本記事にたどり着いた読者の方は、『Arclight』や『Love Hurts』などの近年作品はチェック済みのことと思う。ただ、10代からキャリアをスタートさせるジュリアン・レイジの、数多くの参加作まで含めてカバーしている人は少ないのでは? ここでは最新作『Squint』のレビューに加え、少し踏み込んだちょっぴりマニアックな参加作まで紹介したい。
選盤/文=石沢功治 写真=Alysse Gafkjen
Julian Lage『Squint』(2021年)
最新作にしてジャズ・ギター・トリオの現代最高峰
2010年代半ばに突如ソリッド・ギターに持ち替えて大きな方向転換を図り、2019年までマック・アヴェニュー・レーベルから放った3部作で高評価&超人気を獲得したジュリアンが、名門ブルーノートに移籍。前作から引き続きベースはホルへ・ローダー、ドラムはデイヴ・キングによるトリオで、2016年から展開してきている古き良きアメリカン・ミュージックがある一方で、濃密なインタープレイが展開されている曲もあったりで、さすが抜け目がない。また、クラシカルな要素も盛り込んだギターのみによるソロ演奏をオープナーに持って来ているのも特筆に値する。
作品データ

『Squint』
ジュリアン・ラージ
ユニバーサル/RCCQ-1142/2021年6月11日リリース
―Track List―
01. Etude
02. Boo’s Blues
03. Squint
04. Saint Rose
05. Emily
06. Familiar Flower
07. Day & Age
08. Quiet Like A Fuse
09. Short Form
10. Twilight Surfer
11. Call Of The Canyon
12. Granada(日本盤ボーナス・トラック)
―Guitarists―
Julian Lage