毎週、1人のブルース・ギタリストに焦点を当てて深掘りしていく新連載『ブルース・ギター・ヒーローズ』。今回はB.B.キングが使う定番ギター・フレーズをモチーフにした譜例をご紹介。“ブルース・ギターの常套句”とも呼ばれる、黄金の必殺技をマスターしよう。
文/譜例作成:久保木靖 Photo by Leni Sinclair/Getty Images
Phrase①イントロで登場するメジャー・ペンタ・フレーズ

アウフタクトから1小節3拍目は「Sweet Sixteen」や「Sweet Little Angel」といったスロー・ブルースのイントロでしばしば見られる“B.B.印”の定番フレーズ。
メジャー・ペンタトニック・スケールの1〜2弦のポジション(図1)を使い、5th→6th→Tonic→9thからM3rdへのチョーキングと弾いていく。
“9thからM3rdへのチョーキング”のあとは、譜例のように5th(この場合、G音)へ進むパターンと、Tonic(C音)へ進むパターンがある。
『Live At The Regal』の「Sweet Little Angel」ではTonicと5thの和音を“ジャラ〜ン”とソフトに弾いているのが印象的だ。
Phrase②マイナー・ペンタによる黄金のオブリガート

ボーカルに呼応して挟み込まれるオブリガート。「When My Heart Beats Like A Hammer」を参考にした譜例の1小節2〜3拍目が、[4thから5thへのチョーキング→5th→Tonic→m7th→5th→m7thからTonicへのチョーキング]と、マイナー・ペンタトニックの1〜3弦のポジション(図2)を使った倍テン・フレーズになっている。
「Blind Love」などでも聴かれるだけでなく、オーティス・ラッシュの「I Can’t Quit You Baby」やバディ・ガイの「First Time I Met The Blues」を経由してロックでも流用されまくった黄金フレーズだ。“特許を取っていたら城が建つ”レベル(笑)。