12月10日(火)に新宿LOFTで開催された、サバシスターの忘年会企画「さばちゃんといっしょ2024」。本公演でステージに用意されていた、るみなす(g)のアンプとペダルボードを本人のインタビューと共にご紹介。
取材・文=伊藤雅景 機材撮影=西槇太一
Ruminasu’s Amplifier
・1974 Hiwatt / DR103 Custom 100(Head)
・1970’s Hiwatt / SE4123(Cabinet)
スピッツの田村明浩から借り受けたHiwatt
るみなすのメイン・アンプは、74年製のHiwatt DR103。スピッツの田村明浩(b)のもので、現在レンタル中。キャビネットはローディー所有のものだが、シリアル・プレートが剥がれていたため詳細な年式は不明。
るみなすは“やっぱりパンチが凄いです。良い意味でおじさんな感じも好きです(笑)”とコメント。ライブではもちろん、レコーディングでも活躍中。
NORMALのLOWにインプットし、各ノブはNORMAL VOLが12時過ぎ、BASSが2時過ぎ、TREBLEが8時過ぎ、MIDDLEが3時過ぎ、PRESENCEがゼロ、MASTER VOLが9時にセッティングされていた。
Ruminasu’s Pedalboard
メインのペダルはベース用オーバードライブ
【Pedal List】
①TC Electronic / Polytune 3(チューナー)
②Jim Dunlop / GCB95 Cry Baby(ワウ)
③EarthQuaker Devices / Blumes(オーバードライブ)
④Ibanez / TS9(オーバードライブ)
⑤Xotic Effects / RC Booster V2(ブースター/オーバードライブ)
⑥Line 6 / M9(マルチ・エフェクター)
⑦MXR / DC Brick(パワー・サプライ)
ギターからの接続順は①〜⑥の番号どおり。
②GCB95は、るみなすが高校生の頃に購入したワウ。筐体内部から、LEDの配線を取り付ける加工が施してある。“ワウがオフになっているかわからないことがあるので、ローディーさんに付けてもらいました”とのこと。
歪みペダルは③Blumes、④TS9、⑤RC Booster V2の3台。③Blumesは常にオンで、プリアンプ的な役割で使用。ギター・リフでは④TS9、ギター・ソロでは⑤RC Booster V2をそれぞれ使用している。3台同時に使うことはないようだ。
空間系/モジュレーションのエフェクトはマルチ・エフェクターの⑥M9が担う。各バンクに設定されたプリセットは以下のとおり。
FX 1 UNIT / 1A | Dig Dly W/Mod(ディレイ) |
FX 1 UNIT / 1B | Digital Delay(ディレイ) |
FX 2 UNIT / 2A | Hall(リバーブ) |
FX 2 UNIT / 2B | Chamber(リバーブ) |
FX 3 UNIT / 3A | Tri Chorus(コーラス) |
FX 3 UNIT / 3B | Tube Drive(オーバードライブ) |
Interview
Blumesは常にオンにしている
メインのオーバードライブです。
まずは、それぞれのペダルの役割について聞かせて下さい。
これは高校生の時に買ったワウ・ペダル(②)ですね。ライブ中にオフになっているかどうかがわからなくなるので、ローディーさんにLEDを付けてもらいました。
Blumes(③)がメインの歪みですか?
そうですね。これは最近導入しました! 常にオンにしているメインのオーバードライブです。うしろのTS9(④)は、Blumesから1段階ゲインとボリュームを上げたい時に踏みます。おもにリフで使いますね。ギター・ソロはRC Booster V2(⑤)です。
RC Booster V2のGain1+2スイッチは結束バンドでロックされていますが、オンのまま使っているんですか?
常にオンです。ライブで間違って踏んじゃうことがあるので、これもローディーさんに頼んでロックしてもらっています(笑)。
歪みペダルはどのような組み合わせで使うことが多いですか?
Blumesはずっとオンなので、そこにTS9かRC Booster V2を重ねます。3台を同時に使うことはほぼないですね。
M9(⑥)のプリセットの内容を教えて下さい。
今ライブで使っているのは、コーラス、リバーブ、ディレイの3種類。かけっぱなしにしているエフェクトは2のBに入れているリバーブ(Chamber)で、2のAにはもっと深いミックス量のリバーブ(Hall)をプリセットしています。深いリバーブは、曲で言うと「東京こえー」で使っていますね。そこ以外だとライブの曲間のつなぎでかけることが多いです。
ディレイもプリセットしているんですよね?
はい。1のBには、わりとタイムが短いショート・ディレイ(Digital Delay / 335ms)を入れていて、おもに「しげちゃん」で使っています。あ、ディレイ・タイムは楽曲に合わせているわけではないので、適当ですね。1のAに入っているのは、1のBよりタイムが長めなディレイ(Dig Dly W/Mod / 411ms)ですが、使用頻度は少ないかな。
モジュレーションもM9で?
気に入っているコンパクトのコーラス・ペダルも持っているんですけど、今は一旦M9で代用しています。使っているのはTri Chorusで、「ミュージック・プリズナー」で使っていますね。
3のBにはオーバードライブが入っていますが、これも使っているんですか?
これは1段階上げる歪みとしてプリセットしたんですけど、まったく使っていないですね。ただ、“何か足りない……”っていう時のために一応残しています!
M9のノブにはタッパーのようなカバーが被せてありますね。
足がノブに触るとエフェクトの種類が変わっちゃうので、お弁当箱みたいなタッパーを被せています(笑)。これもローディーさんが付けてくれました。
アンプ・ヘッドはスピッツの田村氏から借りているというビンテージのHiwattなんですよね。そもそもどういうきっかけで使わせてもらうことになったんですか?
2023年の9月に、『ロックのほそ道』っていうスピッツさん主催のイベントに出演させてもらった時に、田村さんとお話しさせていただいて。もともとHiwattは憧れのアンプだったんですけど、“持ってるから貸してあげるよ”と言ってくれて、そこから使わせてもらっています。キャビネットはローディーさんの私物ですね。
サウンドの印象はどうでしょう?
やっぱりパンチが凄いです。良い意味で“おじさん”な感じも好きです(笑)。前のバンドの時から、デモ制作で使うDAWではHiwatt風のアンプ・シミュレーターをいじっていたんですけど、それがきっかけで“実機もいつか鳴らしたいな”と思っていたんですよ。
レコーディングでも使用していますか?
使いました! ただ、レコーディングではエンジニアの方と相談して、フェンダーやOrangeなどのほかのアンプを使うこともありますね。