サポート・メンバーに元Layneの萩本あつし(g)と原元由紀(b)を迎え、新体制となってから初となるEP『Virtual Homecoming』をリリースしたGateballers。本記事では、萩本あつしが『Virtual Homecoming』のレコーディングでメインで使用したリッケンバッカー360 V64/12を紹介する。
取材・文=小林弘昂 機材撮影=星野俊
Hagimoto’s Guitar
1992 Rickenbacker
360 V64/12 Fireglo
6弦に改造した同い年のリッケンバッカー
2016年に購入したリッケンバッカーの12弦ギター、360 V64/12。ボディの表と裏にバインディングが施された、“ダブル・バインディング”が特徴の1本。メイプル・ボディ、メイプル・ネック、ローズウッド指板という材構成だ。ジョージ・ハリスンやピート・タウンゼントも愛用していたモデルとして知られ、萩本も彼らに憧れて入手したとのこと。92年製で、萩本と同い年の個体である。
もともとは12弦ギターとして使用していたが、だんだんと調子が悪くなり、試しに6弦ギターとして使ってみたところハマったため、そのまま6弦仕様に改造。そのためペグは12個から6個になり、ナットも交換された。その際、ペグはGOTOHのロック式を採用。
ブリッジはMastery M5に、テイルピースは萩本曰く“国産のビグスビーのコピー品”に交換されている。チューニングが安定したほか、サウンドも高音のキラッとした部分が出るようになったそうだ。また、一度リフレットも行なわれており、現在は少し太めのフレットが搭載されている。
ピックアップ・ポジションはセンターを選択。リア側のボリュームは常にMAXで、その日の気分によってフロント側のボリュームを上げ下げしているとのこと。
弦はElixir OPTIWEBの.010〜.046。
Interview
やっぱりジョージ・ハリスンや
ピート・タウンゼントが好きなので。
このギターは、いつ頃手に入れたんですか?
前にやっていたバンド(Layne)を始めてから買ったので、2016年くらいですね。92年製で自分と同い年です。
あれ……ヘッドに穴が空いていますけど、これってもとは12弦だったんですか!?
そうなんです(笑)。もともとは12弦として使っていたんですけど、なんだか調子が悪くなってしまって。試しに6弦にしてみたら凄く良くなったので、そのまま使っています。
色んな選択肢がある中、このモデルにした決め手は?
やっぱりジョージ・ハリスンやピート・タウンゼントが好きなので、この360のダブル・バインディングが欲しいと思って買いました。音は“高級なビザール・ギター”みたいな感じですね(笑)。ほどよくサステインがないというか。
ピックアップ・ポジションはどこを使うことが多いんですか?
普段はミックスにしています。リアのボリュームはいつもMAXにしているんですけど、その日の気分でフロントの混ぜ具合を変えていく感じですね。
ブリッジがMasteryのM5に交換されていますね。
リッケンはチューニングが狂いやすいんですよ。それで換えたんです。Masteryはネジで留めてくれているので、だいぶ狂わなくなりましたし、ちょっとだけ倍音が増えたような気がしますね。テイルピースは国産のビグスビーのコピー・モデルに交換しています。ここも高音のジャリっとしたところが増えました。チューニングが狂わないように、ペグもロック式にしているんですよ。ナットは高井空という友達のリペアマンが作ってくれたものにしています。
今作『Virtual Homecomig』のレコーディングではメインで使ったんですか?
メインで使っていて、あとはメイプルグローの370の12弦も使いました。しかも12弦じゃなく9弦で(笑)。ピックアップがトースター3発のやつで気に入っていたんですけど、この間、引っ越しをするために泣く泣く売ってしまったんです……(笑)。
そんな……(笑)! これはGateballersのライブでもメイン・ギターなんですか?
最近のライブではエピフォンのRivieraをメインで使っているんですけど、こっちに戻そうかと考えています。
作品データ
『Virtual Homecoming』
Gateballers
FRIENDSHIP.
デジタル配信限定
2024年10月30日リリース
―Track List―
01.Wake Up
02.プラネテス
03.Universe
04.光でできた世界
―Guitarists―
濱野夏椰、萩本あつし、内村イタル(※「プラネテス」のみ)