“クラプトン・フェスティヴァル”と題し、エリック・クラプトンが2000年代に残した3つの映像作品が、TOHOシネマズシャンテほか全国の劇場で順次公開される。2026年8月14日からの第一弾は、ブラインド・フェイス時代の盟友=スティーヴ・ウィンウッドとの2008年の競演ライブ『ライヴ・アット・マディソン・スクエア・ガーデン2008』だ。
そして、8月21日には敬愛するロバート・ジョンソンのカバーで構成された2004年収録のスタジオ・ライブ集『セッションズ・フォー・ロバート・ジョンソン2004』が、8月28日には米LAステイプルズ・センターで行なわれた2001年8月のライブ映像『ライヴ・アット・ステイプルズ・センター2001』がそれぞれ公開スタート。
クラプトン・フェスティヴァル公式HP:https://screenthelive.com/ericclapton2026
劇場の音響と大画面で楽しむ前に、ここで各作品のギタリスト注目のポイントをおさらいしておこう。
ライヴ・アット・マディソン・スクエア・ガーデン2008
幻のスーパー・グループ、ブラインド・フェイスで共に音を鳴らしたエリック・クラプトンとスティーヴ・ウィンウッド。2007年のクロスロード・ギター・フェスティバル(CGF)での共演を機に再度急接近した2人は、2008年2月25日〜28日にNYマディソン・スクエア・ガーデンで共同名義のライブを開催した。本作はその模様を収めたものだ。この映像作品が出たあとに共同名義でのツアーも行なわれ、2011年には来日公演も開催された。
本作で注目したいのは、まずは何と言ってもブラインド・フェイス時代の唯一のアルバム『Blind Faith(邦題:スーパー・ジャイアンツ)』からの選曲。ウィンウッド作曲の代表曲「Had To Cry Today(邦題:泣きたい気持ち)」で、2人のユニゾンから幕を開ける胸熱なオープニング。ウィンウッドのレースセンサー・ピックアップを搭載したブルーのストラトキャスターと、クラプトンの自身のシグネチャー・モデルによるソロの掛け合いも聴ける。クラプトン作曲の「Presence Of The Lord」は2007年のCGFでウィンウッドをゲストに呼んでプレイした1曲。ウィンウッドのオルガンに乗せた、ワウをかけたドライブ・サウンドでのハードなギター・ソロには、原曲ファンも拳を上げたくなるだろう。
さらに、ジミ・ヘンドリックスのカバー2曲は、クラプトンがデレク・アンド・ザ・ドミノス『いとしのレイラ』(1970年)でもカバーした「リトル・ウィング」と、ウィンウッドがオリジナル・トラックのレコーディングにオルガンで参加した「ヴードゥー・チャイル」をチョイス。ふたりの縁をつなぐジミ楽曲の存在にも注目したい。
メンバー
- エリック・クラプトン(g, vo)
- スティーヴ・ウィンウッド(g, vo, k)
- ウィリー・ウィークス(b)
- イアン・トーマス(d)
- クリス・ステイントン(k)
セッションズ・フォー・ロバート・ジョンソン2004
エリック・クラプトンが敬愛する伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソン(以下RJ)。本作の映像が撮影された2004年、クラプトンはRJのカバー・アルバム『Me and Mr.Johnson』を発表した。今回の『セッションズ・フォー・ロバート・ジョンソン2004』には、イギリス、テキサス、カリフォルニアと異なる場所で行なわれた、『Me and 〜』には未収録のスタジオ・ライブを収録。さらに、RJからの影響を語った独占インタビューや、貴重なリハーサル風景なども収録したドキュメンタリー作品となっている。
作品前半はバンド・アレンジが中心で、「They’re Red Hot」の冒頭のバンドインを何度かやり直すところなどは、クラプトンのリズムやアンサンブルへのこだわりが垣間見られる貴重なシーンだ。この頃にはクラプトンのツアー・メンバーとなっていたドイル・ブラムホール2世もギターで参加し、「Milkcow’s Dalf Blues」などで、見事なブルース・フィールを感じさせるスライド・プレイを披露する。
また、RJが1937年にレコーディングをしたテキサス州ダラス508パーク・アベニューでは、クラプトンとドイルのデュオで、「Me And The Devil Blues」ほか4曲をプレイ。アコースティック2本で紡ぐスタイルには、“RJがジョニー・シャインズと旅をしていた頃、こんなアレンジで弾いていたのでは?”と思わせるロマンがある。
さらにホテルの一室で行なわれたソロでの弾き語りでは、「Rambling On My Mind」、「Stones In My Passway」、「Love In Vain」を演奏。どれもRJのアレンジに近いプレイで、オリジナルを聴き込んでコピーしたことがうかがえる。こういった原曲への深いリスペクトがあるからこそ、さまざまなアレンジにも説得力が生まれるのだろう。
ロバート・ジョンソンへ心酔したエリック・クラプトンの、いちギター・キッズとしての姿はぜひ一度ご覧いただきたい。
メンバー
- エリック・クラプトン(g,vo)
- ドイル・ブラムホール二世(g)
- ネイザン・イースト(b)
- スティーヴ・ガッド(d)
- ビリー・プレストン(k)
- クリス・ステイントン(k)
ライヴ・アット・ステイプルズ・センター2001
本映像はライブ・アルバム/DVD『ワン・モア・カー、ワン・モア・ライダー〜ベスト・ライヴ』(2002年)としてもリリースされた、2001年8月に米LAステイプル・センターでのライブを収めたもの。
『Reptile』をリリースした頃のツアーで、同作からギブソンL-5による甘いトーンでの表題曲「Reptile」やマーティンのシグネチャー・モデルでの「Got You On My Mind」を披露。さらに、「Tears In Heaven」や「Change the World」、「Badge」、「Wonderful Tonight」、「Layla」などなど、ベスト盤のようなセットリストで、「Over the Rainbow」の名アレンジなども印象的だ。
注目はこの頃から使用され始めた、グラフィック・アートが施されたストラトキャスター。これは、ジョン・“クラッシュ”・メイトスというグラフィティ・アーティストによるペイントで、通称“クラッショキャスター(CRASHOCASTER)”と呼ばれている。このクラッショキャスターが奏でる「Badge」や「Layla」の極上のドライブ・サウンドは、ぜひ映画館の音響で体感したい。
またバックを固めるメンバーは、アンディ・フェアウェザー・ロー(g)、ネイザン・イースト(b)、スティーヴ・ガッド(d)、グレッグ・フィリンゲインズ(k)、ビリー・プレストン(k)、デイヴィッド・サンシャス(k,g)。この時期のツアー・メンバーが記憶に残っているファンも多いだろう。ビリー・プレストンがリード・ボーカルで盛り上げる「Round In Circles」での楽しそうなクラプトンの姿も見逃せない。
メンバー
- エリック・クラプトン(g, vo)
- ネイザン・イースト(b)
- スティーヴ・ガッド(d)
- アンディ・フェアウェザー・ロウ(g)
- グレッグ・フィリンゲインズ(k)
- ビリー・プレストン(k)
- デヴィッド・サンシャス(k, g)
ムビチケ情報
クラプトン・フェスティヴァル3作品共通券
https://ticket.moviewalker.jp/film/Z0000115?from=official
ライヴ・アット・マディソン・スクエア・ガーデン2008
https://ticket.moviewalker.jp/film/045331?from=official
セッションズ・フォー・ロバート・ジョンソン2004
https://ticket.moviewalker.jp/film/093601?from=official
ライヴ・アット・ステイプルズ・センター2001
https://ticket.moviewalker.jp/film/093602?from=official
クラプトン・フェスティヴァル公式HP:https://screenthelive.com/ericclapton2026
