リード・ギターもリズム・ギター | ギター上達100の裏ワザ：058

　裏ワザ057で示した“音は出して、伸ばして、止める”ということから言えば、“リード・ギターもリズム・ギターである”という考え方も大切です。乗ることを軽視すると、音の止めどころがカッコ良くならないのです。

　また休符の時間も、リズムに乗っていないといけません。休符を“引く”瞬間ととらえれば、重要なのは“弾く”と“引く”をコントロールできること──これができる人が、上手いギタリストだと言えます。

　次の譜例のEx-1は、裏ワザ057の譜例を16分音符にし、ピッキングするタイミング以外をゴースト・ノートにしたものです。こうしたすべての“小さいテンポ”を感じた上で、フレーズを弾くのがリード・ギターと考えれば、自分がトライしたいフレーズの練習の際、どんな練習をするべきかがわかってきます。またEx-2は、正しい音の長さを習得するための練習譜です。

　“リード・ギターもリズム・ギターである”という考えをさらに発展させると、次の譜例Ex-3のように、すべての弦をピッキングしながら、目的の音だけを鳴らすという練習も効果的です。この場合、左手の弦の押さえ方が重要で、目的の弦以外はミュートし、目的の弦だけを押さえていくというテクニックが必要です。

　最初は上手くいかないかもしれませんが、何度もトライしていくと、ファンク・ギターと呼べるカッコ良いカッティング・フレーズが弾けるようになります。

　また、次のEx-4のように空振りを入れてみれば、だんだん“フレーズ”になっていきます。“すべてのフレーズはリズム・ギターである”という感覚を知っておきましょう。コード弾きでは複数の弦をピッキングしますが、リード・ギターとはコード弾きの感覚で1本の弦だけを弾き、音を伸ばしたりしてフレーズとするもの、という概念です。

　ちなみに、Ex-3、4のようなプレイは、ニューオーリンズ、ニューヨークの音楽や、ソウル、リズム&ブルースでよく聴かれるファンク・ギターのカッティングです。そうした音楽のCDを聴くと、このようなカッティングからリード・ギターへと移行していくスタイルを確認できます。リード・ギターを上手く弾くには、リズム・ギターの練習も重要だということを知っておきましょう。

　挙げればキリがありませんが、レイ・パーカーJr.、シック、ネヴィル・ブラザーズ、ミーターズ、アベレージ・ホワイト・バンド、クール＆ザ・ギャング、オーティス・レディングなどのCDがおすすめです。