白井眞輝([Alexandros])“But wait. Tour? 2022”使用機材 白井眞輝([Alexandros])“But wait. Tour? 2022”使用機材

白井眞輝([Alexandros])
“But wait. Tour? 2022”使用機材

[Alexandros]が現在開催中のツアー、“But wait. Tour? 2022”のリハーサル現場に潜入! 白井眞輝がステージで使用するギターとペダルボードを撮影させてもらった。最新作『But wait. Cats?』のレコーディングで活躍した機材をライブでも積極的に導入している。今回はそのアップデートされたギアを一挙にご紹介。

取材・文=伊藤雅景 ギター写真=星野俊 ボード写真=事務所撮影

Guitars

1962 Fender Stratocaster

最新作で最も活躍したストラトキャスター

 “ストラトキャスター熱が高まっている”と語る白井が、前作『Sleepless in Brooklyn』(2018年)のレコーディングに引き続き、新作『But wait. Cats?』でも最も弾き倒したというのがこの1962年製ストラトキャスター。弦はghsのboomersでゲージは.010〜.046をチョイスし、レギュラー・チューニングでセッティングしている。ツアーでは「Aleatoric」、「Baby’s Alright」、「閃光」、「日々、織々」などで使用。


1964 Fender Stratocaster

カポタスト使用時に登場する1本

 日に焼けたオリンピック・ホワイトが渋い1964年製のストラトキャスター。本器はカポタストを使用する楽曲のために用意された1本だ。弦とチューニングはサンバーストと同様。また、ブリッジはベタ付けの状態で、アーミングは軽くビブラートをかける程度だという。本ツアーで登場する機会は少ないが、今後の活躍が楽しみな1本。


1957 Gibson Les Paul Conversion

1957年製ボディ&PAFのコンバージョン

 白井曰く“サウンドが軽やかでカリッとしていて、シングルコイルみたいな使い方もできる”という1957年製のレス・ポール・ゴールドトップ。一番のお気に入りとのことで、レコーディングやライブでも随所で活躍している。もともとP-90が搭載されていた57年前半製のボディにPAFを取り付けた、いわゆる“コンバージョン”モデル。弦はghsのDavid Gilmour Signatureで.0105-.050と、ストラト用より太いものをチョイスしているのがポイント。


1978 Gibson ES-335 TD

バンド人生に寄り添い続ける“魂の1本”

 デビュー当初から所有しているお馴染みの1978年製ES-335。白井自身も“自分のギター人生に寄り添ってきてくれた1本”と語る、彼に欠かせないギターだ。最新作のレコーディングでこそ使われなかったが、ツアーでは「空と青」、「Rock The World」は本器で奏でられる。内部の改造点は不明だが、ボディ全体のリフィニッシュに加え、ピックガードの交換が行なわれている。


1962 Gibson ES-345

ES-335の後釜を担う白井のメイン・ギター

 映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で有名な仕様を彷彿させる1962年製のギブソンES-345。入手以前はES-335がメイン器だったが、2016年頃に入手して以来はこちらを頻繁に使用するように。購入時はストップ・テイルピースが搭載されていたがビグスビーへ換装し、ジャックもステレオからモノラル仕様へと改造された。ツアーでは「どーでもいいから」、「we are still kids & stray cats」などで使用。

Pedalboard

 2枚に渡る白井の巨大なライブ用ボード。複雑なプログラムで制御されているように思える見た目だが、直接エフェクターを踏み分けることも多いシステムだ。右側(ボードA)、左側(ボードB)に分けて解説していこう。まずはメイン・ボードとなる右側のボードAから。


ボードA

【Pedal List(ボードA)】
①FREE THE TONE/JB-21(ジャンクション・ボックス)
②SOLODALLAS/THE SCHAFFER REPLICA(ブースター)
③TONEFLAKE/Super Pre Amp Equalizer MODEL-G(プリアンプ/EQ)
④FREE THE TONE/LB-2(ループ・ボックス)
⑤Jim Dunlop/SW95 Slash Cry Baby Wah(ワウ)
⑥FREE THE TONE/ARC-3(プログラマブル・スイッチャー)
⑦BOSS/FZ-1W(ファズ)
⑧Keeley/DS-1 Ultra Mod.(ディストーション)
⑨Wren and Cuff/The White Elk(ファズ)
⑩DigiTech/Whammy5(ワーミー・ペダル)
⑪Ibanez/TS808 HW(オーバードライブ)
⑫BOSS/SD-1W(オーバードライブ)
⑬BOSS/OD-1X(オーバードライブ)
⑭Subdecay/Harmonic Antagonizer(ファズ/オシレーター)
⑮BOSS/BD-2W(オーバードライブ)
⑯UNION Tube & Transistor/Bumble Buzz(ファズ)
⑰Mad Professor/Ruby Red Booster(ブースター)
⑱Creation Audio Labs/MK4.23(ブースター)
⑲FREE THE TONE/ARC-53M(プログラマブル・スイッチャー)
⑳Mad Professor/Silver Spring Reverb(リバーブ)
㉑BOSS/DM-2W(ディレイ)
㉒BOSS/DD-6(ディレイ)
㉓Electro-Harmonix/Pulsar(トレモロ)
㉔BOSS/CE-2W(コーラス)
㉕BOSS/DC-2W(コーラス)
㉖FREE THE TONE/JB-21(ジャンクション・ボックス)
㉜Ernie Ball/Mono Volume Pedal(ボリューム・ペダル)
㉝BOSS/MT-2(ディストーション)
㉞JOYO/Extreme Metal JF-17(ディストーション)
㉟Eventide/PitchFactor(ハーモナイザー)
㊱FREE THE TONE製アウトプット・セレクター
㊲BOSS/TU-3S(チューナー)
㊳FREE THE TONE/PT-3D(パワー・サプライ)
㊴FREE THE TONE/PT-1D(パワー・サプライ)

