっちのほうは全然シンプルだから、どうしてもブルージィに寄りがちなんだろうなと思うし。
健さんはThe Street Sliders、南さんはストーンズと、その辺の共通点はありますよね。
横山 そう。でも、あの時期のああいう人たちがどういうサウンドを目指してやっていたのか、僕は実際に見たこともないし、話を聞いたこともないし、現場にいたこともない。あとは例えばSHADY DOLLSの「1人ぽっちの吉祥寺駅前」とか、“これはどうやってあそこに着地したんだろうな?”と不思議に思ったりすることもあって。“それを今ああしたかったら、どうすればいいんだろう?”ってね。
南 SHADY DOLLS、久しぶりに聞きましたよ(笑)。
横山 あの曲もブルージィなんだけど、「Sorry Darling」よりもコードがメロディアスなんだよね。そういうのを考えたかな。
この曲のイントロのクランチはどうやって作ったんですか?
横山 これは南ちゃん。
南 TLタイプで、たぶんENGL Invaderのクリーン・チャンネルにケンタウルスのコピー・モデルをかけています。本当はもっと歪ませるつもりだったんですけど、エンジニアに“もうちょっと絞りましょう”って抑えられました(笑)。
横山 この曲は揉めたね!
南 わからなかったし、思い描いてる世界観がみんな違ったのかもしれないですね。でも結果、良いものができたと思います。
横山 うん。エンジニアはこの曲が凄く好きなんだよね。
南 そうそう(笑)。
横山 “凄く良い曲っすね!!”って(笑)。
8枚目のアルバムだけど、
過去のどれとも似ていないものになると思う。
──横山健
Ken Bandは2024年1月に新アルバム『Indian Burn』のリリースを予定しているそうですね。どんなものになりそうですか?
横山 凄く良いアルバムになると思うな。今回のシングル3枚とアルバムのレコーディングは分けてるんだけど、どれも去年の暮れにガーっと書いた曲で。で、前作の『4Wheels 9Lives』(2021年)はBPMが凄く速いアルバムで、コロナを通過しても速い楽曲については、もうお客さんからの信任を得たと思ったから、次は温度の違うものをやりたいなと。マイナー調の曲や、自分たちで変わり種と思っている曲はわりとシングルに入っていて、アルバムは物凄いポップよね?
南 そうですね。
横山 8枚目のアルバムだけど、過去のどれとも似ていないものになると思う。
南 健さんが言うように、今までにないアルバムなんですけど、今まで聴いてくれていた人たちはちゃんと安心できる内容でもある。いい具合に新鮮さもありつつ、安心感もあるみたいな良い作品かな。ライブでやりたい曲もいっぱいあるし、ちゃんと先に進んだアルバムができたと思います。
作品データ
『These Magic Words』
Ken Yokoyama
ピザ・オブ・デス・レコーズ/PZCA-104・PZBA-16(初回盤:CD+DVD)、PZCA-105 (通常盤:CD)/2020年11月29日リリース
―Track List―
CD
- These Magic Words
- Bitter Truth
- Sorry Darling
extra DVD Live from DEAD AT MEGACITY
- Let The Beat Carry On
- Better Left Unsaid
- I Won’t Turn Off My Radio
- Still I Got To Fight
- Ricky Punks Ⅲ
―Guitarists―
横山健、南英紀