ギブソン、伝説の元社長テッド・マッカーティが1957年にデザインしたギター“セオドア”をリリース

　ギブソン・カスタムショップより、ギブソンの伝説的な元社長であるテッド（セオドア）・マッカーティ（Theodore McCarty）の名を冠したモデル、“セオドア”がリリースされた。日本国内での販売は3月19日（土）より開始されている。

　テッド・マッカーティ（1909年10月10日-2001年4月1日）は、1940年代末から1960年代中盤までギブソンに在籍し、1950年以降は社長を務めた人物。彼はその期間に、レス・ポール、ES-335、フライングV、エクスプローラー、SG、ファイアーバードなど、今日のエレクトリック・ギターの礎を築いた数多くのモデルの開発に貢献した。

　今回リリースされたセオドア・モデルは、そのテッドが新たなソリッド・ボディ・ギターの構想として1957年に描いたスケッチを元に、そこからじつに長い年月を経て具現化されたもので、製品化はこれが初となる。

　またギブソンが本モデルを発表した2022年3月18日は、テッドがスケッチにメモした日付である”3/18/57″（1957年3月18日）からちょうど65年目にあたる。

　さらに本モデルは、過去に企画や構想がありながらも製品化はされなかったモデルを、現在の技術で製作するギブソンの新シリーズ、“アーカイブ・コレクション”からの第1弾でもある。

　セオドアのボディ・カラーはナチュラル、チェリー、エボニーの3色。各色106本のみ、計318本の限定生産品となる。

　仕様上の特徴としては、ダブル・カッタウェイ、エクスプローラー型のヘッドストック、アルダー・ボディ、ウォルナット・センター・ストリップ、軽量かつ優れたウェイト・バランスによる良好なプレイアビリティ、伝統的なP-90ピックアップによる汎用性の高いトーンなどが挙げられる。

　付属品はヒストリック・スタイルのブラウン・ハードケースに加え、レザー・ストラップ、テッド・マッカーティが描いたスケッチのプリント、カタログ風のプリント、認定書も同梱される。

　カタログ風のプリントは1957年当時のギブソン社のカタログを模したもので、“This modernistic new solid body guitar presents unparalleled playability, excellent balance, and sensational response.”（圧倒的な演奏性、優れたバランス、センセーショナルなレスポンスを実現した、モダンで新しいソリッド・ボディ・ギターです。）といった紹介文が書かれている。

　ギブソン・ジャパンの公式サイトでは、このセオドアの発売を記念し、日本のギブソン・ファンに向けた日本独自企画による特設ページを3月18日に公開した。

　この特設ページでは、ビンテージ・エキスパート＆ライターの關野 淳（せきの じゅん）氏によるセオドアについての深い考察を読むことができる。加えて国内のアーティストによるセオドアのインプレッション動画も、この特設ページ内で公開される予定だ。

　またYouTubeのGibson TVチャンネルでは、本モデルを紹介する次の2本の動画（英語）が公開済み。

　上はテッド・マッカーティの偉業をアニメーションで解説したもので、下はギタリストのジョー・ボナマッサによる試奏とコメントを聞くことができる。

　テッド・マッカーティが1957年に考案したギターが、もしES-335やフライングV、エクスプローラーと同時期に世に出ていたら、その後のエレクトリック・ギター界はどうなっていたか？　セオドア・モデルを弾きながら、そうした夢想をするのも楽しそうだ。