2024年11月29日(金)に新代田FEVERで開催されたギター・マガジン主催のライブ・イベント、『TIME TO FUZZ』。記念すべき第1回目は、THE BOHEMIANSとおとぎ話の2マン・ライブとなった。本公演で、おとぎ話の牛尾健太(g)が使用した機材を解説しよう。
取材・文=小林弘昂 機材撮影=小原啓樹
Ushio’s Guitar
2010 Gibson Custom
Historic Collection SG Standard Reissue
絶対的なメイン・ギター
この日のライブも、牛尾が使用したギターはこのSGスタンダードのみ。2013年頃に知人から譲ってもらったという、2010年製Historic Collectionの1本だ。ピックアップ・ポジションは基本的にリアで、楽曲によってフロントやミックスに切り替える。ギターのトーン・ノブを4〜5程度まで絞り、アンプ側でハイを出しているのが牛尾の音作りの特徴である。弦はErnie BallのRegular Slinky(.010〜.046)
Ushio’s Amplifiers
・Fender / Blues Deluxe Reissue(Left)
・Fender / Hot Rod DeVille 212(Right)
小音量ながら広がりのあるサウンドを生む2台のアンプ
ライブでのアンプは、Blues Deluxe Reissue(左)とHot Rod DeVille 212(右)の2台。どちらもクリーン・サウンドに設定し、同時に鳴らしている。
Blues Deluxe ReissueはINPUT 1を使用。各ノブはVOLUMEが2、DRIVEが1(つまりゼロ)、TREBLEが1、BASSが5過ぎ、MIDDLEが5、MASTRが1、REVERBが2.5、PRESENCEが1にセッティングされていた。
Hot Rod DeVille 212もINPUT 1を使用。各ノブは、VOLUMEが1.5、DRIVEが1以下、TREBLEが4、BASSが4、MIDDLEが4で、REVERBとPRESENCEは1(ゼロ位置)にセッティング。
ちなみにアンプの上に乗ってるRadialのProD2(DI)は風間洋隆(b)の使用機材。
Ushio’s Pedalboard
ボードの小型化に成功
【Pedal List】
①BOSS / FV-500H(ボリューム・ペダル)
②Xotic / EP Booster(ブースター)
③BOSS / VB-2W(ビブラート)
④BOSS / SD-1(オーバードライブ)
⑤ProCo / RAT Ⅱ(ディストーション)
⑥ProCo / RAT Ⅱ(ディストーション)
⑦Electro-Harmonix / Ram’s Head Big Muff Pi(ファズ)
⑧MXR / Micro Amp(ブースター)
⑨Empress Effects / Vintage Modified Superdelay(ディレイ)
⑩Line 6 / DL4(ディレイ)
⑪BOSS / DD-6(ディレイ)
⑫strymon / buleSky V1(リバーブ)
⑬BOSS / TU-3(チューナー)
⑭VITAL AUDIO / POWER CARRIER VA-08 Mk-Ⅱ(パワーサプライ)
以前はボード2枚だったが、1枚に絞られた牛尾の足下。“あんまり使わないペダルをはずしてコンパクトにしました”とのこと。ギターからの接続順は①〜⑫の番号どおり。⑫blueSky V1の2つのアウトから2台のアンプに接続。
①FV-500Hは、それまで使用していたErnie Ballのボリューム・ペダルの紐が何度も切れてしまったことから導入。特に違和感はなく、使いやすいそうだ。
②EP Boosterはノブをゼロにして常時オンにしている。こうすることでバンドの中で抜けの良いサウンドになるとのこと。
③VB-2Wは「正義の味方」のBメロで踏んでいた。
メインの歪みは⑤RAT Ⅱ。DISTORTIONノブを9時手前に設定したクランチ・ペダルとして、ライブ中はほとんど常時オンにしている。以前までのメインの歪みだった④SD-1はゲイン・ブースターとして役割をチェンジ。「恋は水色」のバッキングは④SD-1と⑤RAT Ⅱを同時に踏んでいる。
⑥RAT ⅡはDISTORTIONノブを10時まで上げており、「光の涙」などの強い歪みが欲しい楽曲では本機を使用する。
⑦Ram’s Head Big Muff Piは今年導入されたもので、「恋は水色」のイントロや「COSMOS」のラストなど、サステインが必要な単音フレーズやギター・ソロ用。ソロでは後段の⑧Micro Ampも同時にオンにして音量を稼いでいる。
⑨Vintage Modified Superdelayはtapeモードの薄いショート・ディレイをプリセットし、ライブ中はほとんどかけっぱなしにしているが、「I♡PIG」や「きゅーと研究会」ではオフに。
⑮DL4には3つのディレイをプリセットしており、AにはANALOG ECHOモードの薄いショート・ディレイを、BにはANALOG ECHOモードの薄いロング・ディレイを、CにはREVERSEモードをアサイン。「COSMOS」のイントロは本機のルーパー機能によるものだ。
⑯DD-6はWARPモードに固定し、「美」のイントロや「繊細」のソロでWARPのサウンドを活用したほか、ギター・ソロなどでも奥行きを出すディレイとして度々踏んでいた。また、「COSMOS」では⑨Vintage Modified Superdelayと同時にオンにしている、
⑰blueSky V1はspringタイプ/normモードに設定し、この日は「ネオンBOYS」、「I♡PIG」、「きゅーと研究会」以外の楽曲ではすべてオンに。FAVORITEスイッチにはplateタイプと/modモードで、MIXとDECAYを高めにセッティングしたリバーブをプリセットしている。
TIME TO FUZZ
THE BOHEMIANS
【Setlist】
01. bohemian boy
02. Jagger/Richards
03. the earnest
04. マシンガン
05. 黄昏のマジックメロディー
06. the fanfare
07. 明るい村
08. THE LENS
09. the reasons
10. male bee, on a sunny day. well well well well!
11. GIRLS(ボーイズ)
12. THE ROBELETS
おとぎ話
【Setlist】
01. 恋は水色
02. ネオンBOYS
03. 美
04. I♡PIG
05. きゅーと研究会
06. DEAR
07. 繊細
08. です愛
09. Boys don’t cry
10. 正義の味方
11. 光の涙
12. COSMOS
-Encore-
13. SMILE(with 平田ぱんだ、ビートりょう、ギタマガ小林)