ジョン・フルシアンテが語る、フガジの影響とアウトロのトリック【レッチリ来日特集2024】 ジョン・フルシアンテが語る、フガジの影響とアウトロのトリック【レッチリ来日特集2024】

ジョン・フルシアンテが語る、フガジの影響とアウトロのトリック【レッチリ来日特集2024】

レッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテが語る、『Unlimited Love』(2022年)の作曲秘話。今回は「The Great Apes」のギター・アレンジや、レコーディングの手法を語ってくれた。

This article is translated or reproduced from Total Guitar
翻訳=トミー・モリー Photo by Matthew Baker/Getty Images

この曲には、普段の俺よりもアメイジングなサウンドを出している部分がある

「The Great Apes」はフリーが持ってきた曲なんだ。サビのギターは、アイツが俺の中から引き出してくれたフレーズをプレイしているだけだよ。あそこは確実にフガジにインスパイアされたフレーズだね。俺は速くピッキングしているけど、スローなメロディを弾いている。これはフガジの音楽からたっぷりと感じられるフィーリングを表現しているんだ。曲の真ん中くらいで聴こえるスライドは、かなりジョニー・サンダースっぽい部分があるね。

この曲には、普段の俺よりもアメイジングなサウンドを出している部分がある。ここで試した、ちょっとしたトリックを教えてあげよう。実はアウトロで俺とフリーが入れ替わっているんだよね。

俺は曲中のほとんどの部分、特にサビではさっき話したメロディを弾いていて、フリーはコード進行を弾いている。でもアウトロでは、俺はフリーのコード進行を、フリーは俺のメロディをプレイしているんだ。俺がコード進行を弾き始めると、かなりベースっぽく聴こえるんだよね! もう1つアウトロについて付け加えると、俺は最後の数小節でコード進行からソロに戻っているんだ。

俺はこの曲で2本のギターを弾いている。1本はストラトキャスターを歪みペダルに通したもの。もう1本はYamahaのSG2000をマーシャルに直接つないで、ブラック・サバスのようなパワーを得るためにダビングで使ったんだ。

でも、ソロをめちゃくちゃ速く弾いてしまったから、そこだけはどうしてもダビングできなくてね。トライはしたんだが、あまりにも速すぎたんだ。だから人工的なダビングって言うのかな? ディレイとテープ・スピードを操作してやりきったよ。テープがちょっとだけズレていて、まったく同じ感じのパートにはなっていないんだ。

ダビングでは、そのパートの中での少しの違いによってパワーが生まれるものだ。聴いているだけだと俺が同じフレーズを2回弾いているような印象を受けるかもしれないが、実はこの部分は違うんだよね。

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作品データ

『UNLIMITED LOVE』 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

『UNLIMITED LOVE』
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ

ワーナー/WPCR-18552/2022年10月14日リリース

―Track List―

  1. Black Summer
  2. Here Ever After
  3. Aquatic Mouth Dance
  4. Not the One
  5. Poster Child
  6. The Great Apes
  7. It’s Only Natural
  8. She’s a Lover
  9. These Are the Ways
  10. Whatchu Thinkin’
  11. Bastards of Light
  12. White Braids & Pillow Chair
  13. One Way Traffic
  14. Veronica
  15. Let ‘Em Cry
  16. The Heavy Wing
  17. Tangelo

―Guitarist―

ジョン・フルシアンテ