2026年8月12日(水)に2ndアルバム『Nothing Space Music』をリリースしたmaya ongaku。本記事では、園田努(vo,g)がライブで使用するペダルボードを本人の解説とともにご紹介。
取材・文=森部真衣 機材撮影=星野俊
Sonoda’s Pedalboard

ステレオ出力と緻密なEQで
音色を管理
【Pedal List】
①BOSS / PV-1(ボリューム・ペダル)
②TC Electronic / Polytune 3 Mini(チューナー)
③Elektron / Analog Drive PFX-1(ディストーション)
④Electro-Harmonix / Nano Pulsar(トレモロ)
⑤Warlus Audio / Julianna Deluxe(コーラス/ビブラート)
⑥BOSS / RC-10R(ルーパー)
⑦strymon / VOLANTE(ディレイ)
⑧TC Electronic / Hall of Fame(リバーブ)
⑨BOSS / EQ-200(EQ)
⑩Roland / EV-5(エクスプレッション・ペダル)
⑪VOCU / Baby Power Plant Type-C(パワー・サプライ)
園田が活動開始当初から使用し続けているペダルボード。レコーディングでは基本的にペダルを使わずアンプに直挿ししているため、おもにライブで使用している機材となる。
ギターからの接続順は①〜⑨の番号どおり。④Nano Pulsarからステレオ・アウトとなり、⑨EQ-200から2台のフェンダーTwin Reverbへ分岐させている。
①PV-1は、楽曲のフェード・インやフェード・アウトで使用。バイオリン奏法を行なうこともあるという。

③PFX-1は、8種類のアナログ・ディストーション回路をデジタル制御によって切り替えられるもの。基本的にクリーン・サウンドで単音弾きやアルペジオを演奏することが多い園田だが、楽曲によっては本機のプリセットを使い分けて歪ませている。「Iyo No Hito」で聴けるファズ・サウンドも本機によるものだ。

④Nano Pulsarは、“一定じゃなくて、生きているような音”を気に入っているとのこと。モノラル入力からステレオ出力できる点も導入する決め手になったという。
⑤Julianna Deluxeは、おもにビブラートとして使用。

⑥RC-10Rはリズム・マシンの機能は使わず、常にルーパーとして使用。maya ongakuは3人で様々な楽器を演奏したり、複数のフレーズを重ねたりすることが多いため、全員が本機を導入し、MIDIでクリックを同期している。その時々の演奏に合わせて柔軟に展開を変えられる点がメリットだという。⑩EV-5は⑥RC-10Rに接続し、ボリュームをコントロール。ほかの2人の足下にもEV-5が置かれており、3人それぞれがループ音のフェード・アウトを操作できるようになっている。
⑦VOLANTEは8個までプリセットを保存できるため、楽曲ごとにディレイを切り替えている。
⑧Hall of FameはCHURCHモードで常時オン。“自然に広がる感じのリバーブ。味付けがなくて、すごくきれいなところを気に入っている”とのこと。本機も3人が全員導入している。
園田はライブでは歌に集中するためアンプの音はモニターしておらず、中音を聴きながら演奏しているとのこと。そのため、会場の環境によって音が変化しやすいアンプ側のEQではなく、⑨EQ-200を用いて細かく音色を調整し、理想とする中音を作っている。ピック弾きの際は中音域を強めに設定し、指弾きの際は低音域を絞るようにセッティング。本機は、園田がバンドを始めた当初、会場でのイコライジングも自身で行なうものと思っていたことから導入し、現在も使用し続けているという。
Interview
PFX-1でいろいろできるので、
ほかの歪みは買わなくなっちゃいました(笑)。
常にオンにしているペダルはありますか?
Hall of Fame(⑧)はずっとオンにしています。CHURCHモードの音が極上で、バンドの全員がこのペダルのCHURCHモードを使ってます。自然に広がる感じのリバーブで、味付けがなくてすごくキレイなんですよ。しかも、ステレオ出力にした時に左右にちょっと動くんですよね。Hall of Fame 2とは音が全然違っていて、これが一番良いと思っています。
PFX-1(③)ではどのモードを使用していますか?
基本はキレイなクリーンの音を出しているんですけど、曲によっては激しい音もあったほうが良いので、PFX-1でファズやオーバードライブの音を出しています。その中でもファズがメインですね。99個までプリセットが組めて、“Manual”というミニ・スイッチを下げるとその場で音を作ることもできるんですよ。もともと僕は“エフェクター大好きおじさんになるのかな?”という感じだったんですけど、PFX-1でいろいろできるので、ほかの歪みは買わなくなっちゃいました(笑)。
Nano Pulser(④)を使用している理由は?
Nano Pulserをステレオ出力した時の音って、一定じゃなくて、“フワン、フワン”という生きているような音なんですよね。ほかにこれと同じような動き方をするトレモロ・ペダルをあんまり見たことがないんですよ。Nano Pulserにモノラルで入力して、ステレオで出力しています。
Julianna Deluxe(⑤)を選んだ理由についても教えてください。
ステレオで出せるビブラートとコーラスを探していたんですけど、Hall of Fameのリバーブはけっこう横に動くので、ビブラートは縦に揺れるものが良かったんです。それがすごくマッチしていたので、今のところはJulianna Deluxeが一番良いかなと思っています。
RC-10R(⑥)はどんな場面で使用していますか?
maya ongakuは3人しかいないので、例えば鍵盤を弾いている(池田)抄英がサックスも吹かなきゃいけないし、僕はギターの上に別のフレーズを重ねたりもしなきゃいけないんですね。なので僕らは3人ともRC-10Rを使っていて、MIDIで全員同期させています。スタートは同期せずにクリックだけ同期しているので、自由に音を重ねていけるようにしてあります。
そもそも、MIDI端子が付いていて、MIDI信号を受信してスルーできるルーパーがあんまりなかったんですよ。それができるものがないかと血眼になって探していたんです。超デカいルーパーはあったんですけど、こういう足下に置けるようなものはほかになかったので、最強だと思います。
打ち込み等による同期演奏はしないんですね。
ルーパーやシンセのプリセットをできるだけ組んでおいて、手動で動かすという不便さがないと、本当になんでもできちゃうんですよね。それにパソコンがステージ上にあると、どこまでパソコンから出ている音で、どこから楽器で弾いている音なのかが、お客さんからするとわかりづらいじゃないですか? “DTMやりに来てんのかな?”みたいな感じになっちゃうし(笑)。
抄英のサックスのソロの長さがどのくらいになるかもわからないし、歌も会場が温まってきたら歌っているんですけど、そういうことが同期だと一切できなくなる。それができないと音楽的じゃなくなっちゃうと思うので。
VOLANTE(⑦)はどのように使用していますか?
8個までプリセットを組めるので、曲ごとにプリセットを組んでいます。ライブ・セットで8曲以上演奏することはあんまりないので、ちょうど良いですね。ピンポン・ディレイも出せる面白いディレイです。
園田さんはアンプ側のEQは常に一定にして、EQ-200(⑨)でイコライジングをしているんですよね。
そうです。今はあるのかもしれないですけど、買った当時はステレオで出せるグラフィック・イコライザーがほかになかったんですよ。バンドを始めた時はライブ経験がゼロだったので、PAさんが何をしてくれる人なのかを全然わかっていなくて、会場での音作りも全部自分たちでやるものだと思っていたんです。自分で出す楽器の音は自分で制御して、そのうえでPAさんに最後の調整をしてもらっていたので、その名残で今もEQ-200を使っていますね。
EQ-200はどんな設定で使用していますか?
例えば、指弾きの時は低域がふくらみがちなので、歌の邪魔にならないようにそこを落としたり。あとはローズと音域が被らないように調整していますね。中域は欲しいので少しだけ上げるようにしていたり、LEVELノブが付いているので音量もここで調整しています。
ライブでは歌に集中したいので、それを邪魔しないようにモニターからアンプの返しはもらってないんですよ。大きな会場になると中音と外音がまったく変わってしまうんですけど、それでも中音が目的の音に近ければ近いほど良いので、EQ-200を導入して正解でした。
作品データ

『Nothing Space Music』
maya ongaku
BAYON PRODUCION
ROMAN-036
2026年8月12日リリース
―Track List―
1. Vanishing Waves
2. Astral Echoes
3. Thinkingscape
4. Flowing
5. Hisoku Blue
6. In Nothing Space
7. You are Silence
8. Permanent Waves
―Guitarist―
園田努




