ブラック・カントリー・ニュー・ロードの来日公演でルーク・マークが使用したペダルボードを本人が解説! ブラック・カントリー・ニュー・ロードの来日公演でルーク・マークが使用したペダルボードを本人が解説!

ブラック・カントリー・ニュー・ロードの来日公演でルーク・マークが使用したペダルボードを本人が解説!

ボーカリストの脱退を乗り越え、2025年4月に新体制で制作した3年ぶりのアルバム『Forever Howlong』をリリースし、12月に来日ツアーを行なったブラック・カントリー・ニュー・ロード。最終日のEX THEATER ROPPONGI公演でルーク・マーク(g)へのインタビューが実現。彼がライブで使用したペダルボードを、本人の解説とともにご紹介しよう。

取材・文=小林弘昂 通訳=川原真理子

Luke Mark’s Pedalboard

エレキ/ラップ・スティール兼用のボード

【PEDAL LIST】
①BOSS / LS-2(ライン・セレクター)
②Lehle / Mono Volume S(ボリューム・ペダル)
③Diamond Pedals / COMP/EQ(コンプレッサー/EQ)
④BOSS / JB-2(オーバードライブ/ディストーション)
⑤strymon / DECO V2(テープ・サチュレーション)
⑥BOSS / GE-7(EQ)
⑦BOSS / RE-202(ディレイ)
⑧BOSS / TU-3s(チューナー)
⑨strymon / Ojai R30(パワー・サプライ)
⑩Buffalo FX / Evolution(ディストーション)
⑪Lovepedal / Les Lius(オーバードライブ)
⑫Electro-Harmonix / Deluxe Memory Man(ディレイ)

楽曲によってギターとラップ・スティールを弾き分けるルーク・マークは、①LS-2にエレキ・ギターとラップ・スティールをそれぞれインプットしており、その都度使用するほうを切り替えている。本機のLEVELノブでラップ・スティールの音量を上げているという。

接続順は①〜⑦の番号どおりで、⑧RE-202からアンプ(フェンダー’65 Super Reverb)へ。⑧TU-3sは②Mono Volume Sのチューナー・アウトに接続されている。⑩〜⑫の3台はボードの横に置かれており、ライブによってボード内のペダルと入れ替えるとのこと。

③COMP/EQはジョーディ・クリープ(ex.ブラック・ミディ)からのクリスマス・プレゼントでもらった1台。今回のツアーでは常時オンにしており、全体のサウンドにコンプレッションをかけて音量のダイナミクスを抑えていた。

④JB-2はディストーションのJHSモードを選択し、歪ませる際にオンにする。本来は⑩Evolutionをメインの歪みにしているとのことだが、最近は④JB-2をチョイスしている。

⑤DECOは右chのDOUBLETRACKERでスラップバック・ディレイを作り、ライブ中はほとんどオンにしているという。ビッグ・スターのカバー曲「The Ballad Of El Goodo」ではWOBBLEノブを上げ、フランジャーのようなサウンドにしている。左chのTAPE SATURATIONはオーバードライブのように使用しており、音量を上げたい時にオン。ルークは“④JB-2と一緒に使うと大爆発を起こす”とコメント。⑤DECOは⑫Deluxe Memory Manと入れ替えることもあるそうで、⑫Deluxe Memory Manもスラップバック・ディレイにセッティングしている。

⑥GE-7は歪みペダルのうしろにセットし、ベースを少し削り、ミドルを少し上げてサウンドを調整しているとのこと。

⑦RE-202は、短いリバーブがかかったリピート2回のディレイを使用。ほとんどこのセッティングしか使わないそうだが、「Turbines/Pigs」のラストではプリセットの1番に保存した“インフィニット・サステイン”が活躍しているという。ウェット音が大きく、リピートがずっと続くディレイ・サウンドで、それと同時にギター本体のボリューム・ノブ、もしくは②Mono Volume Sでボリューム奏法も行なっている。

Interview

JB-2と一緒に使うと
大爆発を起こす。

各ペダルの使い方を教えてもらえますか?

まずはBOSSのLS-2(①)に入る。これでエレキ・ギターとラップ・スティールを切り替えるんだ。DiamondのCOMP/EQ(③)はクリスマスに友達のジョーディー・グリープ(ex.ブラック・ミディ)からもらったもので、それ以来ずっと使っているよ。彼からの心尽くしの贈り物だ。この間、Rolandが親切にもエフェクターをいくつかくれて、JB-2(④)はそれで手に入れたものだね。これをライブで使うのは今日で3回目になるかな。とてもロックしているよ。

JB-2は導入したばかりなんですね。

僕が普段使っている歪みはEvolution(⑩)なんだけど、JB-2はその代わりなんだ。『Forever Howlong』(2025年)の歪みサウンドはすべてEvolutionを使ったよ。だからEvolutionが僕のメインなんだけど、今のビッグな歪みサウンドはJB-2なんだ。

なぜEvolutionをはずしたのでしょう?

今日は変えてみたんだ。DECO(⑤)も変えていてね。もともとDECOの位置にはDeluxe Memory Man(⑫)を置いていたよ。Deluxe Memory Manはスラップバック・ディレイで使っていて、コーラスっぽい素敵なモジュレーションもかけられる。DECOもスラップバック・ディレイのように使っていて、かなりラウドなんだ。左側はテープ・ディストーションのようで、テープ・デッキをオーバードライブさせているような感じになる。これまた僕のオーバードライブ・サウンドだね。JB-2と一緒に使うと大爆発を起こす。

今日はDeluxe Memory Manも使わないんですね。

そう。大がりなライブをやる時、“この音じゃダメだな”と思うと、ペダルを変えることがあるんだ。DECOよりDeluxe Memory Manのほうが素晴らしい音になる場合もあれば、それならない場合もある。だからライブによるんだ。Deluxe Memory Manは一番音が良いペダルだから、今日のような大がりなライブの時はボードに加えるんだけどね。でも今日はEvolutionもDeluxe Memory Manも使わない。

BOSSのEQ(⑥)はどのような使い方を?

