MONOEYESが結成10周年を記念し、2025年9月3日(水)に5年ぶりとなる4thアルバム『Running Through the Fire』をリリースした。本記事では戸高賢史(g)がMONOEYESで使用する2本のギターを、本人の解説と共にご紹介しよう。
文=小林弘昂 機材撮影=小原啓樹
Todaka’s Guitars
Sago New Material Guitars
Classic Style JM Custom
Toddy JM #002
リフィニッシュで生まれ変わったメイン
現在のMONOEYESでの戸高のメインは、『Between the Black and Gray』(2020年)のレコーディング中に完成したSago New Material GuitarsのJMタイプ。今作『Running Through the Fire』のレコーディングでシングルコイルのサウンドを多用したため、久しぶりに引っ張り出してきたとのこと。
もともとはフィエスタ・レッドのようなボディ・カラーだったのだが、戸高は“ちょっと派手すぎだな……”と思い、フェンダーカスタムショップで勤務経験のあるSago New Material Guitarsのスタッフにエイジド・リフィニッシュを依頼。
ピックアップはSuhrのThornbucker(フロント)とThornbucker+(リア)を搭載している。歪ませる際はリア、クリーンやクランチの際はミックス・ポジションを選択。あまり使用しないそうだが、リア・ピックアップはトーン・ノブを引っ張ることでコイル・タップが可能になっている。
弦はSIT StringsのS1046 LIGHT(.010〜.046)で、チューニングはレギュラー。戸高はかなり低めの弦高が好みで、極限まで弦のテンションをゆるめている。ギター・テック曰く、“ハイ・フレットでのアルペジオが多いからか、「もっと低くしたい、ゆるくしたい」と言われます”とのことで、弦高を下げるためブリッジの位置にあるピックガードを削り、さらにブリッジを下げれるようにしているという。
Gibson Custom Shop
Murphy Lab
SG Standard 1961 Reissue
Murphy Labで製作された戸高のオーダー品
生形真一(ELLEGAEDEN/Nothing’s Carved In Stone)からギブソンのスタッフを紹介してもらい、Murphy Labにオーダーして2024年2月に完成した61年リイシューのSGスタンダード。本器をメインで使用していた時期もあったが、現在はサブとしてスタンバイ。
シカゴの楽器店、“Chicago Music Exchange”がギブソンにオーダーしたSGを戸高がネットで見つけ、スペックはそのSGと同じものにしているとのこと。完成後、ネックが太く感じたため、シェイプが変わるほどガッツリ削られた。
ピックアップはフロントにLollar PickupsのImperial Humbucker Standard、リアにSeymour DuncanのSaturday Night Specialを搭載。
本器の弦高もかなり低くセッティングされており、プレーン弦を裏通しにしてテンションをゆるめている。
Picks

MASTER 8 JAPANから発売されている戸高のシグネチャー・ピック、TODDY1-088。厚さは0.88mm。INFINIX-Uという素材を採用したモデルだ。MONOEYESの「Bygone」の歌詞がプリントされている。
Interview
ハムバッカーが載っているんですけど、
不思議と少しジャズマスターっぽい音がしますね。
戸高さんのMONOEYESでのメイン・ギターはSagoのJMタイプなんですね。
はい。今回のアルバムのレコーディングでけっこうシングルコイルの音を使ったので、今まで使ってたSagoのJMタイプを久しぶりに引っ張り出してみました。でも、ほぼピンク色に近いフィエスタ・レッドみたいな色で、“このままは嫌だな……”と(笑)。そしたら、フェンダーカスタムショップで塗装やレリック加工とかを担当していた人がSagoに入社してきたということで、“塗り直してくれませんか?”とお願いして、最近リフィニッシュしてもらいました。ピックアップとかも全部変えて、今はメインで使っていますね。
気に入っている点は?
音のスピードが速いところと、クリーンがしっかり出るところです。このギターはシェイプがJMなのにハムバッカーが載っているんですけど、不思議と少しジャズマスターっぽい、フェンダーっぽい音がしますね。
SGスタンダードはMurphy Labにオーダーで製作してもらった1本だと聞きました。
そうです。1本欲しいなと思って、ギブソンの方をウブ(生形真一)さんに紹介していただいて、Murphy Labで作ってくれました。これは何色になるんだろう? サーフ・グリーンみたいな感じの色なんですけど。
カラーやパーツにもこだわったんですか?
“Chicago Music Exchange”という楽器店がギブソンにオーダーしたSGをネットで見つけて、それとほぼ同じ仕様にしてもらっています。基本的に61年のレス・ポール時期の仕様ですかね。そしてゴールド・パーツが載っています。










