オールマン・ブラザーズ・バンド抜きにストマンは語れない! オールマン・ブラザーズ・バンド抜きにストマンは語れない!

オールマン・ブラザーズ・バンド抜きにストマンは語れない!

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた───“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。そして今回、やっときました、オールマン・ブラザーズ・バンド!! 言わずもがな、1971年の『フィルモア・イースト・ライヴ』での名演で、バッキングからソロまデュアン・オールマン&ディッキー・ベッツの絡みが最高。王道バージョンを改めて聴いてみましょう。

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


スタンダード化の立役者

Tボーン・ウォーカーのオリジナル、モダンに改変してヒットさせたボビー・ブランド版。「ストーミー・マンデイ」の東西横綱バージョンだが、同曲を広めたという点ではそれ以上に貢献したのがオールマン・ブラザーズ。

『フィルモア・イースト・ライヴ』では、演奏前に、“ブルースをやろう、ボビー・ブランドの曲。本当はTボーン・ウォーカーだけど”というグレッグの素晴らしいコメントあり。

そのとおり、手本はブランド。ギターの9thの使い方、コードの半音ずらしもブランド版のウェイン・ベネットに近いが、裏で引っかけるアクセントをバンド全体で強調したり、ギターとオルガンでホーン・リフ風な展開をするのもいい手本。Ⅰ – Ⅱm – Ⅲm~の、いわゆるストマン進行も、ギター・バンドらしくわかりやすく取り入れ、広まった。

『フィルモア〜』以外の発掘ライブ音源でも、いくつかのバージョンが残っているが、ソロの順番や、オルガン・ソロで倍テンになる部分も含め、全体の構成はかっちり決まっていたようだ。

ただ、デュアンは指押弦プレイもバッチリだけど、こんな曲でのバリバリのスライド・ソロも聴いてみたかった気も……。なんて、ないものねだりですが。