山岸竜之介が初のギター・インスト作で使用した5本のビンテージ&モダン・ギター 山岸竜之介が初のギター・インスト作で使用した5本のビンテージ&モダン・ギター

山岸竜之介が初のギター・インスト作で使用した5本のビンテージ&モダン・ギター

貴重なビンテージを含め、数多くのギターを弾いてきた山岸竜之介。そんな彼が自身初となるインスト作品『THE GUITAR』のレコーディングで選んだ5本のギターを紹介しよう。

文=福崎敬太 撮影=小原啓樹

Ryunosuke’s Guitars

Gibson/1965 SG Standard

Gibson/1965 SG Standard(前面)
Gibson/1965 SG Standard(背面)

アルバムのジャケットを飾ったMVP

“ほぼすべての楽曲の何かしらのトラックで使っている”という『THE GUITAR』のMVPが、アルバム・ジャケットにも写る1965年製SG Standardだ。ストラップ・ピンを交換した以外はフル・オリジナルを保っている個体で、ピックアップにはナンバードPAFが搭載されている。

基本的にボリューム&トーンはフルにして、ピックアップ・ポジションはフレーズによって適宜チョイスしている。“音がシャープでリードが弾きやすく、シングルコイルっぽい艶やかさがある”とのこと。

2022年7月、山岸がサポートを務めるシンガー、根のシンの大阪なんばHatch公演の前日に、Guitar Tribeで購入。


Fender/1962 Jazzmaster

Gibson/1965 SG Standard(前面)
Fender/1962 Jazzmaster(背面)

自身のアイコンとなっている赤いジャズマスター

ソロ・ギター曲「Pray」で太く艶のあるサウンドを奏でたのが、1962年製のジャズマスターだ。そのほかにもいくつかの曲のソロ・パートで使用された。

入手時点で改造されていたものをオリジナルの仕様に近づけたのち、新たにプリセット回路をバイパスし、リフィニッシュなどを施している。また、チョーキングの詰まりを解消するために指板アールを10インチ程度に削ったそうだ。

“強くピッキングした時に、ツンとしたハイとシャキシャキした部分が出やすいので、ダイナミクスを表現しやすい”とのこと。


Gibson/1973 Firebird “Medallion”

Gibson/1965 SG Standard(前面)
Gibson/1973 Firebird "Medallion"(背面)

恩人の意思を継ぐ、貴重な“メダリオン”

限定366本のみ生産された貴重なメダリオン付きFirebird Vは、MAD GANGやSOUTHSIDE SHUFFLEで活躍したギタリスト、故・碇健太郎が所有していた1本。山岸が初めてステージに上がったのが碇の追悼ライブで、父の先輩というつながりもあり、2023年の初めに遺族から譲り受けたそう。

スライド・プレイヤーだった碇の意志を継ぎ、サザン・ロックな「Break」のスライド・パートで使用。“生音がアコースティックな感じでロー成分が強く、ハードロックなサウンド”と語る。


Ibanez/AZ2204N

Gibson/1965 SG Standard(前面)
Ibanez/AZ2204N(背面)

8K解像度のモダンなクリスタル・サウンド

「Polyphonic」や「Wave funk feat.Tatzma the joyful」、「Chill Guitar」などのモダンな楽曲で使用された1本。シーケンスやストリングスの同期が入っている時などに絶妙な存在感で鳴ってくれるそうで、変態紳士クラブなどのサポート・ワークでも活躍している。

ピックアップはリアのハムバッカー、センターとリアのハーフトーンを選ぶことが多く、特に後者のクリスタルなサウンドがお気に入りで、“8Kくらい解像度が高い”と語る。なお、センター・ピックアップを低めにセッティングしているが、これはリアの出力が相対的に上がるようにするため。


Ibanez/AZS2209H

Gibson/1965 SG Standard(前面)
Ibanez/AZS2209H(背面)

アレンジ仕事でも活躍する万能プレイヤー

「Polyphonic」や「Wave funk feat.Tatzma the joyful」の“馴染ませたいバッキング”などで活躍したのがアイバニーズのTLタイプ。アレンジの仕事やプロデュース・ワークでも使うことが多いという万能な1本だ。“頭を使わずに音を作って演奏しても、合わない時がない”と、信頼を置いている。

山口和也から誕生日プレゼントとして贈られたシャルム・ド・マジ(Charme de Magie)のボリューム・ノブに交換されている以外に改造点はなし。

Recording System

Line 6のPODとニューラルDSPのQuad Cortex
Line 6のPOD(マルチ・エフェクター/左)とニューラルDSPのQuad Cortex(ギター・プロセッサー/右)
制作に使用されたオーディオ・インターフェースは、アンテロープのDiscrete 8
制作に使用されたオーディオ・インターフェースは、アンテロープのDiscrete 8(上段)。下はウォーム・オーディオのWA73-EQ(マイク・プリアンプ)とMOTUのes(オーディオ・インターフェース)

Quad Cortexでサウンドメイクをほぼ完結!

『THE GUITAR』の基本的なサウンドはQuad Cortexで作っており、Discrete 8を経由してPC上のDAWソフト、Logic Proへと送られている。ギターに関してはプラグインはあまり使っていないそうで、おもに活躍したものといえば、ウェイヴス(Waves)のRenaissance Compressor(コンプレッサー)とプラグイン・アライアンスのKIRCHHOFF-EQ(イコライザー)。

Line 6のPODは山岸と同じ1999年生まれの初代モデル。“音がうしろに引っ込むので、馴染みすぎる”そうで、“あまり聴こえたくないけど間を埋めたい”箇所で使用した。一例としては、「Wave funk feat.Tatzma the joyful」でシンセの補強として白玉をユニゾンで鳴らしているそうだが、曰く“一緒になりすぎていて、たぶんわからないと思います”とのこと。

作品データ

山岸竜之介『THE GUITAR』

『THE GUITAR』
山岸竜之介

Ryunosuke Ymagishi/2023年8月20日リリース

―Track List―

  1. 序章 〜Intro〜
  2. I AM GUITAR HERO
  3. Break
  4. A_C
  5. Polyphonic
  6. Chill Guitar
  7. Pray
  8. Wave funk feat.Tatzma the joyful
  9. Monochrome (Guitar inst ver)
  10. No 1

―Guitarists―

山岸竜之介、Tatzma the Joyful