MONOEYESが結成10周年を記念し、2025年9月3日(水)に5年ぶりとなる4thアルバム『Running Through the Fire』をリリースした。本記事では細美武士(vo,g)がライブで使用するアンプを、本人の解説と共にご紹介しよう。
文=小林弘昂 機材撮影=小原啓樹
Hosomi’s Amplifier
Friedman Amplification / BE-100 Deluxe & Marshall / 1960A
理想のレンジとゲイン感とあわせ持つハイゲイン・アンプ
細美のメイン・アンプは、それまで愛用していたDiezelのHerbert MKⅠに代わって導入された、FriedmanのBE-100 Deluxe。2023年に開催されたELLEGARDEN『The End of Yesterday』(2022年)のツアーから使用している。キャビネットはJCM800シリーズの1960A。
Diezel Herbert MKⅠのサウンドはバンドの中に混ざると奥まってしまうという理由からアンプ・ヘッドを変えることになり、本人曰く“もう少しコード感が出せて、シンバルと歌と戸高よりは下にいて、でもベースとドラムのキックよりは上の位置で、ゴリッと出せて……あとはそこまでハイゲインじゃなくて、凄く良い改造マーシャルみたいなイメージのアンプを探していた”とのこと。

BE-100 Deluxeは100W出力の完全独立3ch仕様で、細美はクリーン、メインの歪み、ブーストの歪みをフレーズごとに使い分けている。チャンネルの切り替えはギター・テックが行なっている。
Others
BE-100 Deluxeの上にはAudio-TechnicaのATW-R3210(ワイヤレス受信機)が置かれていた。ギターの信号はワイヤレスを経由し、ペダルボードを通ってアンプにインプット。
センド/リターンにはstrymonのBigSky(リバーブ)が接続されており、「Nothing」や「The Unforgettables」などでギター・テックがオンにしている。モードはSHIMMERをセレクト。
Interview
Friedmanに変えたら
一発で解決しました。
アンプがDiezelのHerbert MKⅠからFriedmanのBE-100 Deluxeに変わりましたね。
Diezelの音も凄く好きなんですけど、どっちかというと単体で聴いてる時のほうが好きで。バンドに混ざると溶け込んじゃうっていうか、奥まっちゃうんですよね。3ピースのバンドとかではいいんでしょうけど、ELLEGARDENやMONOEYESでサイド・ギターの役割をするにはちょっと足りない感じで……。
もう少しコード感が出せて、シンバルと歌と戸高よりは下にいて、でもベースとドラムのキックよりは上の位置で、ゴリッと出せて……あとはそこまでハイゲインじゃなくて、凄く良い改造マーシャルみたいなイメージのアンプを探して、Friedmanに行き着いたという感じです。
いつ頃変えたのでしょうか?
ELLEGARDENの『The End of Yesterday』のツアー(2023年)からかな。そのあと『Get it Get it Go! SUMMER PARTY 2023』っていう大規模会場のツアーをやったんですよね。最後がZOZOマリンスタジアムだったんですけど、その時にELLEGARDENの出音をもう1回見つめ直そうとなって、けっこう細かくやったんですよ。スタジオ・リハの時、PAさんに“外音ではこう聴こえてほしい”という音にミックスしてもらって、それを1曲やるごとに聴いて、各曲のバランスを揃えたりしました。
そうだったんですね。
1曲ずつ“ここの細美のギターはもうちょっと小さくていいです”とか、“ここは大きくていいです”とか、そういうのを0.1dB単位で調整していく作業を延々とやっていたんですけど、“オレのギター、どうやっても抜けないね”という感じになってきて。それでまずはヘッドを変えてみようとなり、Friedmanにしたら一発で解決しました。
アンプのセンド/リターンにstrymonのBigSkyが入っているのが意外でした。
“strymonのBigSkyって何だっけ……?”っていうレベルなんですけど(笑)。オレ、足下にコンパクト・エフェクターを置いて踏み分けられないんですよね。もともとチューナーとボリューム・ペダルだけでやっているんです。
バンド内のオレの仕事は、テクニカルなことよりもエモーショナルな人間力の表現。それと歌に特化していたほうが良くて。コンパクト・エフェクターを踏む時に目線が下に落ちる瞬間が長くなったり、ギターのスイッチングに意識がいって歌から意識が何%か削がれるのは、自分はバンドにとってマイナスだと思っているんですよ。
なので申し訳ないんですが、セットリストの中で1回くらいしか出てこないものなので、シンジ(ギター・テック)にうしろでエフェクターを押してもらうことにしてるんですね。エフェクターが足下にあって踏み間違えたりすると、それだけで意識がそっちにいっちゃったりするんです。







