ギタマガWEBでは初となる、ギター・ストラップ作りの現場に潜入! 今回お邪魔するのは、AssHとのコラボ・ストラップも展開する新鋭ストラップ・ブランド、AQUBE MUSIC PRODUCTS(アクビ・ミュージック・プロダクツ)。一枚の牛革がストラップになるまでを、1日がかりで追いかけていこう!
取材/文=編集部 撮影=小原啓樹
浅草発のストラップ・ブランド、AQUBE(アクビ)
スタイリッシュなシェイプや豊富なカラバリ。ありそうでなかった革製ストラップ!
AQUBE MUSIC PRODUCTS、通称AQUBE(アクビ)は東京・浅草に居を構える、完全ハンドメイドのストラップ・ブランド。高級革靴やブランド・バッグを手がける熟練の革職人が、1本1本仕上げるこだわりの逸品なのだ。
STEP1/荒断ち(あらだち)
巨大な革を大まかなストラップの形に切っていく
さっそくストラップ作りの現場へ潜入だ! まずは巨大な革を、ストラップ1本分のサイズにカットしていくところからスタート。荒断ち(あらだち)という工程である。
STEP2/貼り合わせ
2枚の革を糊で貼り合わせる!
荒断ちした革は、表用と裏用に分かれている。お次は、これら2つを貼り合わせる作業工程だ。
STEP3/決め断ち(きめだち)
いよいよ本格的にストラップの形にカット!
ついに作業も大詰め。ここからは精密に作られた「抜き型」を使って、製品そのものの形にカットしていく。「決め断ち(きめだち)」という作業だ。
STEP4/縫製(ほうせい)
革の縁を縫いつける。
決め断ちによって、見た目はほぼ完成品に近づいたが、まだまだ工程はある。続いては、縁を糸で縫い付ける、縫製(ほうせい)の作業。
STEP5/箔押し(はくおし)
ついに完結。まさに画竜点睛なブランド・ロゴ入れ。
最後はブランド・ロゴを革に直接印字する、箔押し(はくおし)という作業。やっぱりロゴがカッコよく入ってないと完成しません。
代表者が語る、AQUBEストラップのコンセプト
本記事の最後は、AQUBEストラップを手がける株式会社Verb Creationの代表取締役、中川宏明氏のインタビューで締めくくろう。自身もギター弾きである氏のこだわりとは?
半径10km以内ですべてを作ることにこだわっているんです。
そもそも革靴やバッグがメイン事業であるアパレルの会社が、なぜギターのストラップを作ることにしたんですか?
僕自身がギターを弾くこともあって、何かギタリストを支えられるものが作れないかという気持ちがあったんです。といっても、自分にできることと言えばずっとやってきた革製品しかない。それで革製のストラップを作ることにしました。また、ギタリストのAssHさんと出会うきかっけがあって、コラボレーションさせてもらったりもして。コラボ・モデルはご本人と相談しながら、1年以上かけて納得いくまで作りましたね。
AssHさんのモデルや、今回レポートで制作過程を追った「01(ナンバーワン)」など、AQUBEのストラップは形が凄く洒落ていますよね。
ありがとうございます。こだわって手をかけて作っているからこそのラインだと思っています。肩に当たる部分は広く、ギターに近づくにつれて細くスマートに見えるように、立体的で綺麗なラインを目指しました。
日本製というのもポイントですか?
そうですね。「柔らかくて体に馴染む良い革である」というのは当たり前として、半径10km以内ですべてを作ることにこだわっています。弊社は靴もバッグも、見えるところでモノ作りをしているというのが強みの1つですからね。ちゃんとそこで作っている安心感というか、モノ作りが見えるというのはとても大切なので。
では最後に、今後はどんな展開を予定しているか教えて下さい。
今後も色々なギタリストの方とコラボをしたり、ES-335用とかジャズ・ベース用のものなど、違うタイプのモデルも作っていきたいですね。あとはWEBのカラー・オーダーを始める予定で、WEB上で好きな色を選んで、約4週間で手元に届くようなものを想定しています。革製のギター・ストラップってどうしても黒や茶色になりがちですけど、シーンに合わせて色を変えたり、洋服のように楽しんでいただきたいと思っていて。それでカラーをたくさんラインナップしているんですよ。夢としては、革製のギター・ケースや革貼りのギター・アンプなど、ギタリストを支えられるものをもっともっと作っていけたら嬉しいですね。
■ AQUBE MUSIC PRODUCTS 公式サイト
https://amp.tokyo.jp/