サポート・メンバーに元Layneの萩本あつし(g)と原元由紀(b)を迎え、新体制となってから初となるEP『Virtual Homecoming』をリリースしたGateballers。本記事では、フロントマンである濱野夏椰(vo,g)が長年のメイン・ギターとして愛用しているキャンディ・アップル・レッドの62年製ジャガーをご紹介。
取材・文=小林弘昂 機材撮影=星野俊
Hamano’s Guitar
1962 Fender
Jaguar
新作でもメインで活躍した初年度ジャガー
濱野のメイン・ギターは、大学時代にローンを組んで購入した62年製のジャガー。オリジナルのキャンディ・アップル・レッド・カラーを持つ、ジャガー初年度の個体だ。指板はラウンド貼り。購入時からリア・ピックアップが68年製のフェンダーのものに交換されていたという。
濱野が入手したあと、プリセット・コントロールの配線をカット。ピックアップ・セレクターも“音が出なくなることを防ぎたい”という理由で改造されており、一番上のスイッチを右側にした状態がリア、左側にするとフロントに切り替わる。真ん中のスイッチを左側にするとミックスに。一番下のスイッチはオリジナルのままで、左側にするとロー・カットがオンになる。楽曲によりフロントとリアを使い分けるが、ミックスはあまり使用しないとのこと。
弦落ち対策として、ブリッジがMasteryのM1に交換されている。弦はElixir OPTIWEBの.010〜.046を使用。
Interview
エンハンスがかかる感じがなくて、
“めっちゃ良いじゃん!”と思って。
このギターは4年前にも撮影させていただきましたが、ここ数年で変わったことは?
1年半くらい前にフレットを打ち替えました。ちょっと太めのフレットなのかな? (小山田)壮平君のツアーの前に山本キヨシさんっていうテックさんを通じて、長野県の山奥でビンテージ・ギター専門のメインテナンスしている方を紹介してもらったんですよ。その方が凄く良くて。
リフレットしたことによって音はどう変わりましたか?
よりマイクロフォニックになりましたね。弦に触っただけで倍音が出るというか、音を止めていても“ヒーン”って鳴るようになった(笑)。メインテナンスを誰に頼んだらいいのかずっとわかならなくて困っていたんですけど、めちゃくちゃ良い状態で戻ってきましたね。
アームが付いていませんが、なくなっちゃったんですか(笑)?
そう、なくなっちゃって。一度ミリ規格のアームを買って、自分でヤスリで削ってみたんですけど、半日くらいかかったんですよ。もう二度とやりたくない(笑)。なのでインチ規格のものを取り寄せ中です。
4年前はROTOSOUNDの弦を張っていましたよね。今は何を?
今はElixirのコーティングが薄いOPTIWEBです。“Elixirは自分に合わない”と思ってずっと触りもしなかったんですけど、長野のリペアマンさんから返ってきた時にOPTIWEBが張ってあったんですよ。それで弾いてみたら、コーティングが薄いからエンハンスがかかる感じがなくて、“めっちゃ良いじゃん!”と思って。僕は手汗が凄いんですけど、錆びないからずっとこれにしています。アコギもElixirですね(笑)。
弦の巻き数のこだわりはありますか?
だいたい巻き弦が3回で、プレーン弦が5回でやっています。子どもの頃に“こうやって巻け”って親から言われて、それをずっと守ってるんですよ。巻き弦とプレーン弦で張力が違うから、同じように揃えるために3回と5回にしているという。全部の弦を同時に弾いた時のアウトプット・バランスを考えていますね。
今回のEP『Virtual Homecoming』のレコーディングでもメインで使ったんですか?
メインです。「光でできた世界」でカジノを弾いたかな。あとは「Universe」でAmerican Acoustasonic Jazzmasterも使いました。エレキはその3本です。アンプはMatampのGT-100と、フェンダーの’63 Vibroverb Reissueの2台。「プラネテス」だけ伊豆スタジオのJCM800を使いました。
作品データ
『Virtual Homecoming』
Gateballers
FRIENDSHIP.
デジタル配信限定
2024年10月30日リリース
―Track List―
01.Wake Up
02.プラネテス
03.Universe
04.光でできた世界
―Guitarists―
濱野夏椰、萩本あつし、内村イタル(※「プラネテス」のみ)