ジミー・ヒューズのフェイム録音。南部マナーの良ストマン! ジミー・ヒューズのフェイム録音。南部マナーの良ストマン!

ジミー・ヒューズのフェイム録音。
南部マナーの良ストマン!

“月曜の朝にさ、皆の気分が晴れるような音楽を毎週届けたいのよ。何かアイディアない?” そんな編集長の問いに、WEB担当Fはこう答えた──“月曜は「ストマン」一択ですよ”。そうして立ち上がった企画が、この“月曜朝のストーミー・マンデー”です。今週はサザン・ソウルの巨人、ジミー・ヒューズ。ギタリストは不明だが、フェイム録音らしいアーシーなサウンドが心地よいナイス・アレンジだ。

文=小出斉 デザイン=猪野麻梨奈

サザン・ソウルの息吹を感じるカントリー風味を纏うギター

1938年、アラバマ生まれのアラバマ育ちのサザン・ソウル・シンガー、ジミー・ヒューズ。65年のヴィー・ジェイからの初アルバム『Steal Away』に、「ストーミー・マンデイ」を収録。

ヴィー・ジェイといえば、ジミー・リードを世に出し、一時はチェスのライバル・レーベルと目されたシカゴの会社。しかし、ヒューズの音源はシカゴではなく、アラバマはマッスル・ショールズのフェイム録音。64年にブルージィなバラード「スティール・アウェイ」が大ヒット(ポップ・チャート17位)となるも、まだレーベルに余力がないので、ヴィー・ジェイに音源をリースしたのだろう。

ヒューズはもともとゴスペル出身であり、かつブルースの下地もあった。「ストーミー・マンデイ」は、“アルバム用にすぐに録音できる曲を”ということで選ばれたのだろう。ボビー・ブランド版を手本にした風な演奏にのり、中量級だが粘っこい歌を聴かせる。録音は当然フェイム・スタジオ。数年後にはデュアン・オールマンもセッションマンとして仕事をするが、この頃は、まだいない。

ギタリストは特定できないが、Tボーン・ウォーカー~ウェイン・ベネット・スタイルのフレーズに、ところどころカントリー風なリックを入れている。ブルースとカントリーの融合は、ある意味、サザン・ソウルの息吹も感じさせる。