新世代のシンガー・ソングライター/ギタリスト、崎山蒼志の連載コラム。1人のミュージシャンとして、人間として、日々遭遇する未知を自由に綴っていきます。 月一更新です。
デザイン=MdN
バンド、、したい!!
最近リハを長くやった日がありました。自分のツアーの、スリー・ピース編成でのリハです。バンドリハはテンションが上がりますね。もともとバンドという形態が好きなのもあって、また、大好きな素晴らしいミュージシャンの皆さんと演奏できることは、嬉しいですし、心痺れます。普段、一人で演奏する機会も多いので、単純に三人で奏でるそのアンサンブルは、とっても心強くも思えますね。曲の演奏の幅もグッと広がります。自分だけでは決して到達できない、グルーブにたどり着くこともできるのです。そして、一つ一つのプレイに感化され、自分ももっと頑張ろうと思えます。バンド、、したい!!
そんなリハでの自分の機材。エレキ・ギターがOvationのViperで、アコギがOvationのAdamasと、Ovationブラザーズです。この連載でもよく出てくる二本。足下は、アコギのほうがDanelectroのBack Talk(リバース・ディレイ)、次いでL.R.Baggs、BOSSのチューナーです。L.R.Baggsは、Session DIを使っています。かれこれ六年くらい使っていて、最初に繋いだ時の、音が格段に良くなった!という衝撃からずっと手放せない逸品です。Back Talkは、最近アコギにかけることにハマっていて、主に曲間や、盛り上がった時などによく踏んでいます。何か時間が巻き戻ったり、交差するような感覚があって、楽しいです。弾き語りのライブの際も愛用しています。
エレキは、IbanezのTUBE SCREAMER mini(オーバードライブ)、Death By AudioのFUZZ WAR(ファズ)、同じくDeath By AudioのREVERBERATION MACHINE(リバーブ)、次いでBOSSのチューナーです。Ibanezの TUBE SCREAMER mini は中学1年生の頃入手したペダルで、私にとっては最初のオーバードライブ・ペダルです。しばらく使っていなかったのですが、久々に使ってみたら自分の好きなサウンドが出て、灯台下暗しといいますか、原点回帰という具合でまたボードに入れてみました。ブーストはFUZZ WAR一択! の潔い仕様です。TUBE SCREAMERをかけたサウンドに、上乗せして使用します。REVERBERATION MACHINEも愛用し続けているペダルですね。このペダルにしかないダイナミズム。欲してしまいます。リハではアンプはRolandのJCでした。ライブ当日はツイン・リバーブです。クリーン・トーンもよく使います。
何時間も歌いながら弾いていると、さすがにギターの重みが肩にきました。軽量なギターが愛しくなってくるところですが、演奏している瞬間は楽しさでそれを忘れ、また、OvationのViperが大好きなので、なんとか我慢です。Viper自体そこまで重くはないのですが、ボディに少し比重が大きいため、時間が経ってくるとそう感じやすいのかもしれません。私の持っているギターで一番軽いのは、Danelectro U-1で、ビンテージも2001年製のモデルもどちらも2kg前半だった筈です。いつも、軽い!と、持った瞬間に新鮮な驚きがあるほどです。また次のバンドリハではDanelectroも導入してみようと思います。
リハでもライブでも、エレキ・ギターがアンプから歪んだ音でジャーンと鳴れば、ああこれが一番好きなのかもしれない、と思います。キラキラと、また衝動に溢れたその音色に、いつまでも助けられ突き動かされる自分がいます。
私の考える、エレキのひとつ理想的な音色は、吉村秀樹(bloodthirsty butchers)さんの鳴らす音です。私の普段の音とは遥か、かけ離れていますが、といいますか出せる音ではないと思っています。孤高のサウンド。私がエレキ・ギターを好きな理由がそこに詰まっています。
著者プロフィール
崎山蒼志
さきやま・そうし。2002年生まれ、静岡県浜松市出身のシンガー・ソングライター。2018年、15歳の時にネット番組で弾き語りを披露、一躍話題に。独自の言語表現で文芸界からも注目を浴びている。