日本で絶大な人気を誇ったアストロノウツのサーフ系カバー 日本で絶大な人気を誇ったアストロノウツのサーフ系カバー

日本で絶大な人気を誇った
アストロノウツのサーフ系カバー

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週は60年代のエレキ・ブームで日本でも絶大な人気を誇ったアストロノウツが登場! エコーたっぷりのサーフ系サウンドで、夏本番を迎えましょう!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈

サーフ・サウンドの個性派カバー

アストロノウツといえば、60年代日本のエレキ・ブームの折、ベンチャーズなどと並んで人気のあったバンド。リバーブ響く「Baja」というインスト・ヒットで有名だ(邦題は「サーフィンNo.1」!)。日本でも高い人気を誇り、66年には日本でのライブ盤(『The Astronauts in Japan』)やスパイダーズとのカップリングLP(『Let’s Play Electric Guitar』)が作られたり、橋幸夫のヒット(「チェッ・チェッ・チェッ/恋をするなら」)をインスト・カバーしたりしているほど。

そんな彼らが「ストマン」とは不思議な気がするが、64年の2作目『Everything Is A-OK』に収録。同作は楽しいパーティー・バンドという雰囲気が漂うカバー曲中心のライブ盤。レイ・チャールズやバディ・ホリーなどに加え、ボ・ディドリーの「ボ・ディドリー」、ジミー・リードの「ビッグ・ボス・マン」などもあり、リードの曲などロカビリー的な色合いを加えた感じでけっこう独特。

「ストマン」は“Here’s what I say”の語り入り。ってことは、ボビー・ブランド版が原典か。いかにも異色のスロー・ブルースだが、チーク・タイムのダンス曲、といった扱いだったのかも!? ギター・ソロなど、わりと本格的ブルース・ギターという趣を出しつつ、どこかビニョビニョ、ペケペケした響きなのが、サーフ・バンドならではか。