毎週、1人のブルース・ギタリストに焦点を当てて深掘りしていく連載『ブルース・ギター・ヒーローズ』。今回はT-ボーン・ウォーカーのオススメ盤を5枚紹介。まずはこれらを聴くべし!
選・文=久保木靖
T-Bone Walker
『The Complete Capitol / Black & White Recordings』
(1995年/Capitol)
T-Bone Walker
『The Complete Imperial Recordings, 1950-1954』
(1991年/EMI)
1950年代前半のインペリアル期の全録音をまとめたもので、前掲のキャピトル/ブラック&ホワイト期同様、レジェンダリーな演奏が連なる必聴盤! 力強くドライブするインストの「Strollin’ With Bone」、イントロから“シグネチャー・リック”が炸裂する「You Don’t Love Me」、儚げなプレイが印象的なスロー・ブルース「Life Is Too Short」など、よりパワー・アップした演奏がぎっしり。強化されたホーン・セクションとギターの絡みなど、綿密なアレンジもかっこいいことこのうえない。「Vida Lee」や「Strugglin’ Blues」では「Stormy Monday」で採用されなかった“ストマン進行”が聴ける。
T-Bone Walker
『T-Bone Blues』
(1959年/Atlantic)
T-ボーンの活動初期はSP盤時代だったので、アルバムとしては本作が1st作で、シカゴ録音(1955年)とロサンゼルス録音(1956〜57年)からなる。ギターを弾き倒すインスト「Shufflin’ The Blues」も良いが、輪をかけて面白いのは、R.S.ランキンとバーニー・ケッセルとのリレーが炸裂する「Two Bones And A Pick」と「Blues Rock」だ。ジュニア・ウェルズやジミー・ロジャースらシカゴ勢が加わった「Play On Little Girl」はミスマッチ感が否めないが、これはこれで貴重。「Why Not」をヒントに、ロジャースは自身の「Walking By Myself」を作ったという。