“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週は「フィール・ライク・メイキン・ラヴ」でおなじみ、ソウル・ジャズの歌姫=マリーナ・ショウのバージョンをお届けしましょう。彼女らしい甘い4ビートのジャジィな雰囲気ながら、それに沿うギターとファズっぽいブルージィなプレイが絡み合う興味深いギター・アレンジ。春の月曜にピッタリな名カバーです!
文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈
4ビートのソウル・ジャズと
ブルージィなギターの相性
「フィール・ライク・メイキン・ラヴ」を収録した名盤『Who Is This Bitch, Anyway?』で有名なジャズ・シンガー、マリーナ・ショウ。彼女がチェス傘下キャデットから発表したセカンド・アルバム『Spice Of Life』に「コール・イット・ストーミー・マンデイ」が収録されている。
69年盤で、プロデュース&アレンジがリチャード・エヴァンスとチャールズ・ステップニーという、チェス/キャデットのファンキー系黄金コンビ。チェス御用達のター・マー・スタジオ録音で、エンジニアはスチュ・ブラックと役者がそろった同作は、人気曲「カリフォルニア・ソウル」を含む、レア・グルーヴ定番として知られる。
そんな中、この「ストマン」はオーソドックスな4ビート・アレンジ。イントロやソロにはハーモニカをフィーチャー。面白いことに、アルバム随所でブルージィなパートに突如ハーモニカが登場したりするのだが、管楽器奏者がついでに吹くようなものではなく、しっかりとハーモニカ専業の技なのだ。バック・ミュージシャンのクレジットはないが、個人的にはビッグ・ウォルター・ホートンではないかと推測している。
ギターは、4ビートのコード・カッティングと歌に絡む2本があり、マット・マーフィあたりが参加の可能性も大。しかし、この時代のチェス周辺には名人が沢山いたからなあ……。何はともあれ、いい雰囲気です。