USインディー・ロックの系譜を継ぎ、美しいメロディと爆発的なオルタナティブ・ギター・サウンドを共存させた楽曲がコアなリスナーから支持を集めるシカゴ出身の2ピース・バンド、フリコ。彼らが『FUJI ROCK FESTIVAL ’24』に出演するために初来日を果たした。出演日の2日前、東京でニコ・カペタン(vo,g)のインタビューに成功。彼のメイン・ギターであるジャズマスターについて話を聞いた。
取材・文=小林弘昂 通訳=トミー・モリー 人物・機材撮影=西槇太一
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Niko Kapetan’s Guitar
Conversion
Jazzmaster
父親と2人で組み上げた
フランケンシュタイン・ジャズマスター
ニコと父親が2人で組み上げたという、オリジナルのジャズマスター。ボディはシカゴの個人ビルダーが製作したものを購入。そこに様々なパーツを搭載しているため、ニコ本人は“どのパーツがどこのメーカーのものなのか全然わからないんだ”と話していた。ブリッジはMastery製で、最初からこれが載っていたとのこと。ボリュームとトーンのコントロールには、65年以降のウィッチ・ハット・スタイルのノブが取り付けられている。プリセット・スイッチはキル・スイッチになっているが、現在は使用しないためテープで固定。ピックアップはどちらもメーカー不明のP-90タイプで、ニコはおもにミックス・ポジションを使用している。弦高はかなり低めにセッティングされていた。
Interview
けっこう傷が入っているけど、
この状態を維持していきたいと思うよ。
メインのジャズマスターはビンテージ感が漂っていますが、このギターの詳細を教えて下さい。
これは僕が父と一緒に組んだもので、超カスタム・メイドなギターなんだよね。ボディはシカゴでギターを個人製作している人から手に入れたものなんだ。シェイピングから塗装まで、すべて1人でやっているみたいだよ。それをもとに自分たち流にカスタマイズして作ったんだ。だからフランケンシュタインみたいな、寄せ集めのパーツでできたギターっていうことだね。
そうだったんですか!
パーツは特にこだわっているわけじゃなくて、60年代や70年代のものが混ざっているかもしれない。べっ甲のピックガードのメーカーも記憶にないんだ。ピックアップですら、どこのものなのかがわからないや。
ピックアップはP-90タイプなんですよね。普段はどのポジションを使っているんですか?
ピックアップは常にミックス・ポジションで使っている。本来のプリセット・スイッチはキル・スイッチになっていて、以前はたまに使っていたんだけど、今はもう使わないからオンにならにようにテープで固定しているんだ。2つあるプリセットのスライド・スイッチはハイ・カットとロー・カットの機能だったんだけど、それももう使わないから配線をカットしているよ。
弦のゲージは?
フェンダーの.011から始まるゲージを使っているけど、頻繁に切ってしまうから.012からのゲージに変えようかと考えているんだ。
あなたにとって、このジャズマスターはどういう存在?
僕にとってこのギターは、ジョニー・キャッシュがいつも抱えていたアコースティック・ギターのような相棒だ。彼にとってあのマーティンは道具だったからステージ上では乱暴に扱うわけだし、そういうギターを持つのは良いことだと思うんだよね。このジャズマスターもヘッドにベイリー(ミンゼンバーガー/d)のシンバルが何度も当たって傷が入っているけど、この状態を維持していきたいと思うよ。この傷のように、日頃から使っているフィーリングをギターから感じられるのは美しいことなんだ。
Details
JAPAN TOUR 2024
- 【日程】
11月19日(火)大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
11月21日(木)東京 KANDA SQUARE HALL - 【時間】
OPEN 18:30/START 19:30 - 【チケット】
スタンディング 前売り:¥7,500(ドリンク代別) - 【問い合わせ】
SMASH:https://smash-jpn.com/live/?id=4236
作品データ
『Where we’ve been, Where we go from here』
フリコ
ビッグ・ナッシング/ウルトラ・ヴァイヴ
ATO0666CDJX
2024年6月5日リリース
―Track List―
01.Where We’ve Been
02.Crimson To Chrome
03.Crashing Through
04.For Ella
05.Chemical
06.Statues
07.Until I’m With You Again
08.Get Numb To It!
09.Cardinal
―Guitarist―
ニコ・カペタン