Tatsuyaのギター&サウンド・システム サバプロの楽曲に彩りを加える機材セッティング Tatsuyaのギター&サウンド・システム サバプロの楽曲に彩りを加える機材セッティング

Tatsuyaのギター&サウンド・システム 
サバプロの楽曲に彩りを加える機材セッティング

次世代のラウド・ロック・シーンを牽引する存在として注目を集めるSurvive Said The Prophet、通称サバプロ。今回我々は、アルバム『Hateful Failures』を引っ提げたツアーのために、都内で行なわれていた彼らのリハーサル現場に潜入し、機材を撮影してきた。ここではTatsuyaの愛用ギター、アンプ&ボードをご紹介しよう。

文=福崎敬太 撮影=星野俊

Guitars

SCHECTER/AR Custom Baritone

SCHECTER/AR Custom Baritone(表)
SCHECTER/AR Custom Baritone(裏)

バリトン・スケール&ドロップA♯チューニングのヘヴィなメイン器

シェクターにオーダーした27インチ・スケールのカスタムAR。ドロップA♯チューニング(6弦からA♯-F-A♯-D♯-G-C)のメイン器で、セイモア・ダンカン製ANTIQUITYを2基搭載し、1弦側ショルダー部のスライド・スイッチにミュート機能を有している。なお、スライド・スイッチの下2つはダミー。少し低めにセッティングされたフロント・ピックアップは、タッピングやリード時に使うこともあるが、基本的にはリアを選択する。エボニー指板に杢目が浮き出るボディ、あえて白くしたヘッドなど、その見た目がお気に入り。


SCHECTER/AR Custom with EverTune

SCHECTER/AR Custom with EverTune(表)
SCHECTER/AR Custom with EverTune(裏)

新たに導入したドロップC用チューニング

チューニングが安定するレコーディング用のギターを求めて、エヴァー・チューン・ブリッジを搭載したモデルをオーダー。巻き弦(4〜6弦)をチョーキングしても音程変化が起きないように設定している。今回のツアーで新たに、ドロップCチューニング専用としてラインナップに加わったようだ。ピックアップはセイモア・ダンカン製ANTIQUITY。まだ登場回数が少ないため、ピックアップはリアしか使う機会はないとのこと。


SCHECTER/AR Custom with Bigsby

SCHECTER/AR Custom with Bigsby(表)
SCHECTER/AR Custom with Bigsby(裏)

ルックスが最重要! ビグスビーのカッコ良さを実現した1本

トラディショナルな雰囲気をまとうサンバーストのARが、レギュラー・チューニング用のメイン。“どうしてもビグスビー・スタイルの1本が欲しかった”そうで、何より見た目がお気に入りとのこと。ビグスビーB5のテイルピースは穴を貫通させて弦交換を容易にしているのもポイントだ。また通常2ピックアップ仕様のところ、センター・ピックアップを追加して、そのオン/オフを1弦側スイッチの真ん中に設置(上がキル・スイッチで下はダミー)。そのため、フロント&リアの3ウェイにセンターを加えるようなコントロールになっている。なお、ピックアップはすべてセイモア・ダンカン製ANTIQUITY。

Amplifiers

Kemper Profiler Rack&Mesa/Boogie Rectifier 4×12 Cabinet

Kemper Profiler Rack&Mesa/Boogie Rectifier 4x12 Cabinet

楽曲ごとに細かくプリセット

バッキングでサバプロらしさを支えるIvanと、楽曲ごとのキャラクターを演出するTatsuya。Ivanがギターごとに統一感のあるバンクをセッティングしている一方で、Tatsuyaは楽曲ごとに細かくプリセットを整えている。

プロファイリング・ソースはメサ・ブギーのDual Rectifierや、以前愛用していたフリードマンBE-100など。EQやコンプレッサー、ゲート、ディレイなどのエフェクトもKemper内のモデルを使用している。

アンプ上部におかれたピックケースなど小物類
アンプ上部におかれたピックケースなど小物類。

Pedalboard

Tatsuyaのペダルボード

【Pedal List】
①②SHURE/GLXD6(ワイヤレス・レシーバー)
③Electro-Harmonix/Switchblade+ Mod(インプット・セレクター)
④BOSS/LS-2(ライン・セレクター)
⑤Conisis/Elegant Beast MkI(バッファー)
⑥Electro-Harmonix/POG2(オクターバー)
⑦Line 6/FM4(マルチ・モジュレーション)
⑧BOSS/TU-3w(チューナー)
⑨Kemper/Profiler Remote(フット・スイッチ)
⑩Mission Engineering/EP1-KP GN For Kemper(エクスプレッション・ペダル)
⑪BOSS/FV-500L(ボリューム・ペダル)
⑫BOSS/AD-10(アコースティック・プリアンプ)
⑬Fireglow/PS-01(パワーサプライ)

3つの入力系統をシンプルにコントロール

Tatsuyaのペダルボードは、ドロップA♯チューニング、レギュラー・チューニング、アコースティック・ギターの3系統の入力を取りまとめている。

エレクトリック2系統は、ドロップA♯チューニングがレシーバー①から、レギュラー・チューニングが②から入力される。そして、2インのインプット・セレクター仕様に改造された③にそれぞれの信号が入り、入力ソースを選択するシステムだ。

③からはライン・セレクター④、バッファー⑤をとおってアンプへと出力される。なお、ライン・セレクター④は片方のループに⑥、⑦を入れたルーパー的な使い方だ。

⑥+⑦はシンセ・サウンドのような音を再現するのに使用。⑦は感覚的に操作してプリセット登録をしたため、内容は不明。

また、⑧は③のチューナー・アウトに接続されている。

Kemper側は⑨〜⑪でコントロール。構成は楽曲ごとによって細かくセッティングされているが、どのバンクでも以下が基本となっているそうだ。

フットスイッチの番号音色
1メインのバッキング・サウンド
2ディレイ系のリード・サウンド
3リバーブ系のリード・サウンド
4クランチ
5クリーン

また、上部のフットスイッチにはKemper内のエフェクトが個別にアサインされ、直接踏み分けている。その内容は、ファズ、EQ、コンプ、ゲート、ディレイなど、楽曲ごとに異なるそうだ。

⑩はワウやワーミーなど、プリセットによって用途が振り分けられている。⑪はボリューム操作用。

Tatsuyaのペダルボード(左)
Tatsuyaのペダルボード(右)

アコースティック・ギターは上述のエレキ用システムからは独立しており、⑫に入力してそのままPAに出力される。

作品データ

Hateful Failures
Survive Said The Prophet

ソニー/SRCL-12243/2022年10月12日リリース

―Track List―

  1. Hateful Failures Pt.1
  2. Mary
  3. Drive Far
  4. Beauty Queen
  5. Papersky
  6. Win / Lose
  7. Hopelessly young
  8. Hateful Failures Pt.2
  9. 624
  10. Prayer

―Guitarists―

Tatsuya、Ivan