ペダルボードに組み込めて、ギタリストにも使いやすいRainger FXのドラム・マシン ペダルボードに組み込めて、ギタリストにも使いやすいRainger FXのドラム・マシン

ペダルボードに組み込めて、ギタリストにも使いやすいRainger FXのドラム・マシン

 奇才David Rainger(デヴィッド・レインジャー)が2009年に立ち上げた英国ロンドンのペダル・ブランド、Rainger FX(レインジャー・エフエックス)より、同ブランドならではのアイディアが詰め込まれたドラム・マシン“Snare Trap Lo-Fi Beatbox”がリリースされた。

 本機は卓上に置いて手で操作できることはもちろんだが、本機をペダルボードに組み込んで、ビートの設定に使用する黒いパッドを足でタップすることもできる。

 この黒いパッドは、スネアのフィルインと瞬間的なホワイト・ノイズ・バーストをトリガーする役割も持ち、ドラマチックな展開の演出に最適。キック、スネア、ハイハットの各サウンドは、外部のCVペダルから個別にトリガーすることもできる。

 また本機には、ビートを彩るためのエフェクト類も搭載されている。スネアのみに有効なディレイは、発振させることも可能で、ダブに近いクールなサウンドも生み出せる。ローパス・フィルターはマニュアルまたはLFOでコントロールでき、サウンドをダイナミックに変化させる。加えて楽器の入力音がある時にのみ、ビート・サウンドの音量を絞るサイドチェイン機能も搭載されている。

 本機が生み出す音は、アナログとデジタルのハイブリッド方式で、Rainger FXらしいチャーミングかつ特徴的なローファイ・サウンドとなっている。あらかじめ録音されたサンプルではなく、Snare Trap自身がこのサウンドを創造する。

 スネアは常に2拍目と4拍目で鳴るが、ディレイを使ってゴースト・ノートを入れることも可能。キックは常に1拍目で鳴り、2つ目のキックの位置は自由に移動させることができる。またハイハットは8カウントと4カウントのいずれかを選択できる。

 そして本機の操作方法はいたってシンプル。パッドでテンポを決め、筐体上部のボタンやノブでサウンドのパラメーターを調整するだけで、誰でも直感的にユニークなビートを作りだすことができる。

 たとえばギタリストがビートを鳴らしながら1人でライブ・パフォーマンスを行なう時や、自宅練習をドラム・サウンドとともに楽しみたいときなどに、このSnare Trapは大いに役立つだろう。

 Rainger FXのペダルらしいユニークなルックスも本機の魅力のひとつだ。

 各コントロールの役割と入出力端子は下記のとおり。実際のサウンドについてはYouTubeで多数公開されている動画を参照してほしい。

Snare Trapのコントロール

  • SNARE – SHAPE:スネア・サウンドの長さを調整する。短くシャープな設定からハンドクラップのような分厚いサウンドまで可能。
  • SNARE – DRY:スネア・サウンドを、ルーム・リバーブが掛かったようなマイルドなトーンからよりハードでドライな響きに変える。
  • HH 4s:標準では8拍子のハイハットを、このスイッチでオフビートな4拍子に変更できる。
  • BD2:ノブを反時計回りに回し切ると、バス・ドラムの2つ目の音が3拍目に鳴らされる。時計回りに回していくことで2つ目の音の位置をずらせる。
  • SNARE DELAY – SEND:スネア・サウンドに追従するディレイの量を変える。
  • SNARE DELAY – RATE:ディレイ・タイムを変更してリピートのタイミングを設定する。
  • SNARE DELAY – FBK:ディレイのフィードバック量を設定する。
  • INSTR SIDE CHAIN:サイドチェインを有効にする。有効にした場合、楽器音が入力されるたびにSnare Trapの音量がダッキングされる。
  • VOLUME:全体のボリュームを設定する。
  • MIX:ドラム・ビートと楽器音のブレンド比を調整する。時計回しで楽器、反時計回りでビートの比率が大きくなり、回しきると一方のサウンドがカットされる。
  • PAD:黒いラバー・パッドの動作を切り替える。タップ・テンポの設定と、ホワイト・ノイズのフィルインから選択できる。
  • ON:ローパス・フィルターにLFOを適用し、カットオフをモジュレートさせることができる。
  • LFO RATE:LFOの速度を設定する。
  • CUT OFF:ローパス・フィルターのカットオフ・フリーケンシーを設定する。

Snare Trapの入出力端子

  • IN:楽器を接続する1/4″ジャック。
  • (SYNC OUT):タップテンポに追従したパルス信号が出力されるミニ・ジャック。外部デバイスを接続して、テンポをシンクさせられる。
  • I/P Hi/Lo:入力される楽器シグナルをアッテネートできる。シンセサイザーのような高い出力を持つ楽器の入力に使用する。
  • DC in:パワーサプライを接続する。9Vセンターマイナス、65mA。
  • “Trigger in”ソケット:外部トリガーからバスドラム(BD)、スネア(SN)、ハイハット(HH)をトリガーできる。
  • OUT:SNARE TRAPのサウンドが出力される。1/4″ジャックとミニ・ジャックはどちらも同じモノラル信号。

Rainger FX
Snare Trap

【価格】
38,280円(税込)

【問い合わせ】
アンブレラカンパニー TEL:042-519-6855 https://umbrella-company.jp/