“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。日本のギタリストだってもちろんカバーしてるんですよ。ということで今回は、“和製クラプトン”こと柳ジョージの名カバーをご紹介しましょう!
文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈
“ハマ”の香りを感じる
ブリティッシュ・ブルース感
1990年代初頭、ロバート・ジョンスンのコンプリートCDが世界的にも売れ、ブルース・ブームの趣に。海外のミュージシャンも、ここぞとばかりにブルース関連のアルバムを作ったもの。
我が国でも、“和製エリック・クラプトン”の呼び声も高かった(本人はデイヴ・メイソンが好きだったようだが)柳ジョージが、『BLUESTORM』というブルース色の濃いアルバムを発表、「ストーミー・マンデイ」を取り上げている。
レコード会社の媒体用資料には“オリジナルのブルース進行ではなく、オールマン・ブラザーズ・バンドでおなじみの、いわゆるストマン進行でのプレイ”とあり、“ストマン進行”も一般的な認知を受けたものだと感心(笑)。ただし、ストマン進行のあと、Ⅱmから10小節目にⅤに行かず、Ⅳmへいくドラマチックなアレンジになっているのが胆。
全体のベースはオールマン・ブラザーズ・バンド風のようだが、サステインやタメを効かせた、まさに泣きのギター・スタイルはブリティッシュ・ブルース的感覚が強く、この辺は、60年代からの横浜~本牧勢ならではの匂い。入れる箇所は違うが、3番に、「アイ・キャント・クィット・ユー・ベイビー」の半音上げ仕掛けを効果的に取り入れたりもしている。