ハードなステージを支える菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)のギター&ペダル ハードなステージを支える菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)のギター&ペダル

ハードなステージを支える
菅原卓郎(9mm Parabellum Bullet)のギター&ペダル

9枚目のスタジオ作品『TIGHTROPE』をリリースした9mm Parabellum Bullet。ここではそのレコーディングでも活躍した、菅原卓郎のギター&ペダルをご紹介。『DEEP BLUE』(2019年)制作時から刷新された最新エフェクター・ボードは要チェックだ!

文=編集部 撮影=西槇太一

Guitars

ESP/Trickstar

スプリングによる鳴りが魅力のシグネチャー・モデル

ライブでのメイン器を務める、2018年頃に完成した菅原のシグネチャー・モデル。トレモロ・ユニットが搭載されている本器は、本人曰く“ストラト風な空気感のある、アコースティックな鳴りが魅力”とのこと。現在のピックアップはセイモア・ダンカンのSH-18だが、今作のサウンドの方向性に近づけるために同社製SH-6への載せ替えを検討しているそうだ。


ESP/Trickstar

ハード・テイル仕様のTrickstar=通称“DEEP BLUE”

一般販売されているESPのシグネチャー・モデルにはないカラーリングが施された、ハード・テイル仕様のTrickstar。通称“DEEP BLUE”。ピックアップはメイン器と同じくセイモア・ダンカン製SH-18。トレモロ・ユニットが搭載されたサンバーストのモデルに比べて、タイトで食いつきが良く、ガッツのあるサウンドに仕上がっているそうだ。


ESP/Bricoleur

9mmのサウンドを支える剛健なギター

シグネチャー・モデル“Bricoleur”は『TIGHTROPE』でもクリーン・サウンドで使用。このFiesta Redの個体は、菅原が数本所有するBricoleurの中でも、歪みと倍音の混ざり方が一番明瞭とのこと。また、ボディにも剛性があり、久しぶりに弾いても良い意味で音が変わらないという。“凄く体幹が良いスポーツ選手みたい”な1本で、“9mmのライブで求められる正確さは、ESPのギターじゃないとダメ”と語ってくれた。


Wade Instruments/Takuro Sugawara Model

パーラー・サイズのオーダーメイド・ギター

コンパクトなサイズのアコースティック・ギターを求めて、大阪市にある工房“Wade Instruments”へ2019年頃にオーダーしたという1本。サイズ感や、ピッチの良さがお気に入り。今作のレコーディングでは登場していないが、弾き語りや9mmのライブのアコギ・パートでたびたび使用している。

Pedalboard

【Pedal List】
①TC Electronic/Polytune 3(チューナー)
②BOSS/ES-5(プログラマブル・スイッチャー)
③One Control/Pale Blue Compressor(コンプレッサー)
④BOSS/OD-1X(オーバードライブ)
⑤WALRUS AUDIO/Red High Gain Distortion(ディストーション)
⑥Electro-Harmonix/OP-AMP Big Muff (ファズ)
⑦Providence/CHRONO DELAY(ディレイ)
⑧BOSS/RV-6(リバーブ)
⑨Ex-pro/PS-1(パワー・サプライ)

ペダル・トレイン上にコンパクトにまとめられた菅原のボード。

接続順は、①のチューナーから②のプログラマブル・スイッチャーへ。③〜⑦は②のループへとそれぞれ接続されており、②のアウトから⑧のリバーブを通りアンプへ。

なお、9月9日からスタートしたツアーでは、レコーディングで使用したと語るMXRのPhase90(フェイザー)とKeelyのCaverns(ディレイ)が追加されている。

ツアー時のボード写真(本人提供)。Phase90はスイッチャー②の前段に、Cavernsは②の1つ目のループに接続されているようだ。

ファズ⑥は『TIGHTROPE』の制作でも使用しているが、レコーディングでLittle Big Muff Piと使い分けていたそうだ。爆音感はLittle Big Muff Piに軍配が上がるが、音が潰れてほしくないフレーズの際は、OP-AMP Big Muffを使用していたとのこと。

以下は取材時に持参してくれた、『TIGHTROPE』のレコーディングで活躍したペダル。

写真左のセイモア・ダンカン製Diamond headは、「Blazing Souls」(2020年)の制作から導入しているペダルで、今作でも幅広く活躍していた。菅原のバッキング・パートで使用することが多かったそうで、滝曰く“かなりコッテリとした歪み”が特徴だという。

右の同社製Vapor Trail Deluxeは、シマーやロータリーなどのトリッキーな空間系エフェクトを組み合わせられるアナログ・ディレイ。今作では「淡雪」、「煙の街」のクリーン・サウンドで、ほかのリバーブ・エフェクトと組み合わせて使用したそうだ。

ギター・マガジン2022年10月号
レス・ポールの70年

ギター・マガジン2022年10月号では、誕生から70年が経ったギブソンのレス・ポールを徹底深堀り! また、9mm Parabellum Bullet『TIGHTROPE』の制作やフレーズ・メイクについて、滝&菅原が語ったインタビューも掲載! 本記事とあわせてチェック!

LIVE INFORMATION

9mm Parabellum Bullet presents
「Walk a Tightrope Tour 2022」

9月19日(月・祝)/Zepp Fukuoka
9月23日(金・祝)/仙台 GIGS
10月2日(日)/Zepp Haneda
10月9日(日)/Zepp Sapporo

※チケット等詳細は公式HPをチェック!
9mm Parabellum Bullet公式HP:https://9mm.jp/

作品データ

『TIGHTROPE』
9mm Parabellum Bullet

コロムビア/COCP-41808/2022年8月24日リリース

―Track List―

01. Hourglass
02. One More Time
03. All We Need Is Summer Day
04. 白夜の日々
05. 淡雪
06. Tear
07. タイトロープ
08. Spirit Explosion
09. 泡沫
10. 煙の街

―Guitarists―

滝 善充、菅原卓郎