ギター初心者におくる、ギター・エフェクターの基礎知識100連発! 意外と知らない、今さら聞けない、そんな時のペダル辞典としてもご活用あれ!
文=今西勇仁(Limetone Audio)
第43回:真空管アンプって何ですか?
まず、アンプとは入力された音を”増幅”して大きい音にし、それをスピーカーに渡すという役割を担っています。真空管アンプとは、この”増幅”を真空管で行なっているアンプのこと指します。
少しだけ歴史に触れておくと、真空管は1900年代前半に誕生し、様々な電子機器に利用されていました。その後、1940年代後半にトランジスタが誕生しました。トランジスタは真空管と同じく信号の増幅が可能であるにも関わらず、真空管のように高温になることもなく、小型かつ丈夫であったため、電子機器は次々とトランジスタを使用した回路に変更されていきました。
しかしながら、楽器用のアンプはすべてトランジスタに置き換わることはありませんでした。楽器用のアンプの回路を通っているものは”音”です。同じように増幅できたとしても、真空管アンプとトランジスタ・アンプでは音が違ったんですよね。真空管ならではの温かみが、みんなが愛したアンプ・サウンドであり、トランジスタ・アンプでは比較的その温かみのようなものが生まれないため、今でも真空管を使用したアンプが主流になっています(身近なところでいうと、Roland JC-120はトランジスタ・アンプになります)。
スマートフォンのように回路がどんどん小型化していっている中で、1990年前半に生まれた、消費電力が大きく、寿命が短く、コストがかかり、振動にも弱く、小型化できない真空管が今でも現役で使われているというのは奇跡に近い状態で、それだけ真空管で増幅された音が楽器や音楽との相性が良いという証拠なのだと思います。


著者プロフィール
今西勇仁(いまにし・ゆうじん)
ギタリスト/サウンド・エンジニア。エフェクター・ブランド、Limetone Audioのサウンド・デザイナー。 “サンレコ・ミックス・ダウン・コンテスト2006”に入賞し、その後多くのミュージシャンの楽曲のミックスを手がける。また、自身もギタリストとして、アーティストのサポート活動や、レコーディングに参加。並行してプロミュージシャン向けの機材の開発、モディファイを行なう。 2017年に開催された、“第4回エフェクタービルダーズ・コンテスト”(主催:TOKYO EFFECTOR)での優勝を機にLimetone Audioを設立。プレイヤー目線での商品開発、設計を行ない、現在多くのプロの現場で使用されている。各種製品は全国の楽器店で販売中。 2020年よりYouTubeチャンネルをスタート。メーカーの枠にとらわれずに、エフェクターや機材の楽しみ方を皆さまにお伝えします。
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