神田商会、デンマーク発のギター・ブランド“バウム・ギターズ”の製品の取り扱いを開始

　株式会社神田商会が、デンマーク発のギター・ブランドであるバウム・ギターズ（Baum Guitars）の製品の日本国内での取り扱いを2022年9月より開始した。

　バウム・ギターズは、30年以上にわたってギター製作に関わってきたバウ・モーデン（Bau Morden）が2015年にデンマークで創設したブランドだ。当初は2名のルシアーでカスタム・ショップとしてスタートし少量生産を続けていたが、2021年からはアジアのOEM工場にてプロダクション・モデルの生産を開始した。

　そのプロダクション・モデルはいずれもバウム・ギターズの高いデザイン性とコンセプトを受け継いでいる。また、工場で作られた製品はすべてデンマークの本社に送られ、同ブランドの基準による厳密な検品と調整を経たうえで、高い品質を保持した製品として世界中に出荷される。

　ブランド名の“Baum”は、創始者バウ・モーデンのファースト・ネームの“Bau”とファミリー・ネームの頭文字の“M”を組み合わせたもので、“Baum”がドイツ語で“木”を意味することから、ロゴ・マークは“Baum”の文字に木の葉の意匠を添えたものになっている。

　そして同ブランドが掲げる「Play “Little Vintage, Little Modern” 」という思想が、トラディショナルな上品さと現代的な要素を併せ持つ“レトロ・モダン”なデザインとなって、各モデルに反映されている。

　ではバウム・ギターズの現行製品を以下で紹介しよう。ギターの形状にはConquer 59、Leaper Tone、Wingman、Backwingの4つがあり、それぞれに限定生産モデルがある。まずはそれらのルックスとカラー・バリエーションを楽しんでほしい。パーツについての解説は最後にまとめる。

Conquer 59

　Conquer 59はfホールが1つ付いたオフセット・シェイプ・ボディを持つセミ・ホロウ・ギターで、カラーはアイボリー・ホワイト、シルバー・ジェイド、スカイライン・ブルーの3色。

Conquer 59 Limited Drop

　Conquer 59 Limited Dropは限定カラーのダーク・ムーンを採用した限定モデル。

Leaper Tone with Tremolo

　Leaper Tone with Tremoloは、ボディの両側にfホールを備えたセミ・ホロウ・ギター。ビグスビーのB70トレモロ・ビブラート・テイルピースを搭載している。カラーはディープ・シーのみ。

Leaper Tone Limited Drop

　Leaper Tone Limited Dropは上のLeaper Tone with Tremoloと同シェイプを持つ限定モデルで、ピュア・ブラック、ディープ・フォレスト、ディープ・シーの3カラーをラインナップ。Leaper Tone with Tremoloとは異なりストップ・テイルピースが採用されている。

Wingman

　Wingmanは、オリジナル・シェイプのボディを持つソリッド・ギターで、カラーはダーク・ムーンのみ。

Wingman Limited Drop

　Wingman Limited DropはWingmanの限定モデルで、カラーはビンテージ・ホワイト、ピュア・ブラック、インカ・ゴールド、スカイライン・ブルー、バーガンディー・ミスト、オーシャン・ミストと、全6色の豊富なバリエーションが用意されている。ピックガードとトラスロッド・カバーも、ゴールド、ブラック、ホワイトの3色が使い分けられている。

Backwing

　Backwingは特徴的なシングル・カッタウェイのボディを持つソリッド・ギターで、カラーはインカ・ゴールドとダーク・ムーン。

Backwing Limited Drop

　Backwing Limited Dropは上のBackwingと同シェイプで、ピュア・ブラックのボディにゴールドのピックアップを組み合わせた限定モデル。

　では次にパーツを見ていこう。

ヘッドストック

　ヘッドストックの形状は、Conquer 59とLeaper Tone、Wingmangがティアドロップ（バウム・ギターズによる表記は”Teardrop ‒ 3×3″）で、 Backwingはアングル・ブレード（”Angle Blade ‒ 6 in line”）。どちらも独特なシェイプだ。

ネック

　ネック材は全モデルともにローステッド・メイプルを採用。手に馴染むシルク・フィニッシュで仕上げられている。またネックとボディは、4点留めのメタル・プレートを用いたボルトオン方式で接合されている。

指板

　指板材はローズウッドで、フレット数は22。アイボリー・カラーのバインディングが取り付けられている。これらは全モデルに共通する特徴だ。

　指板上のポジション・マークの形状はConquer 59のみドットで、ほかのモデルはクラウンになっている。

ボディ

　ボディがセミ・ホロウ構造のConquer 59とLeaper Toneでは、ボディ・トップにメイプル、バックにマホガニーが採用されている。またConquer 59のボディには、右腕の肘が当たる部分を削ったエルボー・カットがあり、これが演奏性を高めている。

　ソリッド・ギターのWingmanとBackwingのボディ材はマホガニー。WingmanにもConquer 59と同様にエルボー・カットが施されている。またBackwingのボディも、ピックアップやコントロールがある部分に対して肘が当たる部分が一段薄くなっており、これもエルボー・カットと同じく演奏性を高める効果をもたらす。

　また全モデルのボディとヘッドストックはグロス・ラッカー・フィニッシュで仕上げられている。

ピックアップ

　今回紹介しているモデルに各2基ずつ搭載されているピックアップは、Jabmaster、Rewind 52、Goldbuckerの3種類。

　Jabmasterはアルニコ5マグネットを使用したレトロなルックスのシングルコイル・ピックアップで、Conquer 59とWingmanに採用されている。

　同じくレトロなルックスを持つRewind 52は、P90のサウンドを目指して開発されたシングルコイル・ピックアップで、Leaper Toneがこれを搭載。

　Goldbuckerはアルニコ5マグネットを使用したミニ・ハムバッカーで、Backwingに採用されている。

　なお、以上の3種のピックアップに書かれている文字は、写真では見えにくいかもしれないが”GOLDSOUND”だ。

ブリッジ

　どのモデルもブリッジは、ローラー・サドルを装備したバウム・オリジナルのLevitatorが採用されている。

コントロール

　コントロール・ノブの役割は次のとおり。

　ピックアップ・セレクターはどのモデルも3ウェイのトグル・スイッチになっている。

その他

　スケール長はどのモデルも25.5インチ（648mm）。付属品として”Baum”のロゴ入りハードケースが付く。

　以上でバウム・ギターズの現ラインナップとおもな特徴を紹介した。デンマーク発のブランドであることに興味を持った人や、味わいのあるレトロ・モダンなデザインに魅かれた人もいるだろう。

　YouTubeのBaum Guitarsチャンネルでは、ここで紹介したモデルのデモ演奏動画が多数公開されているので、そちらもぜひチェックしてみよう。