KMA Machinesのデジタル・ディレイ&リバーブ・ペダル“Cirrus(シーラス)”の日本国内での取り扱いが、日本エレクトロ・ハーモニックスによって2023年6月より開始された。
Cirrusはディレイとリバーブの両方を搭載したペダルで、KMAとしては初めてデジタル技術を採用したエフェクターでもある。
また本機にはディレイとリバーブの基本的なコントロールに加え、ピッキングの強弱で音を制御することができる各3つのモードが搭載されている。さらにエクスプレッション・ペダルやエフェクト・ループの利用も可能だ。
以下では、本機に備えられた多数のノブ、スイッチ、端子を、6つの項目に分けて見ていこう。
1. ディレイ用コントロール
ディレイ用のコントロールはフロント・パネルの左側にまとめられている。

ドライ音とディレイ音のミックスの度合いはDELAYノブ、ディレイの長さはTIMEノブ、ディレイの回数はREPEATSノブで設定する。
1/8D|1/1|1/3スイッチは、ディレイ音をどう細分化するかを決めるもので、付点8分音符(1/8D)、分割なし(1/1)、3連符(1/3)のいずれかを選ぶことができる。
3つのモードはS/H|MOD|OCTスイッチで選択し、SENSノブでモードごとのエンベロープ機能の感度を設定する。
各モードの特徴は次のとおり。
S/H | サンプル&ホールド。ディレイの前にシーケンサー風のフィルターを追加する。優しく弾くと繊細な効果に、激しく弾くとハッキリとした効果になる。 |
MOD | モジュレーション。テープ・エコーのように揺れる効果が得られる。繊細な揺れから激しいピッチベンドまで様々な効果が出せる。 |
OCT | オクターブ。音の減衰に合わせてハイ・オクターブをブレンドし、“霞んだ夜空に輝く小さな星”のような、ユニークで煌びやかなテクスチャーを作り出す。 |
3. 全体用コントロール
中央の一番大きなノブと、その右横のスイッチは全体のコントロール用だ。

EXP MODEスイッチ(中央のノブ)は別売のエクスプレッション・ペダルでコントロールする項目を決めるためのもの。
筐体のイラストはEXP MODEスイッチの部分が太陽になっており、スイッチの頭の白い線が指す太陽光(金色の帯)の行き先であるTIME、REPEATS、SENS(DLY)、SENS(RVB)、DAMP、DECAYのいずれかが、エクスプレッション・ペダルで操作する対象になる。
ORDERスイッチはディレイとリバーブの並び順を選択するもので、RVBを選ぶとディレイ→リバーブの順になり、DLYを選ぶと リバーブ→ディレイの順になる。
筐体上に見られるコントロールと端子は以上のとおりだが、本機の内部にはリバーブ/ディレイの入力と出力それぞれのバイパス・モードを切り替える2つのDIPスイッチも装備されている。
なお、Cirrusの公式ページには“本機を使えば大空の雲を漂うような幻想的な体験ができるでしょう。ただし、何時間もその素晴らしい美しさに夢中になりすぎには注意が必要かもしれません”と書かれている。たしかに本機の操作と多彩なサウンドに没頭し、つい時間を忘れてしまうこともありそうだ。
サウンドはYouTubeで公開されている動画で確認してみよう。
KMA
Cirrus
【スペック】
寸法:97W × 123D × 60H mm
重量:410g
DC9V電源アダプター(別売:センター・マイナス、2.1mm)
消費電流:約220mA
【価格】
オープンプライス
【問い合わせ】
日本エレクトロ・ハーモニックス https://www.electroharmonix.co.jp