 接続順はギターからジャンクション・ボックス①、プリアンプ類の②、③を通り、ループ・ボックス④を経由し⑤のワウを通ったあと⑥のスイッチャーへ。④は片方のループはハードな歪みの⑦〜⑨、もう片方がワーミー⑩がつなげられており、スイッチャー⑥のラッチ・スイッチでオン/オフをコントロール。歪みの⑦〜⑨は用途によって直接踏み分けている。

 ⑥の各ループでは⑪〜㉚が接続され、⑥のアウトから㉛を通り各種アンプへと出力される。⑥の各ループに接続されるエフェクターの一覧は以下のとおり。

L1:⑪〜⑭
L2:⑮
L3:⑯+⑰
L4:⑱
L5:⑲(ここで⑳〜㉛をコントロール)
L6:㉜
L7:㉝+㉞
L8:㉟

 これらのエフェクターを、曲ごとに組み合わせプリセットしている。⑥のループL5に組み込まれたスイッチャー⑲には、空間系がまとめられており、ダイレクト・モードで個別に制御。各ループの構成は以下のとおりだ。

L5-1=⑳
L5-2=㉑+㉒
L5-3=㉓
L5-4=㉔+㉕
L5-5=㉖〜ボードB㉗〜㉛(ボードBは以下で別途解説)

 それでは、使い方のポイントを見ていこう。

 まず歪みセクションのL1だが、直列に接続された4台の歪みは、ギターの持ち替えや楽曲ごとに直接オン/オフを操作。

 L2、L3はクランチ用として使用。写真では、最新作収録の「クラッシュ」のイントロで使用したファズ⑯が組み込まれているが、これはボリューム調節ができないため、後段の⑰で調節している。

 ボリューム・ペダル㉜は誤動作を防ぐためスイッチャーでコントロールされ、ボリューム奏法が必要な場面でのみ機能するようにしている。L7のディストーション㉝㉞も直列接続で、楽曲によって踏み分け。

 L8はピッチ・シフターとして使用し、⑥のMIDIで管理する。
なお、㊱のアウトプット・セレクターも⑥のラッチ・スイッチでコントロール。クリーン用と歪み用とで2種類のアンプを切り替えられるようになっている。


ボードB

【Pedal List(ボードB)】
㉗FREE THE TONE/JB-21(ジャンクション・ボックス)
㉘Line 6/M5(マルチ・エフェクター)
㉙Way Huge/ATREIDES(フィルター)
㉚Moogerfooger/MF-101(ローパス・フィルター)
㉛BOSS/PS-6(ピッチ・シフター)

 ボードBには、上述のL5-5からジャンクション・ボックス㉖を経由して、同㉗から信号が入力される。フィルター系のエフェクター㉘〜㉛が番号順に直列に接続され、㉗から出力。㉖を通りL5-5のリターンへと戻る。

 ㉘はSeekerモードの音色をプリセット。また、今作『But wait. Cats?』のレコーディングで活躍したと語ってくれたMoogerfooger製エフェクターが新たに導入されていた。

LIVE INFORMATION

But wait. Tour? 2022

【ツアー・スケジュール】
2022年09月09日(金)/福岡市民会館
2022年09月11日(日)/松山市総合コミュニティセンター
2022年09月17日(土)/沖縄コンベンションセンター劇場棟(会場変更)

But wait. Arena? 2022

【ツアー・スケジュール】
2022年10月15日(土)/ポートメッセなごや 新第1展示館
2022年10月16日(日)/ポートメッセなごや 新第1展示館2022年11月16日(水)/大阪城ホール
2022年11月17日(木)/大阪城ホール
2022年12月07日(水)/国立代々木競技場第一体育館
2022年12月08日(木)/国立代々木競技場第一体育館

【チケット】
全公演チケット: ¥8,800(全席指定)

※ツアーの詳細は公式HPまで
https://alexandros.jp/

作品データ

『But wait. Cats?』
[Alexandros]

ユニバーサルJ/UPCH-2243/2022年7月13日リリース

―Track List―

01.Aleatoric
02.Baby’s Alright
03.閃光
04.どーでもいいから
05.日々、織々
06.空と青
07.Rock The World
08.無心拍数
09.we are still kids & stray cats
10.クラッシュ
11.awkward

―Guitarist―

白井眞輝