ジュニア・ウェルズが歌う男臭さムンムンのストマン! ジュニア・ウェルズが歌う男臭さムンムンのストマン!

ジュニア・ウェルズが歌う
男臭さムンムンのストマン!

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えたーー“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週はジュニア・ウェルズと盟友=バディ・ガイとの名演をお届けしましょう! 息継ぎなしのバディ節ギターが歌に絡みつき、ギター・ソロでは緩急たっぷりに歌い上げる。ブルース・レジェンドの呼吸を感じましょう!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


盟友バディ・ガイとの絡みを聴け!

50年代にリトル・ウォルターの後釜として、マディ・ウォーターズのバンドで活動したあと、50年代末からはソロで活躍したジュニア・ウェルズ。

ドロドロにディープなブルース(本人曰く“ロウダウン‘&ダーティ・ブルース”)を得意としつつ、60年代にはシカゴのJBと称されたように、ファンキーな一面も持つ。いずれにせよ、シカゴ・ブルース界屈指の“臭み”を持ったシンガー/ハーピストだった。

98年に亡くなるまで精力的に活動し、優に20枚以上のアルバムがあるが、その中でも初アルバムの『Hoodoo Man Blues』とともに傑作として名高い、66年ヴァンガード盤の『It’s My Life, Baby!』に同曲収録。ギター、ベース、ドラムのシンプルなバンドをバックに、珍しくハーモニカを吹かず、歌だけで勝負、独特の泥臭さも全開だ。

ベースはボビー・ブランド版(但し“ストマン進行”ではない)。ギターは盟友バディ・ガイで、ソロの入り口や9thのコード・ワークなど、ブランドのバックのウェイン・ベネットを意識した模様。そして、派手なスクィーズではなく、チロチロチロチロと陰湿なフレーズでボーカルに絡みつくのが、ジュニアのバック時のみ披露する、もうひとつのバディの顔。これまた最高なのだ。

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