泣きのギターが味わい深いフレディ・キングの名演 泣きのギターが味わい深いフレディ・キングの名演

泣きのギターが味わい深い
フレディ・キングの名演

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。これまでB.B.キング、アルバート・キングは紹介しましたが、今回はもうひとりのキング、フレディの名カバーをお届け! フレディの泣きのプレイも味わい深し!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈


フレディのボーカルのようなギターと
優しく支えるコーネル・デュプリー。

B.B.、アルバート、フレディの三大キングが、そろってカバーしているのは、この曲くらいか。さすがの大スタンダードだ。

フレディは、70年発表のコティリオン盤、ブルース・スタンダードばかりを集めた『My Feeling for the Blues』で披露。キング・カーティス・プロデュースのニューヨーク録音で、コーネル・デュプリーやジェリー・ジェモットがバックにつく。

キーはC。5弦ルートの9th+13th使いの、C→B♭→G♯→GというTボーン・ウォーカー流イントロ。コードを弾くのはデュプリーで、そこに、金属製ピック(親指+人差指)ならではの、文字通りメタリックなサウンドで、フレディのギターが被さってくる。どすんとルート音をはじいてくるジェモットのベースとホーンの響きで、イントロはマイナー感漂ってくるのが不思議な味。

曲が始まると、「ストマン」進行は使わない、ストレートなブルース進行。丁寧な歌い口はボビー・ブランド、ギター・リックはTボーン風(といっても、ブランド盤のウェイン・ベネットもTボーン風なのではあるが)という両巨頭折衷スタイルだ。スローなギター・ソロでもフレディらしい豪快さも滲み出てくるのが、さすがだ。70年代のライブでもしばしばやっている。