IKマルチメディアのTONEXシリーズに、AmpliTube由来のエフェクトを搭載したギター・プロセッサーのTONEX Boardが登場。実機のアンプやエフェクターをキャプチャーしたTone Modelが無数に使えるほか、充実の入出力端子やタッチ・ディスプレイによる使いやすいユーザー・インターフェースが、ギタリストの様々なニーズに対応してくれる。今回は試奏者にTONEX Pedalのユーザーである関口シンゴを招き、その実力に迫っていこう。
動画/録音=川村健司 取材/文=井戸沼尚也 写真=星野俊
Presented by Hook Up, Inc. 製品に関するお問い合わせはフックアップ(https://hookup.co.jp)まで。
TONEX Board meets 関口シンゴ
IK Multimedia/TONEX Board

練習、制作、ライブのすべてをカバーする最先端のオール・イン・ワン・プロセッサー
TONEX Boardは、実機をキャプチャーした精緻なクローン・サウンドのTone Modelを2000種内蔵し、AmpliTube/TONEXで定評のあるモデリング・エフェクトを統合した、ギター/ベース用プロセッサーのフラッグシップ・モデル。
Tone Modelは2台のアンプを含む最大4種を2系統のシグナル・パスで同時に使用でき、エフェクトと合わせて最大12個を組み合わせた複雑なルーティングにも対応する。プリセットも230以上収録され、ステレオFXループ、MIDI、エクスプレッション・ペダル端子、2系統のステレオ出力、4ケーブル・メソッドなど接続性も優れており、どんなシチュエーションでも即戦力となってくれる。5インチのタッチ・ディスプレイと4つのフット・スイッチ、そして[Preset]/[Scene]/[Stomp]の3つの操作モードにより、シーンに合わせて使いやすい設定を選ぶことができる。
TONEX Boardの注目ポイント4
AmpliTube由来の高品質なエフェクトを搭載

20年以上の歴史を持つAmpliTube直系の高品位なモデリング・エフェクト(空間系/モジュレーション/ダイナミクス等)を70種以上搭載し、12スロットで使用できる。例えば、アンプや歪みペダルはTone Modelを使用し、空間系などはエフェクトを使えば、ペダルを買い足すことなく本器のみで完結できる。
4つのTone Modelが同時使用可能

世界中のアーティストやユーザーが作成したTone Modelが、同時に4つまで使用できる高い処理能力を持つ。歪み+アンプの出力を2系統分準備できるほか、アンプの前段にキャプチャーされた歪み3台の重ねがけなども可能だ。さらにToneNET(上画像)を使えば、6万種以上(記事執筆時点)のTone Modelがその選択肢となる。
大型タッチ・ディスプレイによる直感的な操作感

5インチのタッチ・ディスプレイの表示モードは、選択中のプリセットが一目でわかる[Home]と、シグナル・チェインの構築/編集を行なう[Edit]、演奏中に必要な情報を表示する[Live]の3種を用意。さらに操作モードも、プリセット切り替え[Preset]、同一プリセット内の設定変更[Scene]、個々のエフェクトのON/OFF[Stomp]で切り替えられるため、シチュエーションごとに最適な操作画面を作ることができる。
充実の入出力と独立2系統による自由さ

充実の入出力と完全独立2系統のカバーによる、自由度の高いルーティングも特徴だ。例えば、Tone Modelのビンテージ・アンプのあとで信号を2系統に分け、片方だけに空間系をかけてウェット/ドライでパラレル出力が可能。ほかにもギター2本の同時出力や、ギターとベースの同時出力など、アイディア次第で多彩な使い方ができる。
接続セッティング例3選
ここでは無数に考えられるTONEX Boardのセッティング・パターンから、3例をピックアップして関口シンゴのコメントと共に紹介する。

ライブでの安定したクオリティを実現するライン出し
最初はシンプルに、TONEX BoardにつないでPAに送り、モニター・スピーカーから自分の音を聴く形です。実機のギター・アンプは使わないのですが、Tone Modelのアンプがめちゃくちゃいいんですよ。真空管アンプで弾いているような張りのある音がして、強く弾いた時と弱く弾いた時、それぞれピッキングに追従して表情が変化する感じが心地よいですね。少し歪ませた時には音圧もあるし、歪みが立体的ですね。

