アイザック・ヘイズの低音ボーカルにセクシーに絡むギター アイザック・ヘイズの低音ボーカルにセクシーに絡むギター

アイザック・ヘイズの低音ボーカルに
セクシーに絡むギター

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。一流のソングライターはもちろん基本としてブルースを押さえているもの。今週はアイザック・ヘイズの登場です! 歌に絡むナイスなオブリ、かなりグッときます……!

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈

B.B.キング風に歌に絡む職人的ギター

60年代半ばにスタックスでセッションマン(ピアノ)、ソングライターとして頭角を現わし、裏方として名曲を多数生み出したアイザック・ヘイズ。71年の映画『シャフト(黒いジャガー)』のサントラが大ヒット、ソング・ライター/アレンジャー/プロデューサー/コンダクターとして、カリスマ的人気を得た。

もともとシンガー指向があり、超低音ボイスを生かしたバラードを得意としたが、真夜中の泥酔セッションで生まれた68年の初アルバムでも「ロック・ミー・ベイビー」などを吹き込んでいるように、ブルースは基本中の基本。「ストマン」は、カリスマ人気を得てからの73年のライブ盤『Live At The Sahala Tahoe』に収録。ボビー・ブランドを意識したもので、ゴージャスなオーケストラに乗った歌は、決して技巧派ではないものの、かなりいいムード。

ギターは「シャフト」のワウ・ワウ・ギターで知られるチャールズ・スキップ・ピッツとアンソニー・シノールトの2人。ソロはないものの、ちょっぴりジャジィかつB.B.キング風に歌に絡むギターがいい感じ。これはおそらくシノールトの仕事。一瞬在籍したマザーロードというバンドでのシノールト作のシングルB面曲「Whippoorwill」でのブルージィなギターが、それを裏付ける。シノールトはその後、数年間ヘイズのバックで働いた。

<日本で絶大な人気を誇ったアストロノウツのサーフ系カバー