フェンダー初の旗艦店&カフェ、新アパレル・ブランドなどを発表したメディア・イベントをレポート! Chilli Beans.も登場 フェンダー初の旗艦店&カフェ、新アパレル・ブランドなどを発表したメディア・イベントをレポート! Chilli Beans.も登場

フェンダー初の旗艦店&カフェ、新アパレル・ブランドなどを発表したメディア・イベントをレポート! Chilli Beans.も登場

取材/文=福崎敬太

フェンダーにとって世界初となる旗艦店=FENDER FLAGSHIP TOKYOが、2023年6月30日(金)にオープン! それがアナウンスされた5月11日の前日、一足早いプレス向けの発表イベントとして、“FENDER FLAGSHIP TOKYO MEDIA EVENT”が表参道のイベント・スペース=WALL&WALLにて開催された。

また本イベントの最後には、フェンダーが次世代アーティストのサポートを目的としたプログラム=Fender NEXT 2023に選出された3ピース・バンド、Chilli Beans.がライブを披露。

この盛りだくさんなイベントの模様をレポートする前に、まずはそこで発表された内容を簡潔にまとめてご紹介しよう。

  1. 旗艦店FENDER FLAGSHIP TOKYOが6月30日(金)に原宿・表参道に位置する商業ビル“THE ICE CUBES”でオープン
  2. 店舗内には、米カリフォルニアの人気コーヒー・ブランド“VERVE COFFEE ROASTERS”が監修するオリジナル・カフェ=FENDER CAFE powered by VERVE COFFEE ROASTERS”が入る
  3. 旗艦店でも販売される独自のアパレル・ブランド、F IS FOR FENDERが発足
  4. F IS FOR FENDERの春夏コレクションの発表
  5. F IS FOR FENDERのポップアップ・ストアが伊勢丹新宿メンズ館6階にて6月7日(水)から1週間の期間限定でオープン
  6. FENDER FLAGSHIP TOKYOのオープン50日前である5月11日より、世界中のアーティストによるスペシャル動画コンテンツが毎日アップされる企画“FENDER FLAGSHIP TOKYO COUNTDOWN”がスタート

このようにトピックが満載だった、フェンダーの報道向けイベントの内容を詳細にご紹介!

FENDER FLAGSHIP TOKYO MEDIA EVENT看板

フェンダー初の旗艦店、ついにその内容が明らかに!

会場に着くとウェルカム・ドリンクが用意されていた。場内にはタッシュ・サルタナやトム・ミッシュなどの若きフェンダー使いたちの楽曲が流れている。本日発表になるというアパレル・ブランド“F IS FOR FENDER”の展示を見ながら、イベントのスタートを待つ。

イベントはフェンダーミュージック株式会社の代表取締役社長/アジアパシフィック統括、エドワード・コール氏によるプレゼンテーションからスタート。

フェンダーミュージック株式会社 代表取締役社長 アジアパシフィック統括、エドワード・コール氏
フェンダーミュージック株式会社 代表取締役社長 アジアパシフィック統括、エドワード・コール氏

2022年度も2桁成長を記録したという業績に触れつつ、さらなる飛躍を求めて世界初の旗艦店として“FENDER FLAGSHIP TOKYO”をオープンすることを宣言。店舗外観のイメージ図をスクリーンに映し出した。

FENDER FLAGSHIP TOKYOの外観イメージ
FENDER FLAGSHIP TOKYOの外観イメージ

ロケーションは原宿・表参道、商業ビル“THE ICE CUBES”の地下1階から地上3階の全4フロアで展開される。オープン日は2023年6月30日(金)とのこと。

また、この“FENDER FLAGSHIP TOKYO”を、日本最先端のトレンド発信地である表参道エリアに構えることについて、エドワード氏はこう語った。

1980年代、エルメスやシャネル、バーバリーなどが百貨店を飛び出しハイ・ストリートに店舗を構え、成長を遂げました。また、ナイキやアディダスもデパートやスポーツ用品店からハイ・ストリートに進出して、成功を収めています。近年ではアップルの成功も記憶に新しいですね。

これらと同様に、フェンダーにとっても日本のハイ・ストリートへの進出が必要なのです。

そして、プロ・ミュージシャン、ギター・コレクター、ビギナーだけでなく、“プレイヤーではない音楽好き”のニーズにも応えられる店づくりについて語られる。そのための店舗デザインを担うのは、星野リゾートや代官山T-SITE/蔦屋書店などを手掛ける“クライン ダイサム アーキテクツ(KDa)”だという。

店舗のイメージとして、次の画像が紹介された。

エドワード氏によるプレゼンテーションの最後の話題として、5月11日よりFENDER FLAGSHIP TOKYOのオープン日までのカウントダウン企画、“FENDER FLAGSHIP TOKYO COUNTDOWN”がSNS上で展開されることが告げられた。フェンダーにゆかりのある豪華アーティストたちによるスペシャル動画が毎日公開されているので、ぜひチェックを!

“FENDER FLAGSHIP TOKYO COUNTDOWN”キャンペーン画像

フェンダーが展開するアパレル・ブランド!?

続いて、フェンダーが新たに展開するアパレル・ブランド=“F IS FOR FENDER”について、同ブランドを手掛けるZENSE株式会社の高橋一平氏よりプレゼンテーションがあった。

ZENSE株式会社の高橋一平氏
“F IS FOR FENDER”を手掛けるZENSE株式会社の高橋一平氏

F IS FOR FENDERは、ロックTシャツやロゴTシャツなど、楽器ブランドのアパレルとしてイメージされるようなものではなく、4シーズンを意識した純粋なアパレル・ブランドとして動くという。また、“高品質、日本製、少量生産”という3点を意識した商品展開について、そして世界中の“音楽好き”という顧客ターゲットについて語られた。

ブランドのキーワードとしては以下の10点を挙げた。

  • Genreless(ジャンルレス)
  • Genderless(ジェンダーレス)
  • Borderless(ボーダーレス)
  • Minimal(ミニマル)
  • Urban Street(アーバン・ストリート)

  • Classic is Modern(クラシック・イズ・モダン)
  • Outdoor(アウトドア)
  • Performance(パフォーマンス)
  • Craftmanship(クラフトマンシップ)
  • Sustainable(サステナブル)

そして最後に、F IS FOR FENDERの商品がいち早くチェックできる、ポップアップ・ストアについて紹介。6月7日(水)から1週間、伊勢丹新宿メンズ館6階にて、“Preview Popup Store”が開催される。プレイヤーでなくてもおしゃれに着こなせるラインナップを、ぜひその目で確認してみてほしい。

高橋氏のプレゼンテーションに続き、F IS FOR FENDERのクリエイティブ・ディレクターを務める島津由行氏と、ラジオDJ/ライターのジョー横溝氏による、“音楽とファッション”というテーマのトーク・セッションへ。

ジョー横溝氏(左)と島津由行氏(右)
ジョー横溝氏(左)と島津由行氏(右)。

島津氏からは、レオ・フェンダーの歴史を本などで読んでいたこと、1974年にアメリカへ渡りグレイトフル・デッドなどをファッション・カルチャーも含めて好きになっていったこと、楽器店でストラトキャスターをいつも眺めていたが、ある日売れてなくなってしまいショックを受けたことなど、フェンダーに関する思い出が語られる。

横溝氏からF IS FOR FENDERについて、“良い意味で裏切られました。ロックTやフェスに着ていくだけじゃないデザインですよね”という言葉があると、島津氏は“嬉しいです。最初はかなり悩みました”と答え、デザインの方向性についての試行錯誤について回想した。

楽器が弾けなかったレオ・フェンダーが流線型のデザインを生み出したことをヒントに、一度音楽から離れてデザインを考えたそう。フェンダーのフロンティア・スピリットを抜き出し、モダンに仕立て上げたということだ。ここでは、日本製のこだわりや、高品質な素材選びなどについても言及され、最後には“レオ・フェンダーが好きそうなブランドにしたい”という展望も語ってくれた。

ちなみにイベント会場では、こちらも新たに発表された米カリフォルニアの人気コーヒー・ブランド=“VERVE COFFEE ROASTERS”が監修するFENDER CAFEのコーヒーが振る舞われた。実際に飲んでみたが、味は程よい酸味と爽やかな苦味が……と、グルメ・レポはご勘弁(美味しかったです!!)。

FENDER CAFE powered by VERVE COFFEE ROASTERSの試飲ブース
FENDER CAFE powered by VERVE COFFEE ROASTERSの試飲ブース

Fender NEXT 2023に選出されたChilli Beans.のライブ

イベントのクローザーは、Fender NEXT 2023に選出された女性3人組バンド=Chilli Beans.。自身でチョイスしたというF IS FOR FENDERの服で着飾った、Moto(vo)、Maika(b,vo)、Lily(g,vo)の3名がステージに上がる。

Chilli Beans.。左からLily(g,vo)、Moto(vo)、Maika(b,vo)
Chilli Beans.。左からLily(g,vo)、Moto(vo)、Maika(b,vo)。

LilyはAmerican Deluxe Ash StratocasterとTwin Reverbを使用。フロント・ピックアップを使った甘く太い単音リフがグルーヴする、ミディアム・ナンバー「See C Love」からスタート。リア・ピックアップに切り替え、歪んだオクターブ・オブリで盛り上げていく。続いて「rose feat. Vaundy」へ。ワウをかけた単音カッティングで会場からも歓声があがる。

高音アルペジオによるイントロから始まる「Vacance」では、歌裏のストロークでもストラトらしい煌びやかな音を奏で、「Tremolo」では小気味良いカッティング・オブリとコンパクトでキャッチーなソロも披露。ラストは空間系エフェクトを使った演出が見事な「シェキララ」で締めくくった。

Lily
Lily

パフォーマンス後のインタビューでは、フェンダーとの出会いについて語ってくれた。Lilyはバンドを始めてからすぐにその存在を知ったようで、ジョン・メイヤーやジョン・フルシアンテ、ジミ・ヘンドリックスなどの好きなアーティストが使用していたことで、意識するようになったそうだ。

プレス向きのイベントとはいえエンターテインメント性が全開の演出、さすがはフェンダー。そんな彼らが満を持して展開する、世界初の試みから目が離せない。

FenderNews|フェンダー世界初の旗艦店「FENDER FLAGSHIP TOKYO」2023年6月30日(金)にオープン決定
https://fendernews.jp/05112023-fender-flagship-tokyo/