EQは必ず歪みのうしろに置いている。ベースを少し削ってミドルをちょっと加えるんだ。最初に手に入れた時から、これが一番役に立っているかな。

ボードの外に置かれているLes Lius(⑪)は?

Tweed Deluxeアンプのような音が出せるんだ。素晴らしいよ。

手放せないのは
BOSSのEQだね。

COMP/EQはどういう時にオンにしているんですか?

このコンプレッサーはブースターとして使うこともあるし、今回のツアーではコンプレッションを少しかけるため常にオンにしているんだ。昔の音楽には大きな緩急の変化があったよね? ラウドになったかと思うと、すごく静かになったりしていた。僕はその中間で均等化するよう心がけていて、常にコンプレッションを少しかけているんだよ。そうすると以前ほど音が“ガッ!”と大きくならないし、静かにもならないんだ。ミドルを少し加えているから、少し厚みがあるよね。

RE-202(⑦)はどのモードを使っていますか?

おもに短いリバーブがかかったリピート2回のディレイだよ。RE-202は複雑なことがいろいろとできるけど、僕はほとんどこのセッティングでしか使っていない。筐体にはプリセットのリマインダーが貼ってあるんだ。今はもう必要ないけど、使い出した頃はセッティングを思い出すために必要でね。

リマインダーには、プリセットの1がSWELL、2がSLHP、3がVERB、4がMODと書かれていますね。

僕が出している唯一のクレイジーなサウンドは、1番にプリセットしているインフィニット・サステインだね。ロバート・フリップみたいに、1つの音を“ハア〜〜〜”って感じに歌わせて、好きなだけ延ばすことができる。ロバート・フリップもお気に入りのギタリストなんだ。

ディレイ音がずっと続くサウンドにしているんですね。ディレイ音は大きいのでしょうか、小さいのでしょうか?

すごくラウドなリピートだね。今は「Turbines/Pigs」の終わりで使っている。モチーフがくり返されるところで、すごく長いディレイ音を出して盛り上げていくんだ。ラウドにリピートさせて、フィードバックを思いっきり出しているんだよ。同時にスウェル効果もやっているんだけど、それはギターのボリューム・ノブでやる場合もあれば、ボリューム・ペダルでやる場合もある。

DECOはどの曲で使っていますか?

DECOの右側のスラップバック・ディレイはかなり使っている。WOBBLEノブを上げるとテープを古くしてスピードを少し落とした感じになるから、コーラスやフランジャーっぽくなるんだよね。でも今はビッグ・スターの「The Ballad Of El Goodo」のカバーをやる時にしかWOBBLEノブを使っていない。彼らの音源のリズム・ギターはフランジャーをかけたような音になっているよね? だからWOBBLEノブで似せているんだ。

なるほど、そういう使い方もあるんですね。

WOBBLEノブを下げた普通のスラップバック・ディレイはほとんどでオンになっているよ。短く“ジャッ!”って音を切った時にリピートがハッキリ聴こえたらオフにするけど、だいたいはかけっぱなし。左側のオーバードライブはラウドにしたい時に使っているけど、その時々で変えているんだ。

あなたの音作りに欠かせないペダルとは?

良い質問だ。Evolutionの歪みは超素晴らしいよ。Pete Cornishのペダルがもとになっていて、モデル名は何だったかな?

G-2ですかね。

それだ! 普段はEvolutionが欠かせないペダルなんだ。あと手放せないのはBOSSのEQだね。これはないといけない。何と一緒に使っても上手くいくから。

最後に、あなたがエフェクターをあまり使わない理由を教えてください。

持ち運ぶのが厄介だからね(笑)。モジュレーション……コーラスはあまり好きじゃない。トレモロは好きだけど。それと大きなディレイも好きじゃないね。ディレイのエフェクト自体は好きだよ。スラップバック・ディレイも好きだ。でも、“チュッ、チュッ、チュッ”っていうディレイ・サウンドが好きじゃなくて、僕には合わないから必要ない。今のままで十分だよ。

今のボードの状態が完成形に近いと。

あとは、すごくラウドなペダルが1つ欲しいな。ゲイン・ステージがいくつかあれば緩急のコントロールが付けられて超役に立つ。でも、超クレイジーなサウンドは僕には必要ない。少なくともこのバンドにはね。たまに遊びでクレイジーなサウンドを出すことがあって、DECOの左側をオンにしたまま右側のスイッチも踏むと、フランジャーみたいなデカい“フシュ〜”っていう音になるんだ。でも頻繁にはやらないよ(笑)。 僕は基本的にはギターとアンプが好きなんだ。それだけで良い音が出せるべきだよ。そこに少しエフェクトかけて味を加えるんだ。

2025年12月10日(水)EX THEATER ROPPONGI

【Setlist】
01. Two Horses
02. Salem Sisters
03. The Big Pain
04. Mary
05. Nancy Tries To Take The Night
06. Besties
07. Socks
08. Dancers
09. Goodbye(Don’t Tell Me)
10. Turbines/Pigs
11. The Ballad Of El Goodo(Big Star Cover)
12. Forever Howlong
13. Happy Birthday
14. For The Cold Country