鈴木茂、松原正樹、吉川忠英、細野晴臣らが彩った、ユーミンのギター名演プレイリスト! 鈴木茂、松原正樹、吉川忠英、細野晴臣らが彩った、ユーミンのギター名演プレイリスト!

鈴木茂、松原正樹、吉川忠英、細野晴臣らが彩った、ユーミンのギター名演プレイリスト!

好評をいただいている2022年11月号『ユーミンとギタリスト』。本特集に際し、編集部員がこっそり温め続けていたユーミン・ギター・プレイリストを一気に3つ公開しました! 本誌をめくりながらぜひお楽しみ下さい。

文/選曲=山本諒 写真=山川哲矢

ユーミン・ギター三羽烏(!?)の名演。

2022年11月号の特集『ユーミンとギタリスト』では、鈴木茂、松原正樹、吉川忠英の3人のギタリストを大きな軸に据えて記事を組んでいます。そんな“ユーミン・ギター三羽烏”の素晴らしい演奏を味わってもらうべく、それぞれの名演プレイリストを用意してみました。

鈴木茂とユーミンの絶対性。

まずは荒井由実時代を中心にユーミンの楽曲を鮮烈に彩ったギタリスト、鈴木茂のプレイリスト。松任谷時代に入ってからの「真夏の夜の夢」なども盛り込みました。

鈴木茂のプレイの特徴といえば、なんと言っても「卒業写真」や「やさしさに包まれたなら」のような“耳に残るメロディ作り”。独立したギター・ソロというよりも、ユーミンのメロディに次ぐ“第二の歌”と形容してもよいでしょう。楽曲の一部として溶け込み、聴くものの記憶にこびりつく珠玉の演奏ばかりです。また、「COBALT HOUR」のようなスライド・ギターも鈴木茂の大きな武器ですね。

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ユーミンの名曲に松原正樹あり!

続いては、最も多くのユーミン作品に参加したファーストコール、松原正樹。惜しくも2016年に逝去した松原ですが、『14番目の月』(76年)から2000年代の作品まで、28作ものアルバムでその豊かなギター・プレイを披露しています。もはや普通のベスト・アルバムのような選曲になりましたが、松原がいかに重要な存在だったかの証左でしょう。

スタイル面での特徴と言うと、まずは70〜90年代の国内スタジオ・ギタリストで随一と言えるバッキング・センス。極上のソウル・フィールでメロウに弾く「中央フリーウェイ」から、あえてフラットなタッチのカッティングでアンセムのように鳴らす「真珠のピアス」まで、七色の伴奏表現でユーミンの世界に華を添えます。その一方で、伸びやかで印象的なリード・プレイもこれまた必聴。「恋人はサンタクロース」のリード・ギターは多くの方が知っているかと思いますが、このキャッチーなセンスもまた一流なのです。

アコギで味わうユーミン佳曲選。

最後はアコースティック・ギター・プレイリスト。日本のアコギ界の巨人、吉川忠英が弾いたものを中心に作成しました。「やさしさに包まれたなら」や「緑の町に舞い降りて」を聴けばわかるように、ユーミンの楽曲においてフォーキーな質感をもたらすアコギの存在はかなり重要です。あと、物憂げでしんみりしてしまうような楽曲もユーミンを語る上ではずせませんが、そんな時にそっと寄り添えるのがアコギという楽器。ユーミン特有の情緒というものと、抜群の相性を発揮するわけです。

プレイリスト後半では、番外編として吉川以外のプレイヤーが弾いたものも選曲。細野晴臣がガット・ギターを奏でる「きっと言える」と「あの日にかえりたい」、瀬戸龍介がリリカルに奏でる「旅立つ秋」も合わせてお楽しみ下さい。

ほかにも、大村憲司がエモーショナルに弾く「翳りゆく部屋」(76年)や、マイケル・ランドウの名演としてユーミン本人もお気に入りの「Carry On」(92年)など多数のギタリストが好演を残していますが、それはまた今度。おそらく最初で最後のユーミン・ギター大特集、ぜひ本誌11月号を手に取って下さいね!

ギター・マガジン2022年11月号
『ユーミンとギタリスト』
2022年10月13日(木)発売