ちょっとオトナな、海への妄想ドライブ!?『シティ・ポップと夏。』プレイリスト ちょっとオトナな、海への妄想ドライブ!?『シティ・ポップと夏。』プレイリスト

ちょっとオトナな、海への妄想ドライブ!?
『シティ・ポップと夏。』プレイリスト

 お盆を過ぎてもまだまだ続く厳しい残暑。発売中のギター・マガジン2020年9月号では『シティ・ポップと夏。~とろける極上ギター・ソロ篇』を展開していますが、連動したプレイリストをApple Musicに公開中です。本誌に載った楽曲を中心に、涼しげなサマー・ギター・シティ・ポップを選んでみました。

文/選曲:編集部


 最新の本誌9月号の『シティ・ポップと夏。~とろける極上ギター・ソロ篇』では、そのタイトルどおり、素晴らしいギター・ソロが聴けるシティ・ポップ・チューンを多数紹介しています。選曲対象となった時代は70年代中期~80年代前半あたりまで。ロックの一大潮流がひと段落し、フュージョンやAORといったソフィスティケイト=洗練されたサウンドが流行した時代です。と同時に、トロピカルな志向のリゾート的な世界観があちこちに溢れ出した時でもあります。

 本誌9月号でのインタビューにて、当事者だった鈴木茂はこの時代に関してこう語っています。“もう、ヤシの木が常に出てくるような時代だったからね(笑)。高中正義くんもそうだったでしょ? 細野(晴臣)さんも『TROPICAL DANDY』(75年)を作って、世の中全体がトロピカル・ムードだった。クリームやジミヘンのようなギター・バンドはちょっとダサめな風潮だった”と。

 このムード感って、もしかすると、昨今の音楽シーンの流れと比較的近いのではないでしょうか? 8ビートの激しいロックというよりは、16ビートのソウル/R&BゆずりのAOR的なサウンドのほうが、なんとなくカッコよく聴こえる。だからこそ今、未曾有のシティ・ポップ再評価の流れが続いているのでしょう。

 というわけで、今のシーンを追いかけているリスナー/ギタリストの琴線に触れる可能性大! ぜひ本プレイリストを聴いてみて下さい! なお、本誌に載っていてもApple Musicに入っていない楽曲は選んでいないので、あらかじめご了承下さい。

勝手に妄想!
クルマで行く、1泊2日の伊豆旅行

 このプレイリストにあえてコンセプトをつけるとしたら、“恋人とクルマで行く、1泊2日のバーチャル伊豆旅行(なんで伊豆!?)”。ちょっと涼しげでオトナな雰囲気のナンバーを選びました。妄想で聴くべき時間帯とシチュエーションも考えてみたので、気が向いた方は読んでみて下さい。

DAY 1/9:00 AM  
「Summer Connection」~

エンジンをかけて、いざ青い海へ出発!

 荷物をまとめていざ短いバカンスへ! まずは本誌でも冒頭に紹介している大貫妙子の「Summer Connection」でドライブ感上げ目に行きましょう。今やシティ・ポップを代表する1曲ですね。天才・大村憲司の清涼剤のようなギター・ソロと松木恒秀のメロウなバッキングが実に心地よいです。

 そこから鈴木茂、南佳孝、ブレッド&バターと来て、夏ポップスの女王・松田聖子へ。彼女の夏ポップスは「青い珊瑚礁」や「夏の扉」など名曲ばかりですが、ここではシティ・ポップ・ライクな1st『SQUALL』から選びました。

DAY1 12:00 PM  
「コーラル・リーフ」~

そろそろ到着。その前にインストで涼やかに

 聖子ちゃんの明るい歌声のあとは、インストで涼やかに。本誌9月号では“夏のシティ・ポップ最強のギター名盤”として紹介されているオムニバス『PACIFIC』より、鈴木茂の「コーラル・リーフ」。続いてリゾート・ギター・インストの帝王・高中正義「BLUE CURASAO」へ。この曲が入ったアルバム『ON Guitar』(78年)って、実は教則レコードなんですよね~。

 さて、そろそろ海が見えてきそうな頃合い。海辺をドライブしながら、山下達郎による9分超えのリゾート・インスト「ノスタルジア・オブ・アイランド」でスローな時間を過ごしましょう。なんといってもこの曲は、達郎本人のリード・ギターが一番の聴きどころ。甘~いメロディを紡ぐセンスは彼ならではのもので、編集部イチオシ・ナンバーです。こちらは本誌にてフルスコアを掲載しているので、コピーしたい方はぜひ9月号を(※電子版には収録しておりません)。

DAY1  17:00 PM 
「初夏の香り」~

熱帯トロピカル・ナンバーで迎える夕暮れ

 宿にチェックインしてしばし休息。夕暮れが近づいてきたら、細野晴臣や“久保田麻琴と夕焼け楽団”が作り上げた独特の多国籍トロピカル・ナンバーで身も心もとろけてしまいましょう。「初夏の香り」では井上憲一の楽園的なソロと、駒沢裕城のスティール・ギターをただただ聴い惚れてほしい。ドライブで凝った肩もほぐれることでしょう! そして細野の「HURRICANE DOROTHY」で鈴木茂のドリーミィなギター・ソロを堪能したのち、細野独特のコード・ワークによる「熱帯夜」で耽美なサンセットを味わいましょう……。

DAY1  21:00 PM  
「キスカ」~

夏は夜。とことんオトナでムーディに

 “夏は夜”。かの清少納言はこのように書きました。シティ・ポップを嗜むイケた御仁なら、夜はとびきりムーディに時間を過ごすのが定石ってもんでしょう。そこで夜にピッタリなグルーヴィン・ナンバーをお送りします。とにかく「キスカ」での大村憲司のソロ、セクシーすぎます。

DAY2  15:00 AM 
「夏の恋人」~

帰りは思いっきりセンチメンタルに

 遅めの朝食をとってしばらく海で戯れたら、そろそろ帰り支度。ちょっと寂しげな気分の時は、竹内まりやの名曲「夏の恋人」で思いっきりセンチメンタルなムードに浸るべし。旅の醍醐味は、帰りの寂しさにもあるものです。そんなわけで、続けてミディアム・テンポのメロウな歌曲を8曲選んでみました。竹内まりや「ホールド・オン」での杉真理による極上ギター・ソロはぜひご一聴を。涙するのもいいでしょう!

DAY2  18:00 PM  
「JUST THE WAY YOU ARE」~

渋滞はスターの名演でスカッと!

 帰り道で渋滞にハマってもイライラせず、音楽でとことん楽しむのがオトナのオトコってもんさ。というわけで、ここからは高中、Charなどのスーパー・ギタリストの名演を味わえるナンバーをお届け。センチメンタル・シティ・ロマンスの名品1stアルバムからも2曲選びました。中野督夫と告井延隆というふたりの名手擁するセンチのカラっと爽快なプレイに沸くべしです。そして最後はCharの「かげろう」で締め!

 長々と書いてしまいましたがいかがでしたでしょうか。これはあくまで妄想の話ですので、脳内で思い浮かべながらぜひプレイリストを楽しんで下さい。

『ギター・マガジン2020年9月号』
特集:シティ・ポップと夏。
〜とろける極上ギター・ソロ篇

真夏のシティ・ポップ大特集は極上のソロ・プレイをフィーチャー。夏ギター名演4曲収録の綴じ込みスコア・ブック付き。