セカンダリー・ドミナントとは? 初心者集まれ! 指板図くんのギター・コード講座 第30回 セカンダリー・ドミナントとは? 初心者集まれ! 指板図くんのギター・コード講座 第30回

セカンダリー・ドミナントとは? 
初心者集まれ! 指板図くんのギター・コード講座 第30回

今回のテーマは「セカンダリー・ドミナント」です。ギターで弾きやすいコード進行を例にして解説します。

文・図版作成=ギター・マガジン編集部

セカンダリー・ドミナントを含むコード進行

今回のテーマである「セカンダリー・ドミナント」は、曲のコード進行を作る上でとても役立つものです。

まずセカンダリー・ドミナントなるものを含むコード進行を5つ示しましょう。いずれもコード3つからなる短い進行で、キーはCメジャーです。コード名がピンク色になっているA7、B7、C7、D7、E7が、セカンダリー・ドミナントと呼ばれるものです。

  • C△7-A7-Dm7
  • C△7-B7-Em7
  • C△7-C7-F△7
  • C△7-D7-G7
  • C△7-E7-Am7

指板図も示しますので、ギターで弾いてみて下さい。

以上のコード進行に出てきたセカンダリー・ドミナント・コード(A7、B7、C7、D7、E7)にはいくつかの共通点があります。

共通点その1は、どれもがセブンス・コードであること。これは一目瞭然ですね。

共通点その2は、どれもCメジャーのダイアトニック・コードではないこと。Cメジャーのダイアトニック・コードは、(四和音の場合)C△7、Dm7、Em7、F△7、G7、Am7、Bm7(♭5)ですから、A7、B7、C7、D7、E7はダイアトニック・コードではないわけです。

そして共通点その3は、セカンダリー・ドミナントから次のコードへは、ルートが完全5度下行もしくは完全4度上行で進んでいるということです。

完全5度下行と完全4度上行のギターでのルートの動きはそれぞれ次の図のようになります。上で示したの5つのコード進行の2番目のコードから3番目のコードへのルートの動きは、これらの図のいずれかに当てはまります。

なお、Cのキーの曲にCのダイアトニック・コードではない「異物」を入れてしまって良いのか?と疑問に思う人もいるかもしれません。答えは「異物でも、セカンダリー・ドミナントならまったくOK」です。逆にセカンダリー・ドミナントを入れることで、「グッとくる」コード進行が作れます

ダイアトニック・コードのみのコード進行と比較する

次に、上に挙げたセカンダリー・ドミナントを含むコード進行を、ダイアトニック・コードのみでできたコード進行と比較してみましょう。

次の5組の枠内にある1.はいずれもダイアトニック・コードだけでできた「異物なし」の進行です。一方の2.はセカンダリー・ドミナントが入った「異物入り」の進行です。

  1. C△7-Am7-Dm7
  2. C△7-A7-Dm7
  1. C△7-Bm7(♭5)-Em7
  2. C△7-B7-Em7
  1. C△7-C△7-F△7
  2. C△7-C7-F△7
  1. C△7-Dm7-G7
  2. C△7-D7-G7
  1. C△7-Em7-Am7
  2. C△7-E7-Am7

こちらも指板図で示しておきます。Cメジャー・スケールに含まれない音の押弦記号(●)はピンク色にしました

これら5組のコード進行をひととおり弾いてみて下さい。おそらくダイアトニック・コードだけでできた異物なしのコード進行は、どれもがわりとサラッとした印象だったと思います

一方、セカンダリー・ドミナントという異物が入ったコード進行は、2個目のコードでやや緊張をはらむ感じになり、その緊張感が3個目のコードで解消される感じになったと思います。これがさきほど言った「グッとくる」感じなんですが……これ伝わるでしょうか?

そしてこの2個目と3個目のコードの間で何が起きているのかというと、それは前回に説明した「ドミナント・モーション」です

セカンダリー・ドミナントでドミナント・モーションを作る

ところで、Cのキーのダイアトニック・コード内にあるセブンス・コードはG7だけです。よって作れるドミナント・モーションも少ないです。

G7で作れるドミナント・モーションの例

  • G7-C、G7-C△7

しかし、コード進行の中にセカンダリー・ドミナントという「異物」を混入することにより、他の箇所でもドミナント・モーションを発生させることができます。これによりコード進行に起伏や推進力を加えることができるわけです。

