“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。2度目の登場となるクリス・ファーロウ。今回は英ジャズ・ロックの雄、コロシアムとしてのエントリーです! 名盤『Colosseum Live』での「ストマン」はクリスの持ち曲としての披露でしょう。ギターはクレム・クレムソン。朝からテンション高めでいきましょう!
文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈
アドリブのロックなアプローチが火を吹く
ドラマーのジョン・ハインズマンとサックスのディック・ヘクトール・スミスを中心に、68年に結成されたコロシアム。イギリスのジャズ・ロックの開祖とも言えるバンドだ。70年にボーカリストとしてクリス・ファーロウが加わるなど、少しずつメンバーを変えながら、3枚のスタジオ作を残し、今回紹介するアルバム『Colosseum Live』となった71年のステージをもって解散、第一期が終了する。これは2枚組ながら、全英17位まで上がった。
そもそもハインズマンとスミスがバンドを結成したのは、ジョン・メイオールの『Bare Wires』に共に参加したのがきっかけ。当然ブルースにも精通はしていたが、そこにひと際ブルースの要素を持ち込んだのが、ブリティッシュ・ビート全盛時から活躍するクリス・ファーロウだ。本連載でもご紹介したように、リトル・ジョー・クック名義で「ストマン」を」録音し、評判を取ったその男。このライブ作品でも、アンコールで十八番の「ストマン」を歌い、その“クロっぽい”喉をたっぷり披露した。
バンド全体の指向からしたら、ちょっと浮くところだが、そこはコロシアムらしく、インプロヴィゼーションも取り入れ、一筋縄ではいかぬ仕上がりに。94年の再編ライブでも、やはりアンコールで演奏されている。