Playing Analysis|フレーズ分析|ジャズ・ブルースのソロに見るソウルフルな味付け Playing Analysis|フレーズ分析|ジャズ・ブルースのソロに見るソウルフルな味付け

Playing Analysis|フレーズ分析|ジャズ・ブルースのソロに見るソウルフルな味付け

名門プレスティッジに残された「Honky Tonk」を素材に、ビリー・バトラー奏法の一端を見てみよう。ちなみに、このソロは事前に作曲された“決めソロ”である。

採譜・解説:久保木靖

名曲「Honky Tonk」で展開される、計算ずくのカッコよさ

 以下は、名門プレスティッジに残された『Guitar Soul!』(1969年)収録の「Honky Tonk」をモチーフ素材にした参考譜例。これをサンプルとして、ビリー・バトラー奏法の一端を見てみよう。譜例はソロの2〜3コーラス目を模したもの。このソロは事前に作曲された“決めソロ”である。

 ①は3連アルペジオの定番ブルース・リック(と言っても、オリジナルはバトラーの1956年のプレイ)。2、3弦をペダル・トーンにして、1弦でコードの変化を表現している。

 ②はコードごとにルートと3rdの6度音程を連結するポリリズミックな3連フレーズ。

 ③はFマイナー・ペンタトニック・スケールにブルーノート(B音)を加えたブルースの常套句だ。

 ④はF7の5thとB♭7の9thであるC音を軸としたダブル・ストップ。トレモロ・ピッキング気味にプレイすることでソウル度がグンと上昇している。

 ⑤はFメジャー・スケールによるターン・アラウンド・フレーズ。途中、B♭トライアド(IV7)を弾いたり、ハーフ・チョーキングでブルーノートを組み込んだりと、細かく味付けているあたりがニクい!

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