セカンダリー・ドミナントを加えると作れるドミナント・モーションの例

  • A7-Dm、A7-Dm7
  • B7-Em、B7-Em7
  • C7-F、C7-F△7
  • D7-G、D7-G7
  • E7-Am、E7-Am7

ダイアトニック・コードの一部をセカンダリー・ドミナントのセブンス・コードに差し替える、というイメージ

上で紹介した5組のコード進行を、もう少し分析的に見てみましょう。

これら5組のコード進行のうち、セカンダリー・ドミナントを使用したコード進行は、ダイアトニック・コードのみでできたコード進行の2つ目のコードだけを差し替えたものでした。また、その2つ目のコードはいずれもダイアトニック・コードと同じルートを持つセブンス・コードになっています。

C△7-Am7-Dm7とC△7-A7-Dm7の例を図にすると次のとおりです。

その他の4組のコード進行も同様です(図内での説明は省きます)。

このように、ダイアトニック・コードの一部をセカンダリー・ドミナントのセブンス・コードに差し替える、というイメージを持っていると、自分でコード進行を作る時などに役立ちます。

ダイアトニック・コード同士の間にセカンダリー・ドミナントを挿入する、というイメージ

また、これらのコード進行を「ダイアトニック・コード同士の間にセカンダリー・ドミナントとなるセブンス・コードを挿入したもの」というイメージでとらえることもできます。

例えばC△7-A7-Dm7というコード進行は、C△7とDm7(どちらもダイアトニック・コード)の間にA7(セカンダリー・ドミナント)を挿入したもの、とみなすことができるわけです。またなぜA7を挿入するのか?というと、それはドミナント・モーションを発生させるためです。それを図示したのが次の図です。

他のコード進行も同様です。

言葉を少し変えると、これらはダイアトニック・コードであるDm7、Em7、F△7、G7、Am7を「ターゲット」と見なし、それらの手前にドミナント・モーションを起こすためのセカンダリー・ドミナント・コード(ターゲットに対して完全4度下=完全5度上)を挿入したものと言えます。

こうしたイメージも、自分でコード進行を作る時に役立つはずです。たとえばダイアトニック・コードの羅列だけで作られたコード進行に少しスパイスを加えるために、セカンダリー・ドミナントを短い音価で挿入する、といった使い方などが考えられます。

また、コード進行を作っている時にセカンダリー・ドミナントを入れたはいいものの、「次にどのコードを持ってくればドミナント・モーションになるんだっけ?」とド忘れした時は、次の表を見て下さい。例えばセカンダリー・ドミナントがA7なら、次のコードをDmかDm7にすればドミナント・モーションが発生します。

セカンダリー・ドミナントセカンダリー・ドミナントから進む先のコード
(=完全5度下または完全4度上のダイアトニック・コード)
A7→ Dm、Dm7
B7→ Em、Em7
C7→ F、F△7
D7→ G、G7
E7→ Am、Am7

*G7からCやC△7に進む進行もドミナント・モーションですが、G7は“セカンダリー”ではないドミナント・コードなので、この表には含めていません。

*実際の楽曲では、セカンダリー・ドミナントやその次のコードが、この表にはないテンション・コードやその他のコードだったりすることもあります。

*Cメジャー・キーにおけるA7-D7などのように、セカンダリー・ドミナント(A7)の次がまたもやセカンダリー・ドミナント(D7)になったコード進行もあります。

§

今回はセカンダリー・ドミナントについてごく簡単に説明しました。より深いことを知りたい方は音楽理論書をひもといてみて下さい。本講座の今回の内容を読んだあとなら、わりと簡単に理解できるかと思います。

また今回の内容が腑に落ちなくても、ギタリストならば、上に書かれたコード進行を何度も弾き、手クセとして覚えてしまう(ギタリストはこれが得意!)のが良いと思います。セカンダリー・ドミナントを使ったコード進行が、すぐに作れるようになるはずです。

ところで本講座もそろそろ終わりに近づいてきました。最終回まであと3回です。今しばらくおつきあい下さい。

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【CONTENTS】
◎コードとは?コード進行とは? 
◎Cの構成音と、いろいろな押さえ方 
◎C6、C7、C△7の構成音と、いろいろな押さえ方 
◎Cメジャー・スケールを覚えよう 
◎ルートとは?度とは? 
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◎三和音とは? 
◎四和音とは? 
◎テンション・コードとは? 
◎omit3とは?add9とは?sus4とは? 
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◎コードは平行移動で覚えよう 
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