エリック・クラプトンの新たなアコギ、2024年製マーティンOM-45の詳細 エリック・クラプトンの新たなアコギ、2024年製マーティンOM-45の詳細

エリック・クラプトンの新たなアコギ、2024年製マーティンOM-45の詳細

エリック・クラプトンがロンドン公演(2024年5月)のステージで使用した機材を現地レポート! ここでは、エリックがメインで使用したマーティンのアコースティック・ギター、OM-45を解説しよう。ギター・テックのダン・ディアンリーの証言も交えてご紹介。

取材・文=和田玄 撮影=亀井紘夫 協力=ダン・ディアンリー(https://www.dandguitars.com/)、前むつみ

ロンドン公演が開催された2024年5月、ロイヤル・アルバート・ホールでのステージにて。(撮影=亀井紘夫)
ロンドン公演が開催された2024年5月、ロイヤル・アルバート・ホールでのステージにて。(撮影=亀井紘夫)

2024 Martin
OM-45

2024 Martin
OM-45

コンタクト・タイプのピックアップを搭載した1本

エリックが『Unplugged』(1992年)で使用した1939年製の000-42の影響から、000サイズのギターはマーティンの主力商品となった。1995年にマーティン初のシグネチャー・モデルとしてリリースされた000-42EC以降、実に多くのECシグネチャー・モデルが製作・販売されてきた。

そして、エリックは数多のシグネチャー・モデルの中で、最もシンプルな仕様である000-28ECを長年にわたって主力として使用してきたのは周知のとおり。しかし、2024年のヨーロッパ・ツアーでは、納品されたばかりという真新しいOM-45を手にしていた。

まったく着色されていないアディロンダック・スプルース・トップが印象的で、サイドとバックにはマダガスカル・ローズウッドが採用されたマーティンの最上位機種の1つ。指板にエリックのサインは入れられていないので、シグネチャーという扱いではないようだ。

装飾はビンテージの45スタイルに則っているが、ブリッジはショート・サドルというのがエリックの拘りだろうか。ペグには上位機種に採用されることが多いWaverlyではなくGroverのオープン・バックが採用されている。

Schertler製のP-48

そして今回、目を引いたのは、トップに貼り付けられたコンタクト・タイプのピックアップ。Schertler製のP-48であり、BAEのプリアンプを通じてアウトプットされていた。

これまで000-28EC始め、多くのギターにアンダー・ブリッジ・タイプのピエゾを使っていたのに、なぜ今回コンタクト・タイプに変えたのかギター・テックのダン・ディアンリーに聞いたところ、“エリックはこのギターをいたく気に入っていて、ピックアップをインストールするために手を加えたくなかった”、というのが理由だそうだ。

ダン・ディアンリー
ギター・テックのダン・ディアンリー。

残念ながら今回の取材では見ることができなかったが、エリックはピック・ガードやスケール以外はほぼ同じ仕様の000-45もスタンバイさせていて、こちらも同じ理由からSchertlerのピックアップが装着されているそうだ。

Tag:
Artist Gear
Eric Clapton
Martin