ジョーイ・ランドレスのメイン器&『Come Morning』使用ギター ジョーイ・ランドレスのメイン器&『Come Morning』使用ギター

ジョーイ・ランドレスの
メイン器&『Come Morning』使用ギター

ブラザーズ・ランドレスの最新アルバム『Come Morning』でジョーイ・ランドレスが使用したギターをご紹介。現在メインとして使用するゴールドトップ・タイプの正体にも迫ります!

文=福崎敬太

不動のメイン・ギター
Sorokin Guitars/’54 Wraptail, Goldtop

メイン・ギターは友人のアレックス・ソロキンが主宰するカナダのソロキン・ギターズ(Sorokin Guitars)が、ジョーイのために作った’54 Wraptail, Goldtop。手に入れたのは、2018年の6月15日、ジョーイが31歳を迎えた誕生日のこと。初めて手にした時のことを、こう語ってくれた。

アレックスから“ギターが完成したよ!”って携帯にメールをもらい、“僕の誕生日じゃないか! ぜひ持ってきてくれ!”と、ウィニペグ・シンフォニー・オーケストラと共演するライブの日に飛行機で来てもらったんだ。

僕らがサウンドチェックに取り掛かろうとしていた時に彼は間に合ってくれてギターを手渡してくれた。それ以来このギターが手放せないんだ。

ジョーイ・ランドレス

制作の経緯は、ジョーイがナッシュビルにあるカーター・ビンテージという楽器店で、1954年製レス・ポールを弾いたところから始まった。あまりに高価だったため、そのレス・ポールは買えず、アレックスに近いギターをオーダーしたのだ。

ボディとネックは1ピース・ホンジュラス・マホガニーで、ボディ・トップはメイプル、指板はブラジリアン・ローズウッドという材構成。ピックアップは1950年代製のP-90を再現した、ロン・エリス(Ron Ellis)のP-90タイプを2基搭載。ナットもナイロン製で、ビンテージ・スペックを忠実に再現している。

しかしオープンCチューニングで太いゲージの弦を張るジョーイのために、バー・ブリッジはオリジナルのものを設計した。これまでのギターでは、太い弦とチューニングのせいでオクターブ・チューニングがなかなか合わなかったが、このブリッジにしたことで解決したそうだ。

『Come Morning』での使用ギター

ブラザーズ・ランドレスの最新アルバム『Come Morning』でも、メイン・ギターは前述のソロキン製’54 Wraptail, Goldtop。

ほかには、以前のメイン・ギターだったサー(Suhr)のClassic S、コリングスのI-35、デューゼンバーグのバリトン・ギターD6も登場。

写真右のラック最前がデューゼンバーグのBariton D6、そのうしろがコリングスのI-35。(写真=本人提供)

また、ペダル・スティールのような音は、ベンダーを搭載したミュール(Mule)のMulecasterを使用。使い方は以下の動画で見られるように、非常にユニークだ。

「Shame」と「Back to Thee」のソロは、ベンダーを搭載していないMulecasterで弾いている。ほかには、「What in the World」ではヤマハのREVSTAR、アコースティックはコリングスのOM-1とウォータールー(Waterloo)のWL-14X、「Shame」ではMuleのリゾネーターも登場した。

作品データ

『Come Morning』
The Bros. Landreth

輸入盤/2022年5月13日リリース

『All That You Dream』
Joey Landreth

輸入盤/2021年11月26日リリース

―Guitarist―

ジョーイ・ランドレス