ギタリスト 布袋寅泰のすべて
2022年3月号のギター・マガジンは、“ギタリスト 布袋寅泰のすべて”。昨年デビュー40周年、そして今年2月1日に60歳を迎え、新作『Still Dreamin’』をリリースした布袋寅泰を、140ページにわたる大ボリュームで特集しました! 全キャリアを総括した超ロング・インタビューや使用機材紹介、奏法分析、布袋と親交の深い国内外のギタリストからのメッセージなどなど、盛りだくさんのコンテンツの見どころを、編集担当の小林が解説していきます。
46年のギタリスト人生を振り返る
前代未聞の“1冊丸ごと”布袋寅泰特集!
昨年の“90年代オルタナ革命(2021年4月号)”以来、約1年ぶりに表紙特集の企画/編集を担当した小林です。お久しぶりです。とうとう実現しました、布袋寅泰特集。全国のHOTEIファンのみなさま、大変お待たせしました。布袋さんの表紙は約11年ぶり(!)。前回は30周年トリビュート・アルバム『ALL TIME SUPER GUEST』(2011年)のリリース・タイミングで、今井寿さん、MIYAVIさん、永井聖一さんとの4人での表紙でした。単独としては『MONSTER DRIVE』(2005年)以来、なんと約17年ぶりです。
実は僕、布袋さんに憧れてギターを始めました。初めて行ったライブも布袋さんです。母親に頼んでチケットを取ってもらった、2008年1月13日の山形県県民会館での“HOTEI & The WANDERERS FUNKY PUNKY TOUR 2007-2008”。当時15歳の僕は、TAKUYAさん、Ju-kenさん、中村達也さん、森岡賢さん、スティーヴ エトウさん、そして布袋さんという無敵のロック・バンドの演奏を生で体感し、そこから人生が大きく変わることとなります。ちなみにバンドの音がデカすぎて、サウンドチェックでTAKUYAさんのギターの音が鳴るたびに“ライブってこの音量でやるものなのか……?”と不安になり始め、本番中は達也さんがスネアを叩くたびに“もうやめて〜(泣)”と思っていました。でも、あのライブがあったからこそ僕は今この文章を書けているのです。布袋さんには感謝してもしきれません。
ということで、僕の個人的な思い入れも深い布袋さんの大特集を作ることができて、本当に嬉しいです。今回の特集は布袋さんご本人はもちろん、スタッフさん、全国のHOTEIファンのみなさん、そしてこれを読んで初めてHOTEIワールドにのめり込んでいくギタリストにも喜んでもらえるよう、丹精込めて作りました。さっそく見どころを解説していきましょう!
布袋寅泰より、すべてのギタリストへ
特集のスタートは、布袋さんから“すべてのギタリスト”へ向けたメッセージ。46年間のギタリスト人生で得られたこと、見つけたこと、目指したこと、挫折したこと、成し遂げたこと……ギター1本で人生を切り拓いてきた布袋さんだからこそ綴れる、珠玉のメッセージです。
カメラマンはTAKAKI_KUMADAさん。普段はモード誌を中心にグラフィック広告、アーティストだとTWICEやBLACKPINKなどを撮影しているのですが、布袋さんとの相性もバツグンでした。普段のギタマガとは違った、クールでファッショナブルな写真もお楽しみ下さい!
撮影中はイギリスのロック・ミュージックを大音量で流していたのですが、最後の撮影の時に僕がBGMを選ぶことになりまして、ロキシー・ミュージックの「Love Is The Drug」からの「Do The Strand」をセレクト。この時、布袋さんがロキシーを口ずさみながらポーズをキメていて、それがもうカッコ良いのなんのって……! あの時はテンションがブチあがりました。
布袋寅泰、15の挑戦〜5万字ロング・インタビュー
今回の特集の目玉となるのが、2日間、合計4時間以上にも及んだ全キャリア総括インタビュー。“15の挑戦”として、まだギターを始める前の幼少期から、BOØWY、COMPLEX、ソロ活動、英国への移住、コロナ禍での活動、新作『Still Dreamin’』など、布袋さんの全キャリアを5万字超えの大ボリュームで振り返ります。
- ギター少年・布袋寅泰、BOØWY結成までの挑戦
- BOØWYでの挑戦
- 『GUITARHYTHM』での挑戦
- COMPLEXでの挑戦
- 『GUITARHYTHM Ⅱ〜Ⅳ』での挑戦
- 「POISON」から始まる国内ヒット・チャートへの挑戦
- 『SUPERSONIC GENERATION』でのテクノへの挑戦
- オーケストラへの挑戦
- 映画音楽への挑戦
- プロデューサー/ソングライターとしての挑戦
- 海外大物ミュージシャンとの共演と挑戦
- 英国へ移住。世界へのたった1人の挑戦
- コロナ禍での挑戦
- 東京2020パラリンピック開会式への挑戦
- これからの人生で見据える挑戦
本当は全アルバムの解説や各年代の使用機材、現在の愛用ギター1本ずつのエピソードなども聞きたかったのですが、布袋さんのお話がすべて面白くて、いただいた4時間でも全然足りませんでした……。2日目のインタビューが終わったあとに“もう15時間お話を聞きたいです”とやんわり言ってみましたが、布袋さんから“もう僕の体力がもたないよ(笑)”と、かわされてしまいましたので、それはまた次の機会によろしくお願いします!
直筆コラム:布袋寅泰を導いた偉大な10人のギタリスト
なんと布袋さん自らが“影響を受けたギタリスト10人”を選出し、それぞれのコメントを書いてもらいました! やはりデヴィッド・ボウイ関連のミック・ロンソン、カルロス・アロマー、アール・スリックははずせませんよね。ほかにも“やっぱりか〜!”と思う人や、“え、あの人は入ってないの!?”と、ビックリするようなラインナップになっていますので、ぜひ誌面でご確認下さい。
さらに布袋さんには“影響を受けた名盤20枚”も選出していただきました! そちらも納得&驚きのラインナップになっていますので、合わせてチェックを。洋楽をあまり聴いたことのないギター・キッズたちには、ぜひともここを入口に様々な音楽を吸収してもらいたいです。
HOTEI’s 25 Guitars 布袋寅泰の愛器たち
現在、布袋さんが日本で管理しているギターの一部をご紹介。メインのHOTEIモデルはもちろん、FERNANDESとZodiacworksで製作された各シグネチャー・モデル、ゼマイティス、フェンダー、グレッチ、ギブソン、そして近年手に入れた海外のハンドメイド・ギターなど、合計25本を撮影しました。時代を彩った名器たちに注目です!
HOTEI’s Gear 布袋サウンドを生み出すシステム
アンプやエフェクターといった現在のシステムもご紹介! アンプやエフェクターのセッティングはもちろん、Pete CornishとFREE THE TONEが手掛けたラック、過去に使用していたエフェクター、フット・ボードの解説も。今回は20年以上、布袋さんのギター・テックを務める内田直さんに機材のお話を聞きました(内田さん単独インタビュー記事も4P掲載!)。
さらに内田さん、FREE THE TONEの林幸宏さん(林さん単独インタビュー記事も6P掲載!)からお借りした貴重なライブ機材写真のページもあります!
スタイル別! 布袋寅泰ギター奏法を総ざらい
恒例の奏法分析コーナーもあります! 代表曲を例に、リフ編、メロディ・プレイ編、リズム・ワーク編、ソロ編の4つに分けて布袋さんのプレイ・スタイルを学んでいきましょう!
ギター・スコアも布袋寅泰!
※電子版には収録されておりません
もちろんギター・スコアも布袋さんスペシャルです! 今回はライブ・バージョンを中心に5曲をセレクトしてみました。話題の『THE FIRST TAKE』の「バンビーナ」はオリジナル音源とギター・フレーズがけっこう違うので、弾きたい人も多かったのでは? 「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」はセッション感溢れる演奏がめちゃくちゃカッコ良いです。新曲「Still Dreamin’」も、ぜひトライしてみて下さい!
- 「Dreamin’」BOØWY
(『LAST GIGS』ver.) - 「BE MY BABY」COMPLEX
(『19901108』ver.) - 「バンビーナ」布袋寅泰
(『THE FIRST TAKE』ver.) - 「BATTLE WITHOUT HONOR OR HUMANITY」布袋寅泰
(『嵐が丘』収録“2012 Live at LONDON ROUNDHOUSE” ver.) - 「Still Dreamin’」布袋寅泰
駆け足で3月号の見どころを解説していきましたが、読みたくて読みたくてたまらなくなってきたでしょう? まだまだ紹介できなかったコンテンツがありますので、ぜひお手にとっていただければと思います。今回、インタビューの時に布袋さんから“ギタマガで一番売れた号にしようね!”と言われまして、本当に背筋がピーンと伸びました。目指せ売上No.1!
最後に、全面協力していただきました布袋さん、事務所やレコード会社のスタッフのみなさん、お忙しいところインタビューを快諾していただきましたFREE THE TONE林さん、Leo Music内田さん、そしてカメラマンKUMADAさん、スタイリストKazさん……ご協力いただきましたすべての方に御礼申し上げます。
- 定価990円(税込)
- 品種雑誌
- 仕様A4変形判
- 発売日2022-02-12