アンプ2台の分厚いサウンドをステレオで出力!
TONEX Boardの凄いところは、独立した2系統の回線を使えるので、Tone Modelのアンプを2台使ってステレオでPAに送ることができるんです。さらに、系統の違う2種類のアンプを使って、出力バランスをミックスできるのも面白い。2台のアンプがレンジを補い合って、より立体的な音像を作ることができます。実機のアンプではとてもできないことが簡単にできるので、自分のサウンドの幅が広がりますよ!

独立2系統で実現する“挿しっぱなし”宅録
TONEX Boardならではの完全独立2回線は、宅録にも便利なんです。例えば、シングルコイルとハムバッカーのギターで、それぞれ最適なアンプやエフェクトを選んで回線を分けてつないでおけば、ギターを持ち替えてそのまま録音を続けられます。アコギとエレキで分けても良いですし、自分でベースもギターも録音するような人はベースとギターで分けてもいいと思います。アイディアを逃さずすぐに録音できるから、オススメです。
関口シンゴに聞く、TONEX Boardの実力
TONEX Boardの基本的な操作感やサウンドをチェックしてくれた関口に、その実力や現場での有用性について語ってもらおう。

右手のタッチもしっかりと表現できる
今回はTONEXシリーズの最新モデル、TONEX Boardを楽しく弾かせてもらいました。僕は前からTONEX Pedalを使っているんですけど、めちゃくちゃライン出しの音がいいんですよ。音質はギタリストが一番大事にする部分で、今回のTONEX Boardは、それがさらに進化していると感じました。TONEX Pedalの素晴らしい音は基本的にそのままで、印象としては、システム全体でさらに音質が向上しているとすら感じました。
Tone Modelが同時に4つ使えるし、AmpliTube由来のエフェクトがこれだけ入っているから、好きなものを選んで細かなパラメーターまで作り込んでいけば、完全に自分の思いどおりの音が作れますよ。あと、右手のタッチもしっかりと表現できます。ソフトに弾いた時にタッチについてこないと感じると、プレイ自体も変わってしまうくらい大事な部分ですけど、本当に素晴らしいクオリティだから安心して使えますね。
アンプを持ち込めない現場も何も心配ないです
今の時代はもうライブでもアンプを使わない現場が多いですし、自宅で音楽を作って、DTMで録音するというシチュエーションも多いですよね。こういうアンプで鳴らしているような感覚で、自分の思ったとおりの音を鳴らせる機材があれば、アンプを持ち込めない時でももう何も心配ないなっていうのが、僕にはすごく嬉しいポイントです。
あとは、本当に扱いやすいんですよ。必要最低限のコントロールでちゃんと細かなところまで調整できる仕様になっているし、ディスプレイがスマホを使っているような感覚で使えるのがいいですね。こういう機材を使い慣れている人にはもちろんですけど、そうじゃない人でも、本当に実機のコンパクト・エフェクターを触っているような感覚で使えると思います。
サイズ的にも机にちょうど乗るくらいの大きさだから自宅でも使いやすいし、ライブで使うことを想定した操作モードも搭載されていて、例えば[Scene]モードでは同じプリセット内でも最大3種類のバリエーションを切り替えられますから、これだけでも十分です。よほど大掛かりなライブでなければ、これ1台を持っていけばOKでしょうね。初心者の方でも、これ1台で音作りができて、さらにToneNETでマニアックなアンプやエフェクターと出会うこともできますし、かなり上級でいろんなエフェクター持っているような人でも、独立した2回線を使って面白い音作りができると思います。そういった意味でも、幅広い人にTONEX Boardをオススメしたいですね。
関口シンゴ
せきぐち・しんご◎1982年生まれ、東京都出身。Ovallのギタリストのほか、さまざまなアーティストのサポートやソロ・アーティストとしても活躍。またコンポーザーやプロデューサーとしても、多くのミュージシャンの作品に携わっている。