ディスク・レビュー『last aurorally』 凛として時雨

破壊的なギター・プレイが炸裂する“時雨サウンド”が詰め込まれた最新作

　凛として時雨が約5年ぶりのフル・アルバムをリリース。バンドの音像をつかさどるTK（g, vo）の破壊力＆切れ味マシマシなプレイは健在で、思わず拳を握りたくなる“超絶フレーズ”の数々が収録された快作だ。

　アルバムは金属的なクランチ・サウンドのコード・ストロークが印象的な①で幕をあけ、バンドの代表曲「DISCO FLIGHT」を彷彿させる、符点8分ディレイを使ったリフを弾きまくる②へとなだれ込む。このサディスティックでスペイシーなギター・リフはTKの専売特許といっても過言ではないだろう。

　続く③は、345（b, vo）に絡み合いまくるハンマリング＆プリングの応酬、④では凶悪なピッチ・シフトで鳴らすアブノーマルなイントロなど、強烈なフレーズの数々が瀑布のように押し寄せる。

　一方⑥では美麗なアコギのアルペジオを楽しませてくれたりと、終始息つく暇も与えない超攻撃的な“ギター・アルバム”に仕上がっている。

（伊藤雅景）

【参加クレジット】
TK（g, vo）、345（b, vo）、ピエール中野（d）

【曲目】
①Super Sonic Aurorally
②竜巻いて鮮脳
③Marvelous Persona
④laser beamer
⑤self-hacking
⑥アレキシサイミアスペア
⑦Neighbormind
⑧Perfake Perfect
⑨滅亡 craft