ジェイムズ・ブラウンが暗いムードをふっ飛ばす!! ジェイムズ・ブラウンが暗いムードをふっ飛ばす!!

ジェイムズ・ブラウンが
暗いムードをふっ飛ばす!!

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。2021年一発目にお届けしたいのは、この暗いムードをぶち破ってくれるファンキー・プレジデント! そう、ジェイムズ・ブラウンの「ストマン」です! ギターはチャーリー・ブラウン&ジョー・ベックという手練れふたり。ファンキー・マンデーをお楽しみ下さい!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


シンプルで力強い
JB流のファンキー・“ストマン”!

ゲロッパ! ファンクの帝王ジェイムズ・ブラウン(JB)と「ストーミー・マンデイ」。意外な組み合わせ? しかし、JBのルーツにブルースがあったのは、公然たる事実。JB自身は、古臭いブルース嫌いを公言していたが、Tボーン・ウォーカー版にしろ、ボビー・ブランド版にしろ、スマートでモダンなものなので、その眼鏡にも適ったのだろう。

JBは、74年の『Hell』で同曲をカバー。社会的なメッセージも込めたLP2枚組の力作ながら、当時流行っていた『燃えよドラゴン』などのカンフーものを意識したのか、曲間に“ドシャ~ン”と銅鑼の音が鳴るのが珍味。

当時、ノリに乗っていたJBだけに、さぞカッコいいファンク・ブルースに、というのは期待し過ぎ。ストマン進行ではなく、9〜10小節目をⅢ♭・Ⅳとしたり、間奏部分で転調したりとひと展開加えたりしているが、全体はワカチャコワカチャコとギター・カッティングも活躍する、ディスコ調。

間奏のホーン・アレンジなどもゴージャスだが、ビッグ・バンド的でちょっと古くさい。しかし、その音に乗り、月曜だ、仕事行かなきゃと呟くJB。ディスコの影に潜む生活感。映画『サタデイ・ナイト・フィーバー』に先んじた世界